筑波大学准教授の東野篤子さんによる、リトアニアの「台湾代表処」設置に伴い、中国が大使を召還した件で環球時報の国際版であるGlobal Timesがリトアニア批判記事を怒濤の勢いで出してきたことについての連続解説ツイート

長いですが、表題の通り。
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環球時報(Global Times)とは

リンク Wikipedia 環球時報 環球時報(かんきゅうじほう、中: 环球时报)は、中国共産党の機関紙『人民日報』傘下のタブロイド紙で、海外のニュースを中心とした紙面構成。国際版として英字紙Global Timesも発行。人民日報の姉妹紙であり、民族主義的観点を持つことで知られている。環球時報は1993年1月に創刊され、英語版Global timesは2009年4月20日に創刊された。創刊当時の名称は環球文萃であったが、1997年に現在の名称となった。また、環球時報の英語版には北京・上海のローカル版もある。 日本の公安調査庁の「内外情勢の回 6 users

以前こんな事も

まとめ 中国「環球時報(环球时报)」ってどんな新聞? ▼【中国防空識別圏】「軍事衝突も覚悟」「持久戦で」「狙いは日本」と環球時報〔2013.11.29〕|MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/world/news/131129/chn13112914530008-n1.htm  →▼防空識別圏で中国外交が屈辱的大敗北 国際的に完全孤立、自衛隊機にも手出せず〔2013/11/28〕|J-CASTニュース http://www.j-cast.com/2013/11/28190332.html  →▼建て前「日本とは持久戦だ!」本音「戦争しないのでガタガタ騒ぐな」=環球時報社説の読み方指南〔2013年12月02日〕 : 中国・新興国・海外ニュース&コラム | KINBRICKS NOW(キンブリックス・ナウ) http://kinbr.. 18716 pv 343 5 users 103

このまとめは、以前のこのまとめからの流れとなるものです。

東野篤子 Atsuko Higashino @AtsukoHigashino

発信内容は個人の見解であり、所属先を代表するものではありません。ブロックチェーン実施中です。巻き込みブロックが生じることがありますが、私のツイートが見られなければご縁がなかったと思っていただければ幸いです。EUの対外政策を中心に研究。いいねRTは同意を意味しません。

trios.tsukuba.ac.jp/researcher/000…

東野篤子 Atsuko Higashino @AtsukoHigashino

リトアニアの「台湾代表処」設置に伴い、中国が大使を召還した件。 環球時報の国際版であるGlobal Times(以下GT)は、怒濤の勢いでリトアニア批判記事を出しています。ほぼ連載状態です。 リトアニアの「17+1」離脱(5月)の際には、関連するGTの記事は2本でしたが、今回は約1日で5本も出ています。

2021-08-12 06:37:35
東野篤子 Atsuko Higashino @AtsukoHigashino

5本の記事で繰り返されている主張は、 ・「台北」の名称を用いて代表処を設置するならまだしも、「台湾」を用いることは「ひとつの中国」政策からの逸脱であり、認められない。 ・リトアニアは、米国への従順さをアピールしているに違いない。 ・人口300万人以下の小国のくせに生意気だ。

2021-08-12 06:37:35
東野篤子 Atsuko Higashino @AtsukoHigashino

ここで基本的な事柄を確認しておくと、米国における同等の機関の名称は「駐米台北経済文化代表処」で、「台北」を用いています。 リトアニアの決定が本当に「対米追随」なら、同国に新たに設置する代表処も「台北」にしておけば済む話です。むしろリトアニアは米国よりも踏み込んでいると云えます。

2021-08-12 06:37:36
東野篤子 Atsuko Higashino @AtsukoHigashino

中国は、「小国」が自らの意思と判断で行動することなどあり得ないとの思い込みから脱することが出来ないため、 その「小国」が中国の意に添わない行動をとれば、すべて「対米追随」と解釈してしまう(そうとしか理解できない)。 まさにこの点が、中国のヨーロッパ理解の限界を露呈しています。

2021-08-12 06:37:36
東野篤子 Atsuko Higashino @AtsukoHigashino

GTの5本の記事に話を戻しますと、各記事は上記のような共通点・基本ラインは有するものの、 記事執筆者は(一応)全て異なるため、当然のことながらそれぞれ異なる主張も含んでいます。 また、後で公表されたものほど激烈な内容になっていきます。 それぞれの記事の特徴をごく簡単に見ていきます。

