「和の思想 異質のものを共存させる力」(長谷川櫂著・中公新書)より

@sachiike さんの 「和の思想 異質のものを共存させる力」(長谷川櫂著・中公新書) に関するツイート。
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池田幸代 @sachiike

「和の思想 異質のものを共存させる力」(長谷川櫂著・中公新書)を読了。「日本人が培ってきた和とは、異質のもの、相容れないもの同士が引き立てあいながら共存することだった。(中略)さらに一歩進んで、このような和を積極的に生み出すことを『取り合わせ』と呼んできた」

2011-08-19 11:50:44
池田幸代 @sachiike

同書より「試しに自分でやってみればすぐわかることだが、大胆な色の組み合わせは、それを作り出す人間の側に自信と活気がなければ、決して生み出せない。それに対して、おとなしい同系色の組み合わせは当たり障りのない無難なものを求める時に生まれる。」

2011-08-19 11:55:28
池田幸代 @sachiike

同書より「和とは異質のもの同士が調和し、共存することだった。この和が誕生するためになくてはならない土台がなのである。私はこの間があってはじめて成り立つということになる。」

2011-08-19 12:00:47
池田幸代 @sachiike

同書より「和の力とはこの空白の島々に海を越えて次々に渡来する文化を喜んで迎え入れ(受容)、その中から暑苦しくないものを選び出し(選択)、さらに涼しいように作り変える(変容)という三つの働きのことである。和とはこの三つが合わさった運動体なのだ。」

2011-08-19 12:09:00
池田幸代 @sachiike

同書より「明治維新を迎え、近代化(西洋化)の時代がはじまると、和が本来、躍動的な力であったことは忘れられ、たとえば、和服、和室、和食などというように和を固定したものとしてとらえるようになる。このような偏狭な和はしばしば弊害をもたらす。(続く)」

2011-08-19 12:20:16
池田幸代 @sachiike

(続き)「ひとつは日本人のよりどころである和を矮小なものにすることによって日本人を自信のない人々にしてしまうこと。もうひとつは和が偶像とされ、神話となって狂信的なナショナリズムを生む土壌となること。相反するかにみえる、この二つは実は表裏の関係にある。(続く)」

2011-08-19 12:23:14
池田幸代 @sachiike

(続き)「いつの時代、どこの国でも、過剰なナショナリズムは人々の自信から生まれるのではなく、追いつめられた人々の不安や恐怖から生まれる。熱狂的なナショナリズムの仮面をはぎとると、そこには必ず自信を喪失した人々の不安な顔がある」

2011-08-19 12:26:00