#超算数:迫田昂輝氏「かけ算の順序を逆に書いた式をバツにする人は、一度記事を読んでほしいです」
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【manavi更新情報】 1年にわたった迫田先生のコラムもついに最終回。 最後に炎上しかねないテーマを持ってくるあたり、さすが迫田先生! 我々も教育に関わるものとして「子どもの幸せ」を願ってやみません。 迫田先生、1年間ありがとうございました! manavi.zoshindo.co.jp/sakoda-sensei-…
2021-07-02 16:48:00
幼児教育から大学受験まで教育の仕事をしています/数学のトリセツ/河合塾講師/(株)LIBER代表取締役/早稲田大学理工学部数理科学科卒/池田学園池田高校卒/数学のトリセツに関するお問い合わせは bit.ly/3rb8y8a まで/相互f以外のDM見ていません/趣味はゴルフとワイン

かけ算の順序を逆に書いた式をバツにする人は、一度記事を読んでほしいです。 manavi.zoshindo.co.jp/sakoda-sensei-…
2021-07-02 15:47:19迫田氏の記事ブログ要約
アンケートを取ったところ、順序固定派が5.6% 順序容認派が83.2%となった。
迫田氏「私はこのようなかけ算の順序をこだわることには反対の立場です。一生懸命考え、かつ(順序固定派による)アンケートをしっかり読んだのですが、残念ながらかけ算の順序にこだわることの良さが個人的には見出せませんでした。」
主張を5つ抜き出してみました。
①式から生徒の考えを読み取ることは不可能。よってかけ算の意味について正しく考えてほしいのであれば、それは式の採点以外で行う必要がある。
②教科書や指導書は絶対ではない。1つの参考材料であり、「教科書を教える」のではなく「教科書で教える」べき。
③数学というツールは、万人が意思疎通するために生み出された、最高の言葉です。そこに(指導書にある)変なローカルルールを押し付けるのは、この言葉のメリットを放棄することにつながりかねない。
④(採点がおかしいと感じたら)子供と一緒に教科書を読んで考えさせたり、先生に間違いの理由を聞いてみるという姿勢を保護者が見せることが大事。
⑤(親は子供のテストの)点数ではなく、正しく考えていることを評価してあげた方がよい。点数が高いか低いかということは、瑣末な問題に過ぎない。正しく理解できているかできていないかが大事。
迫田氏の主張①「式から生徒の考えを読み取ることは不可能」についての補足
論点A
(1つ分の数)や(いくつ分)というのは、(トランプ配りなどの考え方や分割払いなどの手法で)いくらでも入れ替えることが可能です。それを式から読み取ることはできません。それにも関わらず「順序が異なるから」という理由で不正解とするのは、乱暴な主張である。
論点B
「『ずつ』という言葉があれば、その数が『1つ分の数』になるので、式の先に書きましょう」などと指導する先生もいる。しかし、これは結局生徒が理解できないまま式を書いてしまう原因になるため、良くない指導である。
論点C「模範解答とは異なる順序で式を書いていた場合、その生徒には図などを用いて説明させる」というものがあったが、それをやるなら模範解答通りに式を書いた子も含め、全員それをやる必要がある。正しく理解しているかどうかは式からでは判断できないのだから。
論点D「問題文に出てきた数を順番に掛ければ答えが出てしまう」というのであれば、普段の小テストなどは、適当にダミーの数字を問題文に入れてしまえば良い。

本文は概ね同意しますが、後半の資料の出展が「学習指導要領」になっているところは、「学習指導要領解説」です。 順序が違うとバツにする人とそれを擁護する人たちはこの「解説」を拠り所にすることが多いですが、これは根拠になりません。 manavi.zoshindo.co.jp/sakoda-sensei-…
2021-07-02 19:30:53以下 反論

