東京都中野区への「生活保護行政の改善を求める要望書」とその解説ツイート

桜井啓太 @sakuey

1.ケースワーク外部委託化問題。全国会議が「中野区要望書」を出した seikatuhogotaisaku.blog.fc2.com/blog-entry-424… が、長くて読む人いないだろうから中の人が解説します。 民営化に手を染めた自治体の末路みたいな話なので、保護行政に興味ある人は読んでください（隠れ委託賛成派のアナタのための長連ツイです

桜井啓太 @sakuey

2.【東京都中野区】 都内の一自治体だが、ここには外部委託の問題点がほぼすべて詰め込まれてる。 中野区は、単年度7500万円で管内の生活保護高齢者世帯の45％にあたる1650世帯をNPOに委託してる（高齢者居宅介護支援事業）

桜井啓太 @sakuey

3.【中野区方式】 現行法では委託しても正規職員CW必要なので、職員5名配置して1人330世帯担当させてる（左図）。 この高齢者事業の決裁文書に書かれた「財政効果」の一文がこれ（右）。人員削減の本音が剥き出しですね。 pic.twitter.com/2uNP8sBSbx

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桜井啓太 @sakuey

4.【ケースワーカーなにしてるの？】 当然だが区職員1人330世帯も担当できない。 しかしこの職員は「訪問いかない、ケース記録書かない、保護費算定しない」（→全部委託職員にさせる）

桜井啓太 @sakuey

5.【訪問にいかないケースワーカー】 1650世帯のケースワーカーの訪問実績を確認したら、年間30回、計画訪問は0回と回答が返ってきた。 職員5名で年間30回、平均6回…。しかも計画訪問ゼロ？ 聞けばもともと訪問計画自体立ててないという（委託に丸投げなので計画立てる必要ない）

桜井啓太 @sakuey

6.のちに、委託職員の訪問に同行していった訪問をカウントしたらもうちょっと増えると訂正があり、年間129回になる。 保護の実施要領では、1世帯に最低年2回訪問が必要なので、必要数（3300回）の3.9%は訪問している、と。3.9%…

桜井啓太 @sakuey

7.【CWはケース記録も書かない】 保護費算定・入力もしない。 訪問記録はもちろん、収入認定変更、一時扶助支給決定の記録も決定調書作成も全部委託職員がする。図には委託職員が年間12000件以上の端末事務処理をしていることが報告されている。 pic.twitter.com/ZzwbqxgQ8T

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桜井啓太 @sakuey

8.中野区「保護業務は委託してません」 えっでも委託職員がしてますよ？と聞くと、委託職員が書くのはケース記録ではなくて、ケース記録（案）なのだと。保護費算定ではなくて、入力補助なのだという。 最後に区職員がハンコ押すことで「保護の決定」になるのだと。法令違反だし、働く人をバカにしてる

桜井啓太 @sakuey

9.後日、中野区から「ケース記録」ではなく「記録」と名称を変えましたと応答があった（そこちゃう）。 また全国会議の指摘を受けて、委託職員の名称（高齢者ケースワーク専門員）を「高齢者援護専門員」に変えたとも（それもちゃう）。 ケースワーク業務の外部委託批判対策だろうが、対応雑すぎる。

桜井啓太 @sakuey

10.【偽装請負】 中野区以外の自治体が外部委託していないのは、法令違反になるから。 図のとおり、委託契約の場合、発注者（区）は委託職員に直接の指揮命令ができない。区職員が直接委託職員に「〇〇さんのところ行ってきて」といえばそれで偽装請負が成立してしまう。 pic.twitter.com/LE1TMxWHVL

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桜井啓太 @sakuey

11.【偽装請負の証拠】 偽装請負対策は意識してるのかな？と思って、区と委託責任者による会議の議事録みれば、こんなの書いてあった。 「CWの役割は専門員への指示、援助、連携を…」...って「専門員への指示」...偽装請負じゃん。 pic.twitter.com/xkAHAhMZ0S

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桜井啓太 @sakuey

12.普通委託は偽装請負を回避するため「①執務スペース分ける」「②使用物品は自前で準備」（双務契約）③「経費内訳を人件費のみにしない」するものだが、中野区は①執務スペース一緒（というか同じ係）、②物品は区が無償貸与、③「事業費はすべて人件費（経費10％除く）」。 労働局に狙われますよ

桜井啓太 @sakuey

13.【NPOの問題】 事業の内見積もり（左）とNPOの公表資料（右）。 もうここの説明は省きます（何がおかしいか見てください） 別事業だが、受託NPOが載っている新聞記事をおいておく（あくまで参考） tokyo-np.co.jp/article/16763 pic.twitter.com/1vYDmxJnME

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桜井啓太 @sakuey

14.こういう委託事業もしてるのに、中野区のワーカーは地区担当だけみれば1CW160世帯くらい。 ここからわかるのは、CWの外部委託とは、いま100世帯超担当してるあなたの仕事を楽にするものではなく、300世帯担当できるようにするための仕掛けってこと。 よければ要望書本体もご覧ください（連ツイ最初

桜井啓太 @sakuey

そんなわけで昨日は厚生労働省へ要請にいってたんだけど。 保護課の方（写真）の手元に 『戦後日本社会福祉論争』真田是編 があって、それ見た時点でキュンキュンしてダメだった。 お近づきになりたかったが、向こうはそうは思ってないだろう（片想い twitter.com/inabatsuyoshi/…

稲葉剛 @inabatsuyoshi

続いて、厚生労働省に対し、「生活保護におけるケースワーク業務の外部委託化に反対し、正規公務員ケースワーカーの増員と専門性確保等を求める意見書」と「東京都中野区の生活保護行政に関する特別監査等求める要望書」を提出しました。 seikatuhogotaisaku.blog.fc2.com/blog-entry-424… pic.twitter.com/Jf7EcghFPn

2021-08-27 14:29:31