【ぼくの動き方】福間健二 #k2fact298

福間健二 @acasaazul

夜を歩いて、終わってなくてはならないこと、終わってない。もらえないもの、要らなかったことにしても、ウーン、変拍子のアジア。明かりのついているキッチンが待つわけではなく、靴下とか履かせてあげたい骨もいまは消えた。置いてあるタバコ、だれの願いとも関係ない。（ぼくの動き方１）#k2fact298

福間健二 @acasaazul

絶望で研ぐ刃、あるとしても。ラッキーストライク吸う傍観者の地上に打つ釘、だれの計算どおりでも。雑草は形式ではない。シャツ、ぶらさがっているのがいい。追い抜かれる孤独には。最終段階の血。やさしいかおりさんが拭きとって、音楽、切断されたしっぽを感じるため。（ぼくの動き方２）#k2fact298

福間健二 @acasaazul

当たり前だが、くやしいのは自分の力が足りないこと。のぼれない頂上から落ちてくる嘘で傷つけあう少年たちと同類じゃないと乗れなかった帰りのバス。実は書くことが、つまり自分の肩甲骨で飛行するのが怖い。そんな詩人がうるさくしゃべっている。世界は聞いていない。（ぼくの動き方３）#k2fact298

福間健二 @acasaazul

監視されていることが暗示され、段ボール箱をいくつも畳む夜があるということ。セロテープやホッチキスをはずすのが大変なのだが、いつのまにか指が時間を通りぬけて草の地面に触れ、そこに横たわる人が起きあがることがある。用件、なんだったろうという顔をして。（ぼくの動き方４）#k2fact298

福間健二 @acasaazul

生きるためには笑顔でなにか売らなくてはならない。ひとり遊びの闇から出て、両手でできることを思い出しながら、電話した。チーちゃんの方でわるかったと思うなら、チーちゃんから謝らないといけないよ。道を歩く人たちがそれを聞く。失意の人が聞いて微笑むこともある。（ぼくの動き方５）#k2fact298

福間健二 @acasaazul

風の運ぶ力にまかせたい午前十時。その芽を食べたことがない植物に出会うだけで帽子とマスクの営業部は仕事がイヤになる。でも、売ってこいなのだ。通信欄に書かれること。気にしないつもりでもうれしい返事を期待するいじましさ。いいのか。いいよと風に言わせている。（ぼくの動き方６）#k2fact298

福間健二 @acasaazul

あっていい。とくに理由もなく割れたい蓋。マンボ、マリア・ボニータで踊るおばあちゃんたちの新喜劇。いつのまにかひとり増えている。がんばってるじゃないかと先生に言われたのが悔しくて蹴ったボールが落下する自由な土地。お帰りなさいじゃない。必要なのは、変化だ。（ぼくの動き方７）#k2fact298

福間健二 @acasaazul

同時通訳の声が変わって、低音で飛ぶ数字、さびしくない数字。白黒で見ていた夢から奪った環境に爪先で立つ。泣かないさ。新しいおばあちゃんの成長が止まらない。着地がむずかしいだろうけど。野菜、何が。キャベツ、ニンジン、ネギ。肉とごはんがあれば中華丼ができる。（ぼくの動き方８）#k2fact298

福間健二 @acasaazul

瞬間的に思ったこと。まだ言わずにいること。雨の日の室内、わかろうとしてくれる姿勢の影に救われる。でも息をつめないで。重い箇所をひとつずつ軽くする。こういう日もある。画鋲、洗濯バサミ、やはり色が欲しくなる。族というあり方がいやな人たちの話、聞いていたい。（ぼくの動き方９）#k2fact298

福間健二 @acasaazul

慎重になる手足。役に立つけど、脱力して悪魔と踊る方がいい。またもうひとり、新しいおばあちゃん。言ってほしい言葉を絶対に言ってくれない。未発表の短篇をファイルにしていて悪魔よりも手ごわい謎だ。お昼ですね。一緒に食べましょう。金水園のタンメンでいいですか。（ぼくの動き方10）#k2fact298