近代食文化研究会による「『シュウマイライス』の始まりと流行の軌跡」。そして浮かび上がる史上最大の謎とは

これは不思議。
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近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

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来々軒をきっかけに東京に広がっていった広東料理の焼売。 それから20年もすると、このシューマイをおかずにご飯を食べる習慣が生まれ、昭和初期にはモーリ、聚楽(須田町食堂)といったチェーン店で「シューマイライス」が提供されるようになります。 pic.twitter.com/vxzVCIoqUp

2021-08-23 05:17:39
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業界紙『商店界』が編集した昭和14年の『小資本開業案内』に中華料理店の開業指南が載っています。 そのころになると、シューマイライスは中華料理店の定番商品となっていたようです。 pic.twitter.com/H3JL0xjTcZ

2021-08-23 05:17:40
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”看板こそは簡易支那料理店であるけれども、一方、ライスカレー、ハヤシライス、シュウマイライス、カツレツ等の、日本人向きのライスものとかに一品洋食を併せて行ふのが普通のヤリ方であらう。”

2021-08-23 05:17:40
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これは『東京昭和十一年 桑原甲子雄写真集』における当時のいわゆる「町中華」。 暖簾に「カツレツ」の文字があるように、東京の町中華では洋食を出すのが戦前からの習わし。 現在も、トンカツやカレーを出す町中華は東京に多く存在します。 pic.twitter.com/w3bajlroYm

2021-08-23 05:17:41
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来々軒の登場後、中華料理は西洋料理と渾然一体となって大衆化していきました。 中華料理店が西洋料理を出すとともに、西洋料理店も中華料理を出すようになったのです。 詳しくは『お好み焼きの戦前史』を参照してください。 note.com/ksk18681912/n/…

2021-08-23 05:17:42
リンク note(ノート) 『お好み焼きの戦前史 第二版』「来々軒と支那そばの普及」冒頭部分公開|近代食文化研究会 (2021年5月25日 原本改訂につき更新) kindle版『お好み焼きの戦前史 第二版』は、その旧版をもとにした紙の書籍版『お好み焼きの物語』と比較し、様々な点で新しくなっています。 お好み焼きの戦前史 第二版 www.amazon.co.jp 1,250円 (2021年01月07日 09:35時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する 特にその一部分である「来々軒と支那そばの普及」については、ラーメンの起源に迫るべく大量に資料を追加し、全面更改を行っています。 もともとはお好み焼きの歴 1 user 94
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さて、さらっと流してしまいましたが、先程の『小資本開業案内』では、なぜか焼売が洋食の一種として登場しています。 ”ライスカレー、ハヤシライス、シュウマイライス、カツレツ等の、日本人向きのライスものとかに一品洋食を併せて行ふ” pic.twitter.com/8sFUYzFYKC

2021-08-23 05:17:43
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そもそも「シュウマイライス」というネーミングが変です。 中華料理なのですから、焼売飯とか焼売丼とか漢字で書くべきでしょう。 ラーメンライスが登場するのは戦後のこと。「ライス」と結びつく戦前の中華料理は焼売ぐらいのものです。 twitter.com/ksk18681912/st…

2021-08-23 05:17:43
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東京生まれの文化人類学者石毛直道は、昭和30年代前半の京都大学時代、東京には存在しない「ラーメンライス」が京都にあることを発見。 「あれはうどん定食から派生したのでは?」 と考えたそうです。 twitter.com/inadashunsuke/…

2021-07-12 05:07:09
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おかしなのはネーミングだけではありません。 かつて崎陽軒のシウマイには、西洋料理の調味料であるソースが添付されていました。 あまカラ1956年4月号より。 pic.twitter.com/E33HXbCsOH

2021-08-23 05:17:44
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長崎では、皿うどん(あんかけかた焼きそば)にウスターソースをかける習慣があります。 『焼きそばの歴史《下》: 炒麺編』(塩崎省吾)によると、この習慣は長崎特有のものではなく、戦前の料理書にもしばしば炒麺にソースをかける記述があったと言います。 amazon.co.jp/dp/B0976T3CB3/

2021-08-23 05:17:45
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”加えて「焼売」にソースだと格段に事例が増える。私が把握する49の「焼売」レシピ中、ソースを掛けるのは約半数の24例だった。当時の支那料理店のテーブルにソースが置かれていたことは容易に想像できるし、眼の前にソースがあればカタ焼きそばに掛ける人も多かったことだろう。 ” pic.twitter.com/t8q78IqbEY

2021-08-23 05:17:46
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中華料理は西洋料理とともに広がっていったため、イギリスの習慣に倣い卓上にはソース瓶が置かれていたのです。 焼売、あんかけかた焼きそば(炒麺)の他にも、中華まんにソースをかける習慣もありました(現在もあるそうです)。 togetter.com/li/1336825

2021-08-23 05:17:46
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戦前のリーアンドペリンのウスターシャソースは、その原料に醤油を使っていました。 これを模した日本のウスターソースも、当然ながら醤油と酢を主原料にしていました。 なので、戦前のウスターソースは中華料理にマッチしていたのだろうと思います。 twilog.org/ksk18681912/da…

2021-08-23 05:17:47
リンク twilog.org 近代食文化研究会@新刊『串かつの戦前史』発売中(@ksk18681912)/2021年05月24日 - Twilog 近代食文化研究会@新刊『串かつの戦前史』発売中(@ksk18681912)のTwilog
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それにしても名前まで「ライス」と洋食ぶっている中華料理メニューは、戦前には焼売しか存在しませんでした。 なぜ焼売は洋食の仲間に入ろうとするのか。 これは焼売史上最大の謎なのです。

2021-08-23 05:17:47