パロディ、オマージュ、パクリ これらの問題の難しさについて

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SOW@ @sow_LIBRA11

まぁパロディ問題。これなかなか難しいもんで、明確な線引ってしづらいとこありましてね。 法的云々も同じく。 すっごい極論しちゃうと、 「勝てば官軍負ければ賊軍」なハナシで、 要は、「滑ったらアウト」でさえもあるわけですわ。 pic.twitter.com/JwZURJGWHE

2021-06-30 07:53:31
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SOW@ @sow_LIBRA11

ネタ元を彷彿させるも、それと異なるキャラや設定だったろしたからダメ、でもない。 むしろそっちの方が問題なケースもある。 だって、パロディですからね。 「本物」と違わなきゃいけない。 本物の設定を準拠してたらそれはただのパクリです。 pic.twitter.com/WxVdkbnDCp

2021-06-30 07:55:12
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SOW@ @sow_LIBRA11

例えば「Drスランプアラレちゃん」で、「スッパマン」というキャラがいました。ひと目で分かる「スーパーマン」のパロディキャラです。 しかし、スーパーマンと異なり、卑怯だし弱いし性格悪です。自分の悪口言ったやつに手榴弾投げつけますw pic.twitter.com/FrgoWsYRDw

2021-06-30 07:56:45
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SOW@ @sow_LIBRA11

ではこれが「スーパーマンをバカにしている」と、設定を準拠したらどうなるでしょう。 正義と平和を愛し、紳士的で二枚目、アラレちゃんに匹敵する無敵のヒーロー・・・もうそれはスッパマンではなく、スーパーマンです。 無許可で出た、パクリキャラどころの騒ぎではありません、まさに版権問題。 pic.twitter.com/ABk6J3FWZ0

2021-06-30 07:58:22
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SOW@ @sow_LIBRA11

逆にNGだった例も数多くあります。 有名なところでは「キン肉マン」です。 といっても、我々はよく知る連載版ではありません。 新人賞投稿版の、読み切り版です。 pic.twitter.com/T5lrbC0rbN

2021-06-30 08:03:43
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この中で、キン肉マンは「ウルトラ兄弟の落ちこぼれ」で、「ウルトラの父が酔った勢いでパートのおばちゃんとの間にこさえた隠し子」という設定でした。 あたりまですが、円谷プロは許可を出しませんでした。 「心が狭い」とかそんな問題ではありません。 pic.twitter.com/EnQdsX0zMp

2021-06-30 08:05:06
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SOW@ @sow_LIBRA11

これを認めてしまえば、 「キン肉マンはウルトラ兄弟の一人」になってしまいます。 さらには「ウルトラの父は不倫をする男」になり、「兄弟たちはその子どもをいじめる悪者」になってしまうのです。 パロディではなくオフィシャルになってしまう。 これは双方にとって良い結果ではなかったからです。 pic.twitter.com/LsRN2LqLBD

2021-06-30 08:06:57
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念の為に言っておくと、この投稿版「キン肉マン」。 作者のゆでたまごのお二人は、プロになるつもりで描いていません。 元々漫画好きの親友同士で、高校卒業後は就職が決まっていました。 最後の思い出として描いた作品を、記念に投稿したものなのです。 pic.twitter.com/57lYtIyE5l

2021-06-30 08:08:36
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SOW@ @sow_LIBRA11

ただこの投稿版「キン肉マン」あまりにおもしろく、編集者が惚れ込み、地元の大阪まで足を運び、「もし漫画家がダメだった時は責任持って就職先を探す!」とまで親を説得してデビューさせたとか。その編集者こそが、「アデランスの中野さん」だった―― pic.twitter.com/YI7Vz8Vuzt

2021-06-30 08:10:15
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SOW@ @sow_LIBRA11

と、言われていますが、資料によって名前が異なるので、明言できません。 ただ、そこまで熱い説得が行われたことは事実なようです。 閑話休題。

2021-06-30 08:11:08
SOW@ @sow_LIBRA11

上記のように、パロディの線引きはなかなか難しい。 「同じ」であればパクリになるので、「違う」ものにしなければならないのが大前提。 正義のヒーローのパロディなら、悪の敵役になってしまうのも、まぁ「あり」なんですね。 少なくとも、版権を侵さない限り。

2021-06-30 08:12:55
SOW@ @sow_LIBRA11

こういった論議になると、次に出てくるのが「ネタ元へのリスペクト」というハナシです。 ですがこれも難しい。 敬意だ誠意だ愛情だ、そういうものは数値化できませんからね。 「誠意を見せろ」と言われるのは一番対応に困るのは皆様御存知の通り。 pic.twitter.com/pDGm1b4jVA