「整数の乗算の順序を区別するな」という主張は「小数×整数(4年)と整数×小数(5年)を分けて教えるな」という主張と同値。なので(区別するなと主張する以上は)最低でも「乗算の順序の区別がない状態で小数の乗算の定義をどう指導するか」の代案提示は必須だが、これへのアンサーは見たことがない。 twitter.com/koki_sakoda/st…
2021-07-03 14:58:16
塾講師の大半は、おそらく小学校の算数の教科書など一度も読んだことがない(自身が現役小学生だった時代も含めて)ので、上記ツイートで何を問われているのかが、そもそも理解できないと思う。
2021-07-03 15:02:26
あと、非常にありがちだけど「整数×整数」の例を持ち出して「順序を交換しても同じだ!」と主張するのは筋が悪いです。 なぜなら、「小数×整数」になった瞬間にその主張は破綻するから。 まぁ、主張自体が間違ってるんだから「筋」もへったくれもないけど。
2021-07-03 15:07:03
「かけ算の順序を逆に書いた式をバツにする人は、一度記事を読んでほしいです。」(迫田氏 2021/07/02 03:37PM) 1 #掛算 #超算数 #算数 #算数教育 #かけ算の順序 #かけ算
2021-07-03 23:18:05
迫田昂輝氏「先生100人超に聞いた!「かけ算の順序問題」に保護者はどう向き合うべきか?」(manavi 2021/7/01) manavi.zoshindo.co.jp/sakoda-sensei-…
2021-07-03 23:18:06
算数では、かけ算の式を〈1つ分×いくつ分〉の順に固定して教え、また、文章題などで、児童にも、しばしば、その順序で答えさせる。3人いて各人に12個ずつみかんを配るとき、みかんは全部で何個必要?という文章題の式は、1人分(1つ分の数)が12個なので、12×3=36となる。
2021-07-03 23:18:06
順序が逆だと、しばしばバツにされる。だが、かけ算が〈1つ分がいくつ分〉で教えられていて、どれが1つ分の数でどれがいくつ分かが、児童にもわかるように、そして、児童が意識するように、そうするのである。
2021-07-03 23:18:06
その理由は、みかんをトランプ配りすれば、式は1つ分を先に書いて、3×12になる。1つ分といくつ分は入れ替わるのだから、3×12個と書いた子は、正しく〈1つ分×いくつ分〉の順に書いたかもしれないから、というのである。
2021-07-03 23:18:07
通常は、最初の人に12個をまとめて渡し、2人目に12個をまとめて渡し、……という配り方をする。トランプ配りでは、まず、3人に1個ずつ配り、次に、2個目を3人に配り、という配り方。この配り方では、1個ずつ全員に配るごとに(各巡ごとに)、3個のみかんのまとまりができる。
2021-07-03 23:18:07
これは、迫田氏のオリジナルな発想ではなく、昔から、自由派が順序派を批判するときに、根拠として使われてきた「手垢がついた」配布法である。そのために、文章題にはあらかじめ「くばる」という表現が仕込まれている。
2021-07-03 23:18:07
〈かけ算の順序〉を取り上げた1972年の朝日新聞の記事では、前年に、子どもが学校で逆順バツの答案を持ち帰った保護者のKさんが、やはり、トランプ配りを理由に、その採点に学校や教育委員会に抗議した。
2021-07-03 23:18:07
ところが、学校で、式を逆にした児童にきいて調べたところ、みな、ただ、文章題文章中に現れる順に数を書いただけであり、トランプ配りで考えた児童は1人もいなかった、という。トランプ配りは、児童が発想しない配り方なのである。
2021-07-03 23:18:08
トランプをトランプ配りをするのは、前のゲームの影響で、いいカードが連続するのを避けるため。みかんの場合はその心配がない。また、各人に配るみかんの数が12個と決まっているのに、トランプ配りのような非効率な配り方はしない。
2021-07-03 23:18:08
もし、親が子どもに菓子をトランプ配りで配る習慣がある家で育ち、トランプ配りで考える子どもがいたとすれば、その子が書いた式は、全部バツになるはずである。ところが、逆順バツの答案は、たいていは、文章中に現れる順序でいくつ分の数が先に現れる逆順文章題である。
2021-07-03 23:18:08
J. Mulliganは、文章題を解決するために子どもたちが使う方略を分析した論文で、「子どもたちが一つずつ配って共有するという方略を使うのは,長期調査や教授実験のいかなる段階においても非常にまれであることが明らかになった」(takehikom訳)としている。
2021-07-03 23:18:08
J. Mulligan, "Children's Solutions to Multiplication and Division Word Problems: A Longitudinal Study", in: MERJ, Vol.4, 1992, p. 24-41; p. 33 alearningplace.com.au/wp-content/upl…
2021-07-03 23:18:09