100ワニ映画(100日間生きたワニ)レビュー

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【100日間生きたワニ】 駄作。 「100日後に死ぬワニ」の映画化としては、上手く着地点を見つけている印象がありますが、単体の映画として評価すると、とてもじゃないですが観られる代物ではないです。 63分というかなり短めの尺にも関わらず、退屈に感じる場面も多々ありました。 #あもろそ映画 pic.twitter.com/sDXE9Ht0do

2021-07-09 13:06:07
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良かった点 尺が63分。90分以上あったら退屈でこっちが死んでました。 次に悪かった点ですが、この映画の問題点は主に「原作のチョイス」、「アニメーションのクオリティ」、「脚本とキャラクター」です。 それぞれが悪い方向に噛み合い、映画としてのクオリティを大きく下げている印象があります。

2021-07-09 13:06:07
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最初に「原作のチョイス」について、これは公開前から散々言われていましたが、そもそも「100日後に死ぬワニ」は、コンテンツの性質上、映画化に全く向いていません。 というのも、原作はTwitter上で1日1話ずつ連載された、日常モノの漫画です。 それ自体は特に悪いことではありません。

2021-07-09 13:06:07
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しかし、映画化するにあたってはこれほど悪い取り合わせは無いです。 原作を一言でまとめると「毎日少しずつ、他のコンテンツ(ツイートなど)に触れながら、他人と実況して盛り上がりつつ、『死』の運命を知らない人物の日常をある種の神の視点から見守る作品」と言い表せるでしょう。

2021-07-09 13:06:08
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ところが、「映画」はどうでしょうか? 「映画館で一気見し、当然その間は他のコンテンツ(スマホなど)には触れられない、他人との実況は全て終わった後で、結末の分からないドラマティックな物語を見守る娯楽」と言えると思います。(勿論例外はあります) つまり、原作とは真逆の要素の塊なのです

2021-07-09 13:06:08
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これは料理に例えると「デスソースとハバネロペッパーを使って、甘くて美味しいケーキを作りなさい」と言われているようなもので、完全に無理難題ですよね ただ、そこはスタッフの流石の手腕で、一応「映画」という体裁には整えています。 味は推して知るべし、ですが

2021-07-09 13:06:08
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次に「アニメーションのクオリティ」について 原作の性質上、あまり派手な演出や、美麗なイラストを入れても雰囲気が壊れてしまう危険性はあるのですが、それにしても「驚き」が少なかったです。 アニメならではと言える表現が全くなく、まさに「動く紙芝居」と表現するのがピッタリな映像でした

2021-07-09 13:06:09
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例えば「劇場版 ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン」や「ジョゼと虎と魚たち」のような画的な美しさだったり、「映画大好きポンポさん」や「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」のような大きく動く、見ているだけで楽しい映像があれば良かったのですが、この作品にはそれが全くありません

2021-07-09 13:06:09
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また、使い回しも多く「とにかく予算を削ろう」という思惑が透けて見えてしまうのも残念でした。 特に、ワニの先輩のバイト先のカフェは何度も何度も出てきます。 勿論、その他のシーンも背景を全く動かさず、キャラが口をパクパクさせるだけの映像です。 今時ゲームでもそんなシーンほとんど無いぞ

2021-07-09 13:06:09
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監督の過去作品「カメラを止めるな!」「スペシャルアクターズ」のような、低予算を逆手に取った仕掛けも今作にはありません。ただただ低予算なだけです。 この作品がとにかく退屈な理由は、前述した原作の性質と、アニメーションの「驚き」の少なさが悪い方向に噛み合っていることが原因です。

2021-07-09 13:06:09
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最後に「脚本とキャラクター」ですが、これもとにかく酷いの一言 元々原作自体が、あまりドラマティックな展開が無いという影響も勿論あると思いますが、それにしたって中身が無さすぎる 「100日間生きたワニ」といいつつ、「ワニ」の日常はまるで早送りのように進んでいきます。

2021-07-09 13:06:10
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例を挙げると、「ワニとその親友のネズミ君がゲーム大会に出場しました。敵をあと一歩の所まで追い詰めたけど逆転されました。『次こそ勝つぞ!』と二人は熱意を語り合いました。」はい1日おしまい。 こんなのが何度も何度も繰り返されます。 ただでさえ中身の無い話がダイジェスト扱いです。

