これは書いておかなくてはならない。米惑星協会BLOGではやぶさ帰還日程がフライング掲載された時、何があって皆さんに「情報は待って」と呼びかけたか。
2010-04-29 18:28:13掲載直後に、はやぶさチームのほうから、「米惑星協会BLOGで出てしまったが、掲載を取り下げて貰った。そちらでも情報を広げないでもらいたい」という連絡が入った。
2010-04-29 18:29:11その理由は「オーストラリア政府の着陸許可がまだ出ていないから」というもの。あの時点では、はやぶさのカプセルがオーストラリア領内に降下することの最終的な許可が出ていなかった。すべての事務手続きは終わり、後は許可が出るのを待つだけだったそうだ。
2010-04-29 18:30:26関係者が恐れたのは、「外交問題として問題が巨大化し、解決不可能になってしまうこと」だった。何を大げさなと思うかも知れないが、可能性は小さいものの、なきにしもあらずだった。
2010-04-29 18:31:28はやぶさカプセルが降下するウーメラは、軍の管理地域であると同時に、先住民の居住地域でもあるという二重にセンシティブな地域だ。
2010-04-29 18:32:46現地で、正式許可前に情報が出たことに対して小さな不満が出たとする。すると、その不満は、まずオーストラリアの行政機構を昇っていき、外交ルートを通じて日本に伝わり、次いで日本の行政機構を下ってはやぶさチームに届くことになる。
2010-04-29 18:34:11日豪双方の官僚システムを通過するうちに、小さな不満が巨大外交問題に化ける危険性なきにしもあらず、というのがはやぶさチームの考えだった。
2010-04-29 18:35:30実際、私が聞いた範囲でも、カプセルの着陸許可を取る過程で、チームは「なんでそこで問題をそんなに大きくするのか」という官僚機構の振る舞いに何度かぶつかっていたという。
2010-04-29 18:36:38日豪の官僚による外交システムにとって、事態が大きくなるほどに、自分らが口を挟む範囲が大きくなるのである。つまり、組織の論理としてコトが大きくなるほど良いという事情が存在する。
2010-04-29 18:38:154/11のYuri's Night2010で吉川先生にお会いしたら、「協力感謝します」という言葉と共に、「本当に、後はオーストラリア政府の許可だけなんですよ。それが出たら全部公開します」とおっしゃったのである。
2010-04-29 18:42:28というわけで、あの時素早く動いて下さった皆様、感謝します。無事オーストラリア政府の許可もでて、6/13の日程も公開されました。彼(彼女?)の帰還を待ちましょう。
2010-04-29 18:44:01@ShinyaMatsuura 確かに我々は惑星探査機帰還としか考えないが、あちらの軍当局の論理からすれば、「(一度は交戦国だった)外国の大気圏突入体が自国の領土に落下する」ことには慎重になるのは理解できる。
2010-04-29 18:46:13