2021-08-12 06:37:36
東野篤子 Atsuko Higashino @AtsukoHigashino

① 最初に公表された記事。 ・ 今後のリトアニアの振る舞いによっては、同国との外交関係の断絶もありうる。 ・ 今回の件はリトアニア政府による決定。このため、単に国会議員(注:上院議長)が台湾を訪問したチェコの事例よりも深刻であり、受け入れがたい。 globaltimes.cn/page/202108/12…

2021-08-12 06:37:37
東野篤子 Atsuko Higashino @AtsukoHigashino

② そのわずか5分後(!)に配信された記事。 ・ リトアニアは反ロシア的、親米的(注:本記事のこれ以下の主張は、5月にリトアニアが17+1離脱を発表した後のGTの批判記事とほとんど同一)。 ・ 同国は「狂って(crazy)」おり、「地政学的な恐怖に満ちた極小国家」。 globaltimes.cn/page/202108/12…

2021-08-12 06:37:37
東野篤子 Atsuko Higashino @AtsukoHigashino

③  ・ 中国の今回の反応は正当で合理的。 ・ EUの報道官が「今回の同国の決定は『ひとつの中国』政策からの逸脱ではない」と説明したが、EUは混乱している。現に「ひとつの中国」政策を堅持していない加盟国を抱えながら、中国にリップサービスを行うべきではない。 globaltimes.cn/page/202108/12…

2021-08-12 06:37:38
東野篤子 Atsuko Higashino @AtsukoHigashino

なお③の記事では、 「EUの報道官の発言はテンプレートだが、これはEUが中国の関係を重視していることの表れでもある」とする評価が登場。 EUにとって中国がいかに重要な貿易相手であるかが語られています……。 また、リトアニアがチェコやフランス等を味方に付けてくるのでは、との見方もチラリと。

2021-08-12 06:37:38
東野篤子 Atsuko Higashino @AtsukoHigashino

④  ・ 今回の大使相互召喚は、すべてリトアニアに非がある。 ・ 同国は今年3月に新型コロナウイルスの起源に関する調査で中国を批判したし、5月に同国議会が新疆ジェノサイド決議を採択したし、あまつさえ17+1まで離脱した(注:この記事では過去の蒸し返しが長い)。 globaltimes.cn/page/202108/12…

2021-08-12 06:37:38
東野篤子 Atsuko Higashino @AtsukoHigashino

(④の続き) ・ 中国は滅多なことでは大使の召還などしない。1995年に、台湾問題で米大使を召還したのが最後だった。 ・ 今回中国は、リトアニアとの外交関係を格下げ・断絶はしていない。現在は同国に再考の余地を与えている状態だ。しかし同国が態度を変えなければ、外交関係格下げもありうる。

2021-08-12 06:37:39
東野篤子 Atsuko Higashino @AtsukoHigashino

⑤ 最後の、そしてもっとも激烈な記事。 ・ 米のプライス報道官、EUのマスラリ報道官共に、今回の中国の措置を批判しているが、マスラリ報道官の批判内容のほうがまだマシ。 ・ 今回リトアニアは、元々の反ロシア的感情を中国に向けてきたのだろうが、無知極まりない。 globaltimes.cn/page/202108/12…

2021-08-12 06:37:39
東野篤子 Atsuko Higashino @AtsukoHigashino

(⑤の続き) ・ 中国は、リトアニアと国境を接するロシアやベラルーシと手を組み、協力してリトアニアを懲らしめてみてはどうだろうか。中国とロシアの戦略的連携関係を持って、米の同盟諸国の抑止を試みるのだ。 (これまた、ろくでもないことを思いつきますな…)

2021-08-12 06:37:40
東野篤子 Atsuko Higashino @AtsukoHigashino

ということで、最後はロシアにまで対リトアニア報復を呼びかけています。 本件を巡り、これぞ戦狼外交の典型という記事が1日に5本も出てきましたが、リトアニアはすでに類似の批判を中国から受け続け、すっかり慣れていると思われますので、台湾へのアプローチを変えることはまずないと思われます。

2021-08-12 06:37:40
JFMIDY🇫🇷🇺🇸🇮🇳🇯🇵🇰🇷🇹🇼🇦🇺🇪🇺🇬🇧🇨🇦 @jfmidy

@AtsukoHigashino La 🇱🇹 est un pays européen courageux démocratique et indépendant. Il n'obéit ni à la 🇨🇳 ni à la 🇷🇺 ni même aux 🇺🇲 dont il est allié. La 🇨🇳 aura du mal à le faire changer d'avis. On devrait plutôt suivre son modèle. Elle ne pourra rien faire, même avec son allié de circonstance 🇷🇺

2021-08-12 06:51:24