松村雄策botからの引用
- 3205first_issue
- 1306
- 2
- 0
- 0
思想的な岩谷宏、ビジネス的な渋谷陽一、文学的な橘川幸夫と、それぞれが続けていた「連載」には、ある意味では思考的な営為が中心にあるが、松村だけは、ビートルズ・ファンであるという「実感」を大切にしてきたのだと思う。(橘川幸夫「ロッキング・オンの時代」)
2021-06-27 16:38:49この「岩石生活入門」というのは、(中略)普通はロックとは無関係と思われている話題を選んで、それが僕の内で、どのようにロックン・ロールになっているかという事を綴って行こうという、非常に陰険な、書き手の性格がよく出ている続き物にする心算だったのである。 (78-3)
2021-06-29 12:09:52文康は教科書に書かれてあったある落書きを示して、これはなにかと亮二に訊ねた。そこには、”ウェシェゲロベベアン” と書いてあった。なにかのおまじないなのかとも、文康は言った。
2021-07-01 18:10:13「ポール、クッド・ユー・ギヴ・ミー・ユア・オートグラフ?」 「シュア」のところを、何度か聞いた。二十人近い人間がごったがえしていた部屋の中での録音だから、他のひとが聞いたのでは解らないぐらいの会話である。僕には解る。 ベッドに横になって、少し泣いた。
2021-07-02 12:08:50試合後の夕食はすさまじい量を消化しているけれど、アルコールはビール二本以上は絶対に飲んではいない。さすがに王さんだ。自己管理が出来ていると尊敬する。それに比べて阪神の掛布は、毎朝ラーメンを二杯も食べている。だから優勝出来ないのだと軽蔑もする。 81-3
2021-07-02 20:39:14僕は『ダブル・ファンタジー』を持ってはいない。欲しいとも、思ってはいない。一生涯、手に入れないつもりでいる。 83-2
2021-07-03 08:10:12ひとりの人間が、歌を歌ったり原稿を書いたりするのを好ましくないと考えている人がいるのである。初めてレコードを出してからこの二年間、一部の人達に、かなりはっきりとした形で敵意をしめされ続けている。 80-12
2021-07-04 08:39:29僕は経営者ではないから、育てる必要はないと思った。育てなくても、出てくる奴は自分で出てくるはずだと思ったのである。 81-10
2021-07-04 16:38:48〝和解せよ〟というのだから、たぶん喧嘩したのだろう。神様と喧嘩するなんてのは、世界一怖いもの知らずの奴である。そういう奴が、たぶんここらへんに、何人か住んでいるのだ。とんでもないところである、ここは。やはり、北海道は凄いのである。 すばる 88-8
2021-07-05 08:08:53そこの会社の人達に、僕は〝シロー〟と呼ばれていて、それが不満だった。僕はジョン・レノンの真似をして、丸い眼鏡をかけていたのだ。つまり、こっちはジョン・レノンのつもりなのに、タイガースの岸部シローにされていたのである。 思想88-9
2021-07-05 12:08:50ドアーズが不思議だったのは、詩がこんなにどろどろとしているのに、何故かイメージとしては透明な事である。まるで、宝石のようだ。それがどうしてなのか、いまだにわからない。 81-2
2021-07-05 20:08:52ロッキング・オンというのを人格化してみたことがある。顔は渋谷陽一、頭は岩谷宏、そして心は松村雄策だ。(橘川幸夫 78-12)
2021-07-06 16:08:51どうも、どこかに意識的にジョン・レノンを ”愛と平和の殉教者” にしたてあげようとしている流れがあるような気がする。 週刊読書人 89-2
2021-07-06 20:08:52定時制はもうずっと大人で、気にもしていなかったのだ。たしかに。体育館などに、”定時制の人は使わないでください”などと書いてあって、僕は「なんだ、これは」と怒ったのだけど、みんな「気にするな、そんなこと」と笑っていた。 96-4
2021-07-07 12:39:37こないだも、「ロッキング・オン」 の社長室で〝渋松対談〟をやっていたら、突然対談相手の渋谷陽一が 「おまえ、こんな昼間っから、人の会社に来て、遊んでてもいいのか」 と僕に言った。よく分かんないよ、もう。 90-10
2021-07-08 08:09:43次の駅で電車を降りて構内を通って改札口を出て空を見上げたら、それはもう見えなくなっていた。消えてしまったのだ。しかし、たしかにイエロー・サブマリンが東京の青い空に浮いていたのである。次の日から、またこの街の空の色は白っぽくなった。75-5
2021-07-08 17:10:29ロッキング・オンはだんだんと白くなってくる。最終的には、表紙以外は全て白紙になる。スタッフは、表紙だけ作れば良い。それでも、ロッキング・オンは売れて売れて、しょうがない。ロック雑誌が、日記雑誌になる。これは、極めて理想的な事である。 76-1
2021-07-09 08:40:12ある時期、松村の書くものはわかりやすいだけだと言われたことがあった。冗談じゃねえやと、思った。てめえなんか一生書けねえもんなんだよと、思った。それは山口瞳の凄さが分かってたから、そう思えたのである。その意志は、この本を読んでより強固になった。 96-6
2021-07-09 21:08:58憧れの人は、やはりもっと大きくあってもらいたい。パリで出会ったミック・ジャガーは、僕よりも小さかった。それ以来、彼のレコードを聞く回数は、ずっと少なくなってしまった。 (88-12 「ニック・ロウ・ジャパン・ツアー '88」 プログラム)
2021-07-10 08:08:50これは、あとになって解ったのだけど、橘川は僕が邪魔でしょうがなかったそうだ。渋谷も、初めの一年ぐらいで、僕を追い出す心算だったらしい。 76-1
2021-07-10 12:10:55ポール・マッカートニーの『コンサート・フォー・ニュー・ヨーク』は、悲しかった。ご存知の方はご存知のように、僕は熱狂的なポールのファンである。しかし、何やってんだよポールと思わないわけにはいかない。 (ストレンジ・デイズ 02-2)
2021-07-14 09:10:48僕と渋谷は月に一度三〜四時間は机に向かい合って座るのだけど、〝対談〟というものをやったことはこの十五年間に一度もない。 (月刊カドカワ 90)
2021-07-14 13:09:19例えば、英語で言う〈YOU〉を、〈あなた〉にするか、〈きみ〉にするか、〈おまえ〉にするかは、最後まで岩谷とぼくとの間の大きな問題でした。 (イターナウ)
2021-07-14 17:38:47