#超算数:意味理解を強制する算数教育は有害である

意味理解はやり方を忘れたとしても、1からやり方を再発見するためにあるのかもしれない
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近年の算数教育は「なぜそうなるのか?」が不必要に重視されています。

例えば、割算の筆算をする際に、今どのような処理を行っているのかを意識する教育や、約分がなぜあのような処理になるのかを一生懸命考えることが美徳とされています。

しかし、

算数や数学の意味理解強制教育は実務上の使用においては有害と言わざるを得ません。

もなちゃんの英語道場 @monachansdojo

↓「かけ算の順序がどうでもいい」のと同じ理屈で、英語を話す際の「英文法もどうでもいい」。 #超算数 :人間が繁栄した鍵は革新的な思考力ではないので「かけ算の順序」はどうでもいい - Togetter togetter.com/li/1740136

2021-07-23 08:20:02
もなちゃんの英語道場 @monachansdojo

ここでいう「英文法はどうでもいい」とは、 「正しい英文法で話さなくてもいい」ということではなく、 「なぜその英文がその意味になるのかを意識する必要はない」ということです。

2021-07-24 19:44:23
もなちゃんの英語道場 @monachansdojo

まず、分かりやすく、日本語で考えてみます。 「人口に膾炙する」 国語の授業を真面目に受けている中学生であれば、この言葉が「物事が多くの人びとに言いはやされて広く知れ渡ること」という意味であることは知っていると思います。

2021-07-23 08:28:14
もなちゃんの英語道場 @monachansdojo

では、この「膾炙」という意味までも知っている人はどれくらいいるでしょうか? 「膾炙」という言葉は、料理の「膾」(なます)と「炙」(あぶり)が語源となります。 「膾」と「炙」のどちらも、かつての中国においては、美味なものとして誰もが好む人気の料理でした。

2021-07-23 08:33:43
もなちゃんの英語道場 @monachansdojo

「膾(なます)」は「生肉を細かく刻んだ食べ物」のことで、「炙(=炙りもの)」は「炙った肉」のことです。 あらゆる人々の口に好まれるの意味合いから、「膾炙」の言葉が「広く人に知れ渡る」「広く話題に上る」という意味で使われるようになりました。

2021-07-23 08:34:23
もなちゃんの英語道場 @monachansdojo

このことから、 (グローバリゼーションという)言葉 (~の)格言 (物語の作品名) 「~説」 などの「口にするもの」を目的語として使うことが多く、転じて本や商品が人気になることを指して使うこともあります。

2021-07-23 08:46:46
もなちゃんの英語道場 @monachansdojo

つまり、「膾炙」を正しい用法で使いたければ、語源の成り立ちである「人々の口に好まれるもの」という意味が重要なので、「膾炙」の語源を知識として知っておくべきだとなります。

2021-07-23 08:53:01
もなちゃんの英語道場 @monachansdojo

しかし、よく考えてみると、「膾(なます)」は「生肉を細かく刻んだ食べ物」のことで、「炙(=炙りもの)」は「炙った肉」のことです。 現在、ヴィーガンなど肉食文化に忌避感を覚える人達の人口が増えていることを考えれば、「膾炙」=「人々の口に好まれるもの」という構図には違和感を感じます。

2021-07-24 08:18:14
もなちゃんの英語道場 @monachansdojo

肉食文化を忌避する人たちにとっては「膾炙」=「人々の口に好まれている悪食文化」という構図が成り立ち、 「~は人口に膾炙されている」という意味を「~は好ましくない物事だが、多数の人々に広く好まれている」という悪い意味に曲解することが可能になってしまします。

2021-07-24 08:29:26
もなちゃんの英語道場 @monachansdojo

そもそも「膾(魚などを細かく刻んだ食べ物)の時点で生の魚を苦手な人は食べれないですし、現代社会において膾を食べたことがない人の方が多数派ではないでしょうか?

