映画「CUREキュア」を見て、 #KuToo 運動の限界を考えた。

ティルティンティノントゥン @tiltintinontun

この犯人が唯一嫌悪の情を向けたのが大杉漣演じる県警本部長でして、この本部長、いわゆる刑事物のドラマで私たちがよく見る「地位と権力イコール自分」であり、普通の人なら誰でも持っている内面とか葛藤とかを持ってない人物として描かれています。

ティルティンティノントゥン @tiltintinontun

何か解らないことを言われたり、自分の納得できない報告を言われたり現実がやってきたら、とりあえず怒鳴る人。ストレスはその場で解消するから自分の中に何も蓄積されない。ペーパーテストでは優秀だからか他人のミスは知識、データとしてよ～く覚えているとか。

ティルティンティノントゥン @tiltintinontun

犯人はこの本部長だけには「お前なんか救ってやらないよ」みたいなことを言って、意味がわからない本部長が何を怒鳴ろうが（勝手に言ってろ）て態度をとります。

ティルティンティノントゥン @tiltintinontun

物語はまだまだ続くのですが、私が違和感を覚えたのはこの本部長の描写でして、尊大な態度をとる権力者とは物語の記号として描かれていて、権力が自分、地位が自分、命令が自分という記号として扱われがちですが、昨今の刑事ドラマではそうでもなくなって来ている。

ティルティンティノントゥン @tiltintinontun

この作品「CUREキュア」は1997年の公開なので2021年の描写を持ってくるのは駄目という意見もあるでしょうが、2021年のドラマで尊大な権威を振りかざす人って、その人なりに不満たらたらなんですね。

ティルティンティノントゥン @tiltintinontun

使えない部下、追い落としを狙ってくる近しいライバル、いれば口うるさい上役（県警本部長なので上司に県知事とか警察庁長官とか、政治家とか）、そして勝手なことを言うマスコミや市民、そういう人間関係にあって、その人なりに正義を持っていたら（自分は損ばかり被っている）など、

ティルティンティノントゥン @tiltintinontun

不満は持っているものとして描写されます。

ティルティンティノントゥン @tiltintinontun

で、ここで重要なのは、この映画を解説している人の何人かが指摘しているんですが、萩原聖人は会う人会う人に「その我慢、必要ですか？」と囁いて殺人を行わせるのですが、「良き教師であれ」「良き夫であれ」と無言の要求を強いる社会そのものに凶行を及ぼすようには言ってないんですよ。

ティルティンティノントゥン @tiltintinontun

萩原聖人の言葉で殺人を犯した人たちは、結局は「対処療法」でして、根本的な「良き○○であれ」を要求する不特定多数には凶器を向けない、だからストレスをもたらす直近の相手を殺したら我に返り、殺人を犯した記憶はあるんだけど何故やったかは全く覚えていない、

ティルティンティノントゥン @tiltintinontun

犯行時の自分が全く理解できなくて混乱する。

ティルティンティノントゥン @tiltintinontun

ちなみに萩原聖人の後催眠か犯人が記憶の混乱で思い出せないのかは不明ですが、犯行後に萩原聖人に会ったことも言われたことも覚えていません。交番の警官が最後に行った行動、記憶喪失の若者を病院に送ったという記述で役所広司は萩原聖人に会えたのです。

ティルティンティノントゥン @tiltintinontun

で#KuToo 問題です。

ティルティンティノントゥン @tiltintinontun

#KuToo 運動の人たちが「ヒールの高い靴を履くと足が痛くなる、足が変形する、だから履きたくない」ということ自体は私は否定しません。これは理解します。ただ「ヒール靴は男に強制された女性蔑視の象徴だ」みたいな発言に関しては（そうなの？）と疑問です。それは以前にも書きましたが、

ティルティンティノントゥン @tiltintinontun

まぁまぁこれは今回置いておきまして、

ティルティンティノントゥン @tiltintinontun

#KuToo 運動が始まって「女性は足が変形するほどの靴を強要されている！」との声が上がったときに、「男だって革靴とかネクタイとか強要されてるぞ！」という声も上がりました、すると#KuToo の人たちは「それはそれで自分たちで声を上げてください」と言って採り上げなかったのですね。

ティルティンティノントゥン @tiltintinontun

女対男の構図で声を上げてしまったため、男が声を上げたら「知らん」と言ってしまい、女性＝抑圧される者、男性＝抑圧する者としてしまった、その後LGBT などが社会問題になると抑圧される者としてLGBT を自陣に引き入れ抑圧する男性性攻撃の兵力に組み入れましたし

ティルティンティノントゥン @tiltintinontun

抑圧される反アベスガが入ってきて抑圧するアベスガ・ネトウヨ攻撃という多方面展開が始まりましたが、男性カテゴリの中で抑圧を感じている人には手を差し伸べなかった、これは構図の欺瞞として顕現しました。

ティルティンティノントゥン @tiltintinontun

結局〝私憤〟なのかよと。

ティルティンティノントゥン @tiltintinontun

いや、繰り返しますが、ヒール靴を履かされて足が痛い、足が変形してもまだ履かされる、これに異を唱える、それ自体は何一つ文句はありませんよ、ここには同意します、

ティルティンティノントゥン @tiltintinontun

しかし一度正義を口にしたら、その定義から外れてしまう人にどんな態度をとるのか、正義が拾わなかった人がどうなるのか、それが従来言われている「社会に虐げられた人たち」なわけです。例えば腐女子を拾わない人って結構見ます。

ティルティンティノントゥン @tiltintinontun

強者に抑圧されている男性を見放した#KuToo は、強者の側、選別する側になったんです。それを自覚の無さが映画「CUREキュア」の萩原聖人でありまして、自分が囁いた者に殺された被害者を救うことは発想すらしていない、

ティルティンティノントゥン @tiltintinontun

普通独善の正義に無自覚な犯人でも「世の中の人全てを救うことは出来ない」とか「殺されたほうが楽になれるんだ」的なことは言うものですが、精神状態が近視眼的になっているのか、そういうの一切言及がないです。

ティルティンティノントゥン @tiltintinontun

だから#KuToo はもう既に、歴史の本を読んでいるとちょくちょく言われる「一地方の勢力」に収まっちゃって、「全国規模の」「世界レベルの」運動にはなれないんだろうなぁと。