『反=アニメ批評2011summer』、『魔法少女まどか☆マギカ』関連の駆け足感想
アニメ批評同人誌『反=アニメ批評2011summer』感想
反=アニさん(@ill_critique )編集の『反=アニメ批評2011summer』を読んだ。とりえず『魔法少女まどか☆マギカ』関連について、速報だか個人的な第一印象だかとして、駆け足で色々と。
2011-08-15 12:24:56泉信行『僕と契約してアイドルになってよ』感想
◯泉信行『僕と契約してアイドルになってよ』。まどマギの「悪趣味」とその魅力について「グループアイドル論(のダークサイド)」という切り口の意外性と、その切り口が別作品(『プリティーリズム・オーロラドリーム』)を通じてアニメの現在と未来への関心喚起&期待促進に繋がる構成が大きな魅力。
2011-08-15 12:25:03なお、その論考は背景としてアニメルカVol.4『魔法少女アニメの過去と未来------『魔法少女まどか☆マギカ』が描けなかった少女たち』と連結される形で「魔法少女アニメ」(子供が後天的に奇跡の力を得る)及び……
2011-08-15 12:25:12※関連まとめ:「反=アニメ批評『アニメルカVol.4』」掲載、泉信行「魔法少女アニメの過去と未来------『魔法少女まどか☆マギカ』が描けなかった少女たち」の紹介」http://t.co/SEES8u7
2011-08-15 12:25:51志津A『『魔法少女まどか☆マギカ』における失われた未来の風景-----震災前後のアニメ状況』感想
◯志津A『『魔法少女まどか☆マギカ』における失われた未来の風景-----震災前後のアニメ状況』。まどマギについて「喪失」や「喪」という視点から「あの花」との関連を主軸に据えつつ、『電脳コイル』も引き合いに出されるのは、作品選択としても参照作品自体の解釈としても同意できる。
2011-08-15 12:26:08ただ、まどマギは「負債の帳尻をしっかりと合わせる」というには手続きにも負担の分担にも、得たものと負債とのバランスにも問題があり過ぎる作品。この論考のような形でまどマギについて語られる時、そのあまりに歪められた帳尻やソウルジェムの仕様など重要な説明があえて避けられている問題や……
2011-08-15 12:26:35(「喪失(の共有)」という形で引き合いに出されたことから)そのバランス感覚に於いて『電脳コイル』の趣味の良さとまどマギの趣味の悪さの対比についても、個人的に思いを馳せざるをえない。
2011-08-15 12:26:44また、喪失の焦点として鹿目まどかを据えることは論の流れにおいて十分に理解し得るところだけれども、まどか(の未来)の喪失の受け入れについては暁美ほむらだけでなく、鹿目絢子にとっての喪失と受け入れ(すら奪われたこと)への言及があっていいというか、あるべきと思えた。
2011-08-15 12:27:03なお震災絡みでの「喪失と喪」云々は「喪失を自分の中に引き受け内化するための沈鬱な時間が人間には絶対に必要。それを経ない復興云々は基本的に空元気であり忘却に過ぎない」と東浩紀が語った「ニコ生思想地図「福島から考える言葉の力 和合亮一×東浩紀」を連想させもする。
2011-08-15 12:27:12ここで「喪失」や「喪」、それ関連の「想像力」、「見える/見えない」といったキーワードを通じてアニメと震災を結びつけることの是非や妥当性については、僕はとりあえず言及しない。
2011-08-15 12:27:18※なお、僕はまどマギの「悪趣味」についてはこちらhttp://t.co/X1qGVUS 『電脳コイル』における「喪失」の扱われ方についてはこちら(mixi日記)で諸々触れています。http://t.co/T2ygsOO http://t.co/KaS88HY
2011-08-15 12:27:34◯喉『エイリアンの救済------『魔法少女まどか☆マギカ』試論』感想
◯喉『エイリアンの救済------『魔法少女まどか☆マギカ』試論』。蒼樹うめや新房×シャフト方面から(壊された?/得られなかった?)「ユートピア」の理由を求める発想と論述(その中で特に美樹さやかを楽園を侵食する「エイリアン」と見做し、特に四話冒頭のモノローグに着目する)は……
2011-08-15 12:27:48<(本篇では無かった)魔法少女たちの幸せな日常>を求めてやまない一部の二次創作界隈向けには大いに刺さるだろう論考と思えた。逆に言えば「それ以外の層に対してはどうなのだろう」とも。
2011-08-15 12:28:27平田@のぶ『劇団イヌカレーは何を上演しているのか?』感想
◯平田@のぶ『劇団イヌカレーは何を上演しているのか?』。劇団イヌカレーに繋がるアート系アニメーションやシュルレアリスム等の系譜と、商業アニメーションにおけるその表現と立場の特殊性の論考はとても興味深い(ただ、読む僕に関連する知識がまるで無いために、諸々よくわからない点も多い)。
2011-08-15 12:29:51読みたくなりました。カレル・ゼマン等の系譜、でしょうか?RT @sagara1 ◯平田@のぶ『劇団イヌカレーは何を上演しているのか?』。劇団イヌカレーに繋がるアート系アニメーションやシュルレアリスム等の系譜と、商業アニメーションにおけるその表現と立場の特殊性の論考はとても興味深い
2011-08-15 12:34:04@hi_doi 「手法は違っていても、一番似た感触をもつのは人形アニメーション、それも「戦闘的シュルレアリスト」を標榜するヤン・シュヴァンクマイエルの作品だろう」ということです。ただ、ネット上でもよく見掛ける「あれってヤン・シュヴァンクマイエルだよね」というだけの話と違うのは……
2011-08-15 12:49:20@hi_doi 劇団イヌカレーの手法が具体的に分析されていること。劇団イヌカレーを「アート系アニメーションと商業アニメのあいだに宙吊りにされている」と位置づけ、その説明をアート方面(シュルレアリスム方面の美術様式と関連付けての論考)や……
2011-08-15 12:49:40@hi_doi 商業アニメーションとアート系アニメーション(特に影絵アニメーション)の系譜にも触れつつ詳細に行っていることで。この論考はそこら辺が面白いのではないかと。……いや、僕はそこら辺まるで知識無いので、各論の妥当性などはまるでわからないんですが(^^;
2011-08-15 12:50:42@sagara1 おお!概要感謝です!読みたくなりました。私もその方面の知識はさほど無いので、だからこそというか、むしろ興味深く思いました。そっち方面ももっと観て、いろいろ知りたいです。
2011-08-15 12:53:33