ゼロ・トレラント・サンスイ(2021年再放送版+歴代放送版まとめ)
2021年再放送版
🍣寿🍣本日でニンジャスレイヤーのTwitter公式アカウントは連載開始11周年を迎えました。これも親愛なる読者の皆さんのRTスシ、実況、応援、ドネートなどのおかげです。引き続き一歩一歩着実にカラテしてゆきますので、よろしくお願いします🍣鮪🍣
2021-07-24 12:17:15🍣今夜は21時30分からTwitter Spaceで11周年記念放送をします。おたよりや登壇ゲスト随時受付! 次回のDHTレディオは、2021年7月24日(土)開催! ニンジャスレイヤーTwitter連載11周年記念です!|ダイハードテイルズ @dhtls #note diehardtales.com/n/n3d3e4d641573
2021-07-24 13:10:01(これまでのあらすじ) ソウカイ・ニンジャズの手練れ、ミニットマンとイクエイション。ニンジャスレイヤーを待ち伏せた二人のうち、イクエイションは真っ二つにされて絶命した。しかしミニットマンはパートナーの死と引き換えに、ニンジャスレイヤーの正体に迫るチャンスを掴んだのだ。
2021-07-24 21:36:00ぞっとするほど冷たいコンクリートの感触を全身で味わいながら、ミニットマンは十年前の「戦争」を思い出していた。
2021-07-24 21:39:00敵地の真っ只中で、彼の部隊は母体に裏切られた。トカゲのシッポのように、捨てられたのだ。生き残ったのは彼とイクエイションただ二人。あのときもこうして、冷たいコンクリートに身を横たえ、じっと待ち続けていた。そしていま、彼の横にイクエイションはいない。
2021-07-24 21:42:00ミニットマンの体を雨がしとどに濡らす。おお。おお、イクエイション。しかしこの雨は天の計らいだ。ニンジャに涙は許されぬのだから。ミニットマンは目を閉じた。脳裏に浮かび上がるのは、イクエイションの絶命の瞬間である。
2021-07-24 21:45:00「サヨナラ!」イクエイションはそれだけ言うのがやっとだった。ハラキリの時間すら与えられなかった。ニンジャスレイヤーの無慈悲な一撃は、バイオ・ケブラーでくまなく覆われたイクエイションの体を、脳天から爪先にかけて、両断したのだ。
2021-07-24 21:48:00許さぬ。そして、安らかに。....ミニットマンは顔を上げた。彼が生存したのは、イクエイションにすら明かさなかった秘密のジツ。「マッタキ」によるものだ。ニンジャスレイヤーはミニットマンを死んだものと取り違え、去ったのだ。
2021-07-24 21:51:00その判断の誤りを、死をもって後悔させてやろう。...ミニットマンは、うつ伏せの姿勢から、匍匐前進を始めた。コンクリートに残る生体反応を辿り、目指すは、ニンジャスレイヤーの.....アジトである。
2021-07-24 21:54:00ミニットマンの匍匐前進は、いまや最高速をマークしていた。彼の匍匐前進速度はチーターに匹敵するとされる。生体反応をトレスすること二十分。ついに彼はニンジャスレイヤーの後ろ姿を、とらえた。
2021-07-24 21:57:00「アタマ・ストリート」。屋台が所狭しと道を塞ぎ、防金属流子トレンチコートに身をつつんだ求職者が首をすぼめて縦横に行き交う大通りを、ニンジャスレイヤーはまっすぐに抜けていく。それを追うミニットマンの匍匐。
2021-07-24 22:00:02ニンジャスレイヤーは地下街へ降りていく。ミニットマンは距離をおいて彼に続いた。匍匐では階段を降りられないので、ミニットマンは中腰の姿勢をとった。
2021-07-24 22:03:00地下街通路を歩きながら、ニンジャスレイヤーはどこからかトレンチコートを取り出し、羽織った。さらにズキンの上からハンチングを被る。ミニットマンはその手際のほどに唸った。これでもう、彼の出で立ちを気にかけるものなどいなくなる。
2021-07-24 22:06:00逆にミニットマンは、自身の格好がいまだニンジャスーツのままである事に思い至った。衆目の中でこの出で立ちはベストとは言えない。彼は地下街の壁に寄りかかる浮浪者のボロを無慈悲に剥ぎ取った。ネオサイタマの大気に無防備に晒されれば、哀れな浮浪者は24時間以内に死ぬだろう。
2021-07-24 22:09:00潰れたブティックの鉄格子や、薄汚いマガジン・スタンド、違法な回路基板をおおっぴらに並べた店、蛍光色のスプレーで「バカ」「スゴイ」など、悪罵を極めた言葉をペイントされたシャッター......死んだ空気をかきわけ、ニンジャスレイヤーはサッキョー・ラインのホームへ歩いていく。
2021-07-24 22:15:00ニンジャスレイヤーがゲートをくぐってから一分置いて、ミニットマンも構内へと足を踏み入れた。ゴミが所狭しと床に堆積した不潔な空間であるが、この駅の利用者は決して少なくない。無気力なゾンビのようなサラリマンをかきわけ、ミニットマンはニンジャスレイヤーの尾行を続ける。
2021-07-24 22:18:00やがてホームに鉄の塊が走りこんできた。竣工当時は銀色に光っていたであろう電車のボディも、今やグラフィティの餌食となっている。「アソビ」「アブナイ」「ケンカ」......。重苦しいサウンドを響かせ、ドアが開く。ミニットマンはニンジャスレイヤーの隣の車輌に乗り込んだ。
2021-07-24 22:21:00車輌の窓から、ミニットマンはニンジャスレイヤーを監視していた。どの駅で降りる、ニンジャスレイヤー!
2021-07-24 22:24:00「カスガ」駅では大勢降りたが、ニンジャスレイヤーは動かなかった。「センベイ」駅でもだ。この電車はエクスプレスだ。限られた駅にしか止まらない。終点まで行くつもりか?
2021-07-24 22:27:00