1970年代の同人誌

『アイデア』348号で1970年代の同人誌の特集を書いたばるぼら氏による補足
13
B_R_B/A @blogdexjp

『アイデア』348号の1970年代の同人誌を一杯載せた特集にあわせて、同人誌と印刷に関わるメモを連続で投稿しますよ。

2011-08-11 14:27:37
B_R_B/A @blogdexjp

大坂氏はなけなしの二万円をはたいて、紙と印刷費にあて、『まんがマン』の第一号をすった。同時に、関西まんがマンクラブ(KMC)を結成して(略)全国の新人たちによびかけた。二十一年の六月のことである。これは、まさしく、戦後のまんが同人誌のはしりであった。(手塚治虫「ぼくのまんが記」)

2011-08-11 14:27:43
B_R_B/A @blogdexjp

コピー印刷誌。小部数なら比較的安価に、また手軽にできる。最近、富にふえてきた型式ですが、印刷効果は疑問です……となん度もいってきた。(略)細かい線が飛んだり、原稿の重量感がなく迫力にとぼしくなってしまっている。(略)この次には肉筆誌をぜひ!!(『COM』1971年4月号)

2011-08-11 14:27:49
B_R_B/A @blogdexjp

最近は批評誌もほとんどがオフセット印刷になっていて、特に表紙に力がはいり、これもコミックマーケット盛況の影響がモロに出ている。(『プレイガイドジャーナル』1978年3月号特集・ぼくたちのまんが その2 同人誌の血脈)

2011-08-11 14:27:55
B_R_B/A @blogdexjp

以上。『COM』1971年4月号の「コピー印刷」とは多分青焼きコピーのことです

2011-08-11 14:31:07
B_R_B/A @blogdexjp

ガリ版:ロウを塗った薄い紙を平たいやすりの上に置く。上から鉄の筆で線を引くと、そこだけロウが剥がれる。ロウは油を通さないので、剥がれた部分は油を通す。ローラー式の印刷機で台に紙を貼り、硬いインクで刷ると、ロウが剥がれた文字の部分だけインクが写って完成。シルクスクリーン方式。

2011-08-11 14:37:15
B_R_B/A @blogdexjp

青焼きコピー:半分透き通った紙に文字を書き、下に感光紙を置き、コピー機に入れる。上から強い光があてると、半透明の紙だから、何もないところは透けるが、字を書いたところは光を遮るので、感光してない部分が残る。それを定着液に浸し、ローラーで刷る。液で濡れてるので、乾かして完成。

2011-08-11 14:37:17
B_R_B/A @blogdexjp

ガリ版と青焼きコピーの説明は註釈で入れるつもりだったものの、スペースがなかったため省略したものです。

2011-08-11 14:39:04
B_R_B/A @blogdexjp

@takashiyam ガリ版は数回しかやったことないな……。青焼きコピーは『デザインのひきだし』最新号で青焼き特集をやってたので、またちょっと盛り上がったりするかもしれませんね。

2011-08-11 16:38:56
こっくり @kokkuri

アイデアが届いたので、1970年代同人誌の特集だけ読んでる(あとはコミケ後に…)。貴重な資料の宝庫的特集。すばらしいの一言に尽きる。ばるぼらさんスゲーッ!!!

2011-08-11 20:19:20
こっくり @kokkuri

式城京太郎さんの「同人誌の即売会は知る限りでは漫画大会が最初」という発言も興味深い。日本で初めての同人誌即売会をコミケとする資料もあり、何をもって「日本で初めての同人誌即売会」とするかは正直なところハッキリしていない。

2011-08-11 20:24:05
こっくり @kokkuri

とりあえず個人的な見解としては、「日本で最初の『コミケ』はコミックマーケットである」というところ。コミケ以前にコミケ的な同人誌即売会は存在しない。

2011-08-11 20:25:28
こっくり @kokkuri

@bxjp アイデア読みました! 想像以上に凄い特集でした。これがアイデアに載ったことも含めて大興奮です。

2011-08-11 21:10:42
B_R_B/A @blogdexjp

@kokkuri よかった!色々と調べてる人にも発見がある記事になってると思います。霜月さんの個人的コレクションや赤田さんの顔の広さと発想がなければできませんでしたね……

2011-08-11 21:49:15
B_R_B/A @blogdexjp

@kokkuri 知ってる範囲では漫画大会の前に第一回まんがフェスティバル@大阪府教育会館(1971年8月28日)がありますね。『COM』1971年11月号に「同人誌等の即売会などのアトラクション」「ディスカッションを三時間決行」「来年の東京大会にひきつがれることに」とあります

2011-08-11 21:56:22
B_R_B/A @blogdexjp

@oossiii そうそう、個人掲示板まで手を伸ばすと膨大になりますよね。地道に一人ずつ当事者に記憶を辿ってもらって聞いていくしかなさそうです

2011-08-11 21:57:59
こっくり @kokkuri

@bxjp なんと! 最初は大阪だったんですね。証言や資料から予想していた事実と異なることが発見されるたびにテンションあがります。この特集がアイデアに載ったのは、間違いなくばるぼらさんの功績でしょう。いやー、もう凄い。という言葉しか出ないですw

2011-08-11 22:25:15
資料性博覧会17@2024.8 秋葉原UDX2Fアキバスクエア @siryosei_expo

@bxjp 「コミケ創成期と同人誌」特集。素晴らしかったです。私自身もその時代の当事者でない位置から古い同人誌の資料集製作を行ったり、中島紳介さんによる特撮ファンジン創成期に関する連載記事をお手伝いしています。気付かされる事がたくさんありました。良い記事ありがとうございました。

2011-08-12 03:06:18
B_R_B/A @blogdexjp

@siryosei_expo それは嬉しいですね~。『まんだらけZENBU』との差別化はなんとなく考えてました。わはは。今回は創作漫画同人が中心で特撮系やアニメファンジンはサブ扱いなので、その辺は他の人達が突き詰めてくれるといいなと思います

2011-08-12 11:56:31
B_R_B/A @blogdexjp

昨日に引き続き1970年代同人誌の話。霜月さんの話に出てきた『あぴいる』のぐるーぷANTIはまだ活動を続けています→http://t.co/VA4oeEd

2011-08-12 12:07:01
B_R_B/A @blogdexjp

1966年から続く老舗同人サークル、アズ漫画研究会も現役で、今回のコミケ3日目にも参加してます→http://t.co/RwdHHCr 。ちなみに最長寿は1962年結成の作画グループかな?(学漫除く)→http://t.co/T11ksoO

2011-08-12 12:08:26
B_R_B/A @blogdexjp

1960年代までの「同人誌」の使われ方は今の使用法とどうも違う印象があります。人が集まって本を作る行為を同人誌と言っていて、既存の出版社の流通を通しても構わないようです。また何十万と印刷費をかけていわゆる商業印刷物と同じクオリティで作っても「同人誌」だったりします。

2011-08-12 12:17:28
B_R_B/A @blogdexjp

1970年代までは同人誌は複数人が集まって制作するのが当然だったので、一人で作った本は「個人誌」といって特別扱いされています。しかし印刷費の低下などの要因で一人で作ることが簡単になり、徐々に一人で作ったのが同人誌で、複数人で作るのは「合同誌」として扱われてますね。

2011-08-12 12:17:36