2021-07-24 08:30:00
もなちゃんの英語道場 @monachansdojo

文章上の抽象化されている言葉の意味を不必要に語源から推測して考える習慣をつけてしまうと、読み手が文章を作者の意図と違う意味でとらえる可能性があります。 抽象化されている言葉を元の語源の意味でとらえてはいけません。抽象化された後の意味で使わなければならないのです。

2021-07-24 08:42:19
もなちゃんの英語道場 @monachansdojo

英語でも語源にとらわれると誤訳する言葉は多いです。 映画 “Back To The Future” のHeavy が有名なミスコミュニケーションの例です。 Marty: That sounds pretty heavy.(それは大変だ!) Doc: Weight has nothing to do with it.(この話に重さは関係ない!) xeex.co.jp/column/eng/50

2021-07-24 18:46:21
もなちゃんの英語道場 @monachansdojo

1985年、若者のマーティは“heavy”という単語を俗語として、「深刻な」「困った」「すごい」「かっこいい」という意味で使っています。一方、1955年では、そのような使い方はしないので、当時のドクはその台詞の後に「重さは何も関係ない。」と突っ込んでいます。

2021-07-24 18:47:28
もなちゃんの英語道場 @monachansdojo

M: Whoa this is heavy.(それは大変だ。) D: There's that word again "heavy". Why are things so heavy in the future? Is there are problem with the earth’s gravitational pull? (また、その言葉だ。未来ではなぜ物がそんなに重いんだ。地球の重力に異変があるのか?) M: What?(えっ?)

2021-07-24 18:49:30
もなちゃんの英語道場 @monachansdojo

上の例は1955年と1985年の例なので、現代の俗語を紹介します。 I'm SKETCHED OUT で「緊張している=(I'm feeling nervous)」の意味で使われることがあるそうです。 sketch out は「概略を述べる」という意味なのですが、元々、“SKETCH(Y)”が危険を表す俗語だったことから生まれたそうです。

2021-07-24 19:02:55
もなちゃんの英語道場 @monachansdojo

heavy についても「重い」という意味から「深刻な」という意味を類推することは可能ですし、 sketch についても「スケッチのような、不完全な、うわべだけの、大雑把な」という意味から「いかがわしい、怪しい、不確かな、安全でない」というinformalな意味を類推することは可能です。

2021-07-24 19:12:02
もなちゃんの英語道場 @monachansdojo

SKETCHYの意味・使い方  “like a sketch; giving only outlines or essentials; existing only in outline” “imperfect, incomplete, slight, or superficial” “unreliable, unsafe, disreputable, shady, uncertain” 英語勉強忍者.com/sketchy%E3%81%… pic.twitter.com/Nkl2DmNRia

2021-07-24 19:15:13
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しかし、実際に使う際は、語源を意識しない方が実用的です。 人間がどのように多義語を処理しているのかという研究があるのですが、 文章中に多義語を発見した場合、脳内に複数の意味が浮かんだ後、消去法的に文脈に合わせて正しい意味だけを選ぶという処理を行っていることが知られています

2021-07-24 19:18:49
もなちゃんの英語道場 @monachansdojo

これは、有名な「船長の年齢問題」に対する反証になるのかもしれません。 Q.船上に26匹の羊と10匹のヤギがいます。この時、船長は何歳でしょう? togetter.com/li/1170595

2021-07-24 19:21:05
もなちゃんの英語道場 @monachansdojo

「船長の年齢問題」ではただの「ひっかけ問題」だとみなされてしまいやすいので、別の例を紹介します。 「群れには125頭の羊と5頭の犬がいる。羊飼いは何歳ですか?」

2021-07-24 19:22:59
もなちゃんの英語道場 @monachansdojo

Q「群れには125頭の羊と5頭の犬がいる。羊飼いは何歳ですか?」に対して  125 + 5 = 130歳(年寄りすぎる)  125 - 5 = 120歳(年寄りすぎる)  125 ÷ 5 = 25歳(まあ妥当だろう) という理屈で、ほとんどの生徒が「羊飼いは25歳」と答えてしまうことが知られています。sist8.com/caold

2021-07-24 19:25:02
もなちゃんの英語道場 @monachansdojo

「船長の年齢問題」や「羊飼いに年齢問題」は、人間の認知の傾向からして間違えてしまうのは仕方がないことであり、「かけ算の順序」や「足し算の順序」で人間の能力を矯正しようとするのはよくない、、、のかもしれません。

2021-07-24 19:27:13
もなちゃんの英語道場 @monachansdojo

メンタリストDaiGo は著書『悩む力ー天才にすら勝てる考え方「クリティカル・シンキング」 (2021/3/16)』 の中で、 「クリティカル・シンキング」の能力は訓練で鍛えることが可能だと述べています。

2021-07-24 19:31:51
もなちゃんの英語道場 @monachansdojo

もし仮に「船長の年齢問題」や「羊飼いの年齢問題」のように答えが出ない問題の対策をさせたければ、 直感的には正しくないが正しくない例「スポーツをする人が長生きするのではなく、金銭的に余裕のある人が長生きする」のような問題にある程度触れればいいだけの話です。

2021-07-24 19:34:11