2021-07-09 13:06:10
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このゲーム大会の話の他、ワニと先輩の恋や、ワニとネズミ君とイヌ君のバスケなど、膨らませようと思ったらいくらでも膨らませられたり、派手なアクションを入れられる場面がいくらでもあるんですが、そのどれもが消化不良で終わります。 「こうしてこうなった。おしまい。ちゃんちゃん」 紙芝居ですね

2021-07-09 13:06:10
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このように早送り的なストーリーテリングを続けているため、テンポはいいのですが、いかんせん物語全体が動いておらず、それも退屈感を味わわせるのに一役買っています。 「話自体のテンポはいいのに、物語の進行は遅い。」というよく分からない状態ですね。

2021-07-09 13:06:11
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更に、これは「100日後に死ぬワニ」という作品全体に対する批判となってしまいますが、前述した通り、原作の本質は「『死』の運命を知らない人物の日常をある種の神の視点から見守る物語」であるのに対し、後のグッズ展開や、この映画では「キャラクターの魅力」をアピールしています。

2021-07-09 13:06:11
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恐らく「100日間生きたワニ」と改題したのも(『死』という表現を避けたいのもあると思いますが)そういう意図でしょう ですが、それが間違い。 別にワニ君じゃなくてカニ君でもいいし、イヌ君じゃなくてネコちゃんでもいい なぜなら彼らには全く魅力を感じられないからです

2021-07-09 13:06:11
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そもそも、キャラクターの魅力とは「容姿」も勿論ありますが、「内面」も含まれるものではないでしょうか。 野原ひろしがオッサンなのに魅力的なのは「普段はダメ親父だけど、家族や仲間思いで、彼らがピンチの時は体を張って助ける心優しい父親」というキャラ付けがあるからじゃないでしょうか。

2021-07-09 13:06:12
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「100日間生きたワニ」のキャラクター達にはそれが全く無い。ただ物語を動かすための「道具」にしかなっていない。 だから突然ワニが死んでも、ワニが死んだことを引きずる友達や恋人を見ても、観客は何も感じられません。 「あ、死んだんだ。意外とアッサリしてたね。」 精々その程度です。

2021-07-09 13:06:12
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だから今回の映画を「キャラクターの魅力」を前面に押し出す形で描いたのは大失敗でしょう。 いっそ画面の隅に「死まであと〇分」ってテロップでも出しておいたらどうですか?そっちの方が盛り上がるでしょ

2021-07-09 13:06:12
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更に、今作では新キャラクターの「カエル君」が登場していますが、彼もまた魅力が無いどころか、不快なキャラクターです。 ワニの死後突然現れ「あ~、やっべ~w」みたいなイキった大学生みたいなノリで、ワニの死を引きずる友達たちをかき乱します。

2021-07-09 13:06:12
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さながらワニ完結後、グッズや書籍化で騒ぎ立てた広告代理店の如く、とにかく「無粋」なキャラクターです。 しかも、見た目も妙にリアルなカエルで、見た目からしてキモいという有様。 この映画の評価を下げるには十分な理由になります。 勿論、このカエル君が好きという人もいるかもしれませんが

2021-07-09 13:06:13
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そんなカエル君は、ワニの友達たちを引っ掻き回し、散々おちょくった後、いつの間にか彼らの「友達」の仲間入りを果たしています。 ワニの友達たちの中には、明らかにカエル君をウザがっていた人もいるのに、本当にいつの間にか仲良くなっており、完全にご都合主義です。

2021-07-09 13:06:13
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一応、このカエル君も苦悩を抱えた人物なので、彼の内面を描けば、「100日間生きたワニ」の物語ではなくなってしまいますが、きちんと映画として話を膨らませることもできたでしょう。 でも、それをやらずにただの「ウザい舞台装置」で終わらせてしまうから、魅力がないどころか不快なだけなんです。

2021-07-09 13:06:13
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物語は、いつの間にかワニが死に、ワニの親友はともかく、ワニと付き合って間もない先輩や、先輩のバイト仲間もワニの死を引きずり、ウザいだけのカエル君が彼らを引っ掻き回し、いつの間にか仲良くなり、いつの間にか終わります。 本当にそれだけです。アッサリしてる所の原作再現度は高いですね

2021-07-09 13:06:14
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総評すると「あまりにも無理のある企画だったな」という感じです。 たった100日間のワニの日常を映画になんてできるわけがない。 10000日くらいあればこの形式でもきちんと「映画」にできたと思いますけどね。 つまり、あと100倍は内容濃くしないとダメです。以上。

2021-07-09 13:06:14