2021-06-30 08:14:34
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SOW@ @sow_LIBRA11

それの大変わかりやすいケースが、本邦のパロディものでも特に有名な、「仮面ノリダー」です。 見ての通り、「仮面ライダー」のパロディです。 アラフォー世代には思い出深い、当時大人気コントでした。 pic.twitter.com/at6QwFEEc7

2021-06-30 08:16:00
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SOW@ @sow_LIBRA11

ですがこの「仮面ノリダー」の放送時期、同時に本家の最新作「仮面ライダーBLACK」が放送中でした。 こちらの、本家側の反応はこれがまた様々で、笑って許したところもあれば、黙認したものもいますし、激しい怒りを見せたものもいました。 pic.twitter.com/u432wGNzfi

2021-06-30 08:17:30
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SOW@ @sow_LIBRA11

「仮面ノリダー」は、コントなのでやはりどうしてもおもしろおかしくする必要があります。しかし、総じてリスペクトは保っていました。ですが、「こっちが真剣に作っているものを茶化された」と難色を示す制作陣もいたのですね。 pic.twitter.com/Siw8W5TXDn

2021-06-30 08:20:21
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SOW@ @sow_LIBRA11

実際、「ノリダー」側からの、局を超えたコラボの提案もあったそうですが、断られたそうです。 「何を作ってもパロディにされる」と嘆息し、その後長らく新作が作られなかった理由の1つではと言われています。 やっと新作が放送開始したのは十年後のクウガ。空白期間としては最長。 pic.twitter.com/Qc0efkNGSu

2021-06-30 08:24:09
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SOW@ @sow_LIBRA11

まぁただ、「ノリダー」、その後時間が両者の溝を埋めたのか、正式に認められ、「平成ライダーの最終作」であるジオウ劇場版でのまさかの登場を果たすなどしたのは、記憶に新しいところ。 pic.twitter.com/DYm3KUY5ON

2021-06-30 08:27:39
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SOW@ @sow_LIBRA11

まぁかようにこのほど、「パロディ」の是非は難しく複雑なものなんですな。 「版権侵害」的な法的なものともまた別の次元なのです。 結局は「大衆に支持されればやむなく黙認」な場合が多かったりします。 そういう意味でも「滑ったから負け」なんですね。

2021-06-30 08:31:30
SOW@ @sow_LIBRA11

ただ、こっからがどうしても危惧してしまうものが、 「パロディの是非の線引きは難しい」 「明確な著作権侵害でなければ法的に”基本”問題がない」 なので、 「観客にウケるか否か」がポイントとなってしまうと、いわゆる「お気持ち案件」になるんですな。

2021-06-30 08:36:16
SOW@ @sow_LIBRA11

パロディとパクリの、最大の違いは、「気づかれたら困るのがパクリ」「気づかれないとおもしろくないのがパロディ」なわけです。ですが、「ネタ元」があると知った途端、「けしからん」と、大衆の警察化が起こりかねないハナシです。

2021-06-30 08:39:58
SOW@ @sow_LIBRA11

ここらへん、二次創作関係も同様のアレがありますが、著作者のもとにパロディを持ってきて、「これはいいのか!」とか詰め寄られたら、「困る」わけです。 「当方預かり知らぬこと」でスルゥしたいのに、いちいち是非を判断しなければならなくなる、ってか、その場合基本的に「不許可」になる。

2021-06-30 08:41:49
SOW@ @sow_LIBRA11

慣例的にも、先例的にも問題ない。 著作権侵害にも当たらない「パロディ」すらも、今後は風当たりが強くなったら大変だなぁと。 それがあるので、こういう問題が起こった時、著作権者、版権者は、穏やかな口調で「諌める」に留めるんですね。

2021-06-30 08:44:19
SOW@ @sow_LIBRA11

「パロディ」もまた表現方法の1つで、 「これは○○と言って、~~ができるんだ」 「なるほど、マンガやアニメで有名なアレだな」 「いやアレと違ってこれは△△できない」 「なんだってー」 的なシーンも、問題視されかねない。 他作を彷彿させるものは「けしからん」になると。

2021-06-30 08:48:25
SOW@ @sow_LIBRA11

なのであんま大事にしたくないのが正直なところなんろうなと、強い言葉を吐けば、グルっと回って自分の後頭部を叩きかねませんしね。 それは多分誰も、幸せにならない未来なんですよ。

2021-06-30 08:53:27