オ゛ェジュルニョェーッ語の解説:格編

格の説明より、能格言語の説明の方が本編っぽくなりました。 本編兼目次 https://togetter.com/li/1736467
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スライムさん @slaimsan

んー、格の話をするということで、文法を見てたが、能格言語か…そこの説明が必要だ… twitter.com/slaimsan/statu…

2021-07-02 18:13:01
スライムさん @slaimsan

@Sveinbjorn2nd よし、では次は格の話にしますか。

2021-07-02 17:54:28
スライムさん @slaimsan

目次のようなもの。 1.格とはなにか。 2.能格言語とは 3.個別の格の解説、グループ毎に。

2021-07-03 15:58:30
スライムさん @slaimsan

まず格(かく)って何じゃラホイから。 言葉は知らなくてもみんな既に使っているんですよ。英語でこういう呪文を唱えたことはないですか? I, my, me, mine you, your, you, yours he, his, him, his she, her, her, hers we, our, us, ours they, their, them, theirs

2021-07-03 23:34:35
スライムさん @slaimsan

これが英語の代名詞の格変化というものなのです。この変化で、私「が」、私「の」、私「を」などの名詞の役割を表すのです。こういう役目を持っている文法概念が「格」となります。日本語の場合は助詞がこの格を表す標識になります。

2021-07-03 23:40:21
スライムさん @slaimsan

ドイツ語とかロシア語とか、色んな言語にこの格変化というものがあります。英語では普通の名詞では格変化が廃れてしまいましたが、代名詞には格変化が残ってます。

2021-07-03 23:49:14
スライムさん @slaimsan

英語は大分衰退して3種類(mineなどの所有代名詞は格変化とはちょっと違うので除外)しか残ってないけど、ドイツ語では4種、ラテン語では5種、ロシア語に至っては6種類あります。しかも代名詞だけでなく、普通の名詞も含めて。 というわけで、英語は格変化に関しては比較的簡単な方なのです。

2021-07-03 23:51:25
スライムさん @slaimsan

では、オ゛ェジュルニョェーッ語では格は何種類あるかというと… 25種類 多過ぎだろ…

2021-07-03 23:52:51
スライムさん @slaimsan

人工言語を俯瞰して見てると、大抵格変化無しの簡単な文法にするか、色んな格を入れて複雑にするかの両極端の方向性があるように見えるんだけど、オ゛ェジュルニョェーッ語では、多くする方に振ったようだね…作成方針が全体的にカオスになる方向に振ってく感じなので、まあ必然か…

2021-07-03 23:56:35

2-1. 自動詞と他動詞

スライムさん @slaimsan

はい、という訳でこの25種類をひとつずつ説明していきます…説明したいのですが、その前に、重要な文法概念をもう一つ説明しておかなければならないのです。 「能格言語」というものです。 英語や日本語とは「対格言語」というものに属してて、少し違うのです。

2021-07-04 00:00:42
スライムさん @slaimsan

えーっと、対格言語/能格言語の説明をするには、自動詞と他動詞の説明から始めなきゃいけない…長い道のりですね… 英語の授業で出てきたと思うのですが、皆様覚えていらっしゃいますでしょうか。まぁ知らなくても英語は話せるんですが。

2021-07-05 12:23:50
スライムさん @slaimsan

The monky eats an apple. (サルがリンゴを食べる。) こういう文章には、登場するものが2つありますね。今回はサルとリンゴの2つです。食べるという動作は食べる側と食べられる側の2つのものが登場するのです。こういう動詞を「他動詞」と言います。

2021-07-05 12:28:12
スライムさん @slaimsan

一方、登場するものが1つだけでよい動詞もあります。 He runs. (彼は走る。) 走るという動作は、走る人だけが登場すれば十分ですよね。こういう動詞を「自動詞」といいます。

2021-07-05 12:31:08
スライムさん @slaimsan

(あっ!さっきの例文「彼『は』走る」って訳しちゃってる…あの、意味的には「彼『が』走る」でも同じですよね?ここから先の説明の関係で、「彼が走る」だったことにさせて下さい…)

2021-07-05 12:48:47
スライムさん @slaimsan

さて、他動詞というのはものが2つ登場します。するとある問題が発生します。さっきの「食べる」なら、「どっちが食べる側で、どっちが食べられる側なの?」という問題です。 サルとリンゴなら、常識的に考えてサルが食べる側ですが、トリとサルだったら、どちらが食べる側でもおかしくはないですね。

2021-07-05 12:34:22
スライムさん @slaimsan

そこで必要になるのが「格」という概念なのです。つまりこの名詞は動作をする側なのか、動作の影響を受けるがわなのかという情報を格というもので表すのです。 日本語では助詞がこれを担います。動作をする側は「が」で、受ける側「を」で表されます。

2021-07-05 12:36:20
スライムさん @slaimsan

英語はなんと、語順で表します。 基本的に、動詞の前にあるのが動作をする側で、動詞の後ろにあるのが動作を受ける側になります。

2021-07-05 12:37:11
スライムさん @slaimsan

動作をする側は「主格」 動作を受ける側は「対格」 という格の名前がついています。これらは基本的な格なので、色んな言語に登場します。(言語によって呼び名は違うことがありますが…例えばドイツ語では主格は1格、対格は4格と呼ばれます。)

2021-07-05 12:43:38

2-2. 対格言語と能格言語

スライムさん @slaimsan

さて、自動詞と他動詞の主語の格を見てみましょう。

2021-07-05 12:47:27
スライムさん @slaimsan

彼が走る。 サルがリンゴを食べる。 はい、ここで主語に注目しましょう。どちらも「が」がついてますね。どちらも主格で表されています。英語も同じです。動詞の前に主語があって、主格を表しています。

2021-07-05 12:51:17
スライムさん @slaimsan

一方目的語は、「を」をつけて表しますね。他動詞の主語と同じ標識をつけてしまうとどっちがどっちだか分からなくなるので、当然なのですが、ここで選択肢があるのです。 1.自動詞の主語と他動詞の主語を同じ格で表し、他動詞の目的語には別な格を使う。

2021-07-05 12:54:18
スライムさん @slaimsan

2.自動詞の主語と他動詞の目的語を同じ格で表し、自動詞の主語を別な格で表す。 日本語や英語は1のタイプに属します。こういう言語は「対格言語」と言います。 一方、2のタイプは「能格言語」といいます。

2021-07-05 12:56:08
スライムさん @slaimsan

えっ?2のタイプは不自然じゃないかって?それは我々が日常的に対格言語を使っているからそう感じるのです。世界には能格言語も結構あるのです。

2021-07-05 12:57:20