【フォークソング】福間健二 #k2fact302

福間健二 @acasaazul

人が人にどうかされると木になる。大栗橋のたもとで聞いた申し立て。なら、この木は。もうないと思っていた呪縛。通じないフリーダイヤル。準備を裏切って流れる川。困ること、いっそ、重なってやってこい。人に戻っても自由になれない。忘れたころに自由になっている。（フォークソング１）#k2fact302

福間健二 @acasaazul

手を出す。その前に悟られて鳴らされる銀河の音。一瞬うっとりしても、次はそうならないように練習したい。本能の歌。バッド・カンパニー、言いすぎかもしれないが老いて死んでいる鉱物との会話。動揺がわかってしまう。アルコール抜きで再現できる事件。道の半ばで。（フォークソング２）#k2fact302

福間健二 @acasaazul

だれに会いに行く。善良さから生まれる思考は放棄して。生き方もっとへんにならないかと歌う乞食になった人。半世紀前ならまだしも、いまそんな人いるのかな。土の道、じゃなくても静かなビートで歩いて運を呼べば、劇場だ。屋根の黒い鳥。彼だろうか。空には木星。（フォークソング３）#k2fact302

福間健二 @acasaazul

説明する声、ちょっとしつこいなと思う。企画会議なら沼をどうするかで躓かないように。記憶のなかを走る夜行列車のママと赤ちゃん、大丈夫かな。大きめのカーディガンと交換で渡された新聞紙の包みにはドクダミ、ハトムギ、カワラケツメイ。おいしいお茶ができる。（フォークソング４）#k2fact302

福間健二 @acasaazul

新しい獲物。きょうの七時七分からも、何ダースも。整理は歴史がやってくれるとしても、美しい日々という重荷から逃げきれない虫の秘密警察、潰してくれるのはどの子か。見せてしまった星。アイ、アイ、アイ、朝の明るさで解消できる空。シェリトリンド。心のことだ。 （フォークソング５）#k2fact302

福間健二 @acasaazul

その後の、朝の本。読むほかにも用途はあって、かかと、ふくらはぎ、細くした。部屋から部屋への移動。突然の、広い場所。目ざめる子どもたち。外国人たち。あげるもの、あるだろうか。かわいいおばあさんならこっそり贈り物をおいていく。ぼくは老いない。空に溶ける。（フォークソング６）#k2fact302

福間健二 @acasaazul

どうやって呼び返されたのか。なぜか裸の少年たちのいる教室の、定まらぬ処理の方針の上を飛んで、音あり、まだ眠たい部位もありで戻る。これを聞きたかった。これを見たかった。その通りではなくても、ひとりで歌うフォークソング。この孤独のなかに何人もの人が住む。（フォークソング７）#k2fact302

福間健二 @acasaazul

服従、従属、投げ縄の楽しみでごまかせるのは少年時代まで。魂の成長が終わり、カウンターで出す手が汚れていく。分析する者と分析される者。ここに住めば、どちらも熱を感じるだけになる。だから歌うのだが、もう声を張りあげない。湖のさざなみ、注ぐ川と風の仕事だ。（フォークソング８）#k2fact302

福間健二 @acasaazul

いろんな雲を見た気がする。夏休みだけの特別地区。両親が別れようとしている班長の少女。落ち着いて幼い子の傷の手当てをした。揺れる世間の水は生意気への仕返しで収まるつもりだが、傑作の構造はそうじゃない。復讐なし。人のいやがることするやつは池に落ちている。（フォークソング９）#k2fact302

福間健二 @acasaazul

正義のブルー、善意のピンク、いい取り合わせでも通じない人がいて、悪い人というわけではない。その七拍子、九拍子、十一拍子、わかって楽しく踊れるようになるまでの壁の絵。手の指先にちょっとだけ力を入れて、ごめん。自分の信じる正義と善意をつらぬくしかない。（フォークソング10）#k2fact302