2021年9月1日

#今日の構造式 2(101-200)

佐藤健太郎先生による「今日の構造式」をまとめましたが、たくさんあるので100ずつに分けることにしました。 101-200までをまとめました。
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佐藤健太郎 @KentaroSato

製薬企業研究者からサイエンスライターに転身。基本的にフリーランスだが、大学や研究機関の広報などアカデミアにも片足を突っ込んだ生活。サイト「有機化学美術館」の中の人、国道めぐりと折り紙と囲碁が趣味。著書に「医薬品クライシス」「炭素文明論」「ふしぎな国道」「世界史を変えた新素材」など。

blog.livedoor.jp/route408/

まとめ #今日の構造式 1(1-100) 佐藤健太郎先生による #今日の構造式 をまとめましたが、たくさんあるので100ずつに分けることにしました。 こちらでは1-100までをまとめました。 1640 pv 10
まとめ #今日の構造式 3(201-300) 佐藤健太郎先生による「今日の構造式」をまとめましたが、たくさんあるので100ずつに分けることにしました。 こちらでは201-300をまとめました。 1311 pv 12
まとめ #今日の構造式 4(301-) 今日の構造式シリーズ、4つめです。順次追加していきます。 791 pv 7
リンク Google Docs 今日の構造式シリーズ 今日の構造式 今日の構造式1(1-100) <a href="https://togetter.com/li/1768157">https://togetter.com/li/1768157</a> 1,エタノール 2,酢酸 3,メタン 4,バニリン 5,ブドウ糖(グルコース) 6,エチレン 7,ヒスタミン 8,リモネン 9,ジエチルエーテル 10,ポリエチレン 11,カフェイン 12,ナノプシャン 13,乳酸 14,カロテン 15,アンモニア 16,デキサメタゾン 17,アセトン 18,グリシン 19,

101-110

101 ペリレン
102 テトラゾール
103 フタロシアニンブルー
104 カルベン
105 ラジカル
106 コレステロール
107 二酸化塩素
108 ビナフトール
109 イブプロフェン
110 プロリン

佐藤健太郎 @KentaroSato

#今日の構造式 101 ベンゼン環が5つつながった分子、ペリレン。一般に、有機化合物は電気を通さないというのが常識です。しかし1954年、赤松秀雄らはペリレンに臭素を作用させると半導体として働くことを示し、世界を驚かせました。有機エレクトロニクスという分野の先駆けとなった大発見でした。 pic.twitter.com/g3OOljfsq0

2021-02-19 22:03:27
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佐藤健太郎 @KentaroSato

ペリレン分子は、共役系(単結合と二重結合が交互につながる)が分子全体に広がっており、固体は褐色に色づいて見えます。ここにイミドという原子団が2つついたペリレンジイミドは、鮮やかな色を持つため顔料として用いられます。パーツによって色が様々に変わるのが、不思議かつ面白いところ。 pic.twitter.com/bd52NlTsY4

2021-02-19 22:04:12
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佐藤健太郎 @KentaroSato

さらにペリレンジイミドは、電流を流すと発光する材料(有機EL)にも利用できることがわかり、多くの研究がなされています。逆に、光を当てると電子の流れが生まれる材料、すなわち太陽電池の材料としても重要です。歴史を変えた分子は、未来を切り拓く分子として今も最先端にあるわけです。

2021-02-19 22:04:37
佐藤健太郎 @KentaroSato

今日の構造式も100回を超えると、もう書いたんだかまだだったかわからんようになってきた。ドヤ顔で同じことを繰り返し書いてたら、なるべく優しめに指摘して下さい。

2021-02-20 20:27:02
佐藤健太郎 @KentaroSato

#今日の構造式 102 本日はテトラゾール。5員環のうち4つまでが窒素というちょっと変態な化合物で、化学者であれば「これヤバくね?」と身構える構造です。窒素は余計な電子対を持っているため、たくさんつながるとこいつら同士が反発して不安定になります。具体的には、熱や衝撃でドカンといきます。 pic.twitter.com/Vninwsrlze

2021-02-20 21:13:33
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佐藤健太郎 @KentaroSato

しかしその危険さにも使い道があります。テトラゾールの仲間が、車のエアバッグに使われるのです。瞬時に点火し、多量の窒素ガスを発生して膨らむので、この目的にぴったりです。かつてはアジ化ナトリウム(NaN₃)が使われましたが、毒性などがあるため今はテトラゾール系に切り替わりました。 pic.twitter.com/ZBjV12YsZx

2021-02-20 21:14:06
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佐藤健太郎 @KentaroSato

もう一つ、テトラゾールの水素はイオンとして外れやすく、カルボン酸(-CO₂H)と同じくらいの酸性を示します。これを利用し、医薬方面にも使われます。カルボン酸が入った医薬分子は吸収性が落ちやすいのですが、その代わりにテトラゾールを組み込むと吸収性のよい薬になることがあるのです。

2021-02-20 21:14:28
佐藤健太郎 @KentaroSato

テトラゾールを含んだ薬には、ニューロタンやブロプレス、ミカルディスなどよく使われる降圧剤がありますので、それと知らずお世話になっている方も多いと思います(もちろんこれらは爆発しません)。爆薬から血圧の薬まで、化合物は使いようで様々な輝きを放ちます。 pic.twitter.com/8FUO2Mcv6W

2021-02-20 21:14:51
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佐藤健太郎 @KentaroSato

ちなみにテトラゾール(tetrazole)という名前は、4(tetra)+窒素(azo)に、5員環を示す語尾(-ole)をつけてできています。なので窒素3つの環はトリアゾール。

2021-02-20 21:21:59
佐藤健太郎 @KentaroSato

#今日の構造式 103 道路標識や看板など、赤色などは色あせやすいのですが、青はいつまでも鮮やかさを保っていることが多くあります。その青色の元になっているのは、多くの場合このフタロシアニンブルー。ポルフィリンに似た正方形の中心に銅イオンが入った、美しい構造です。その発見は偶然でした。 pic.twitter.com/0n49x7WoHE

2021-02-21 22:57:53
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HOSHIZUKI, Yusuke @lunatic_star

@KentaroSato なんとなくヘム鉄を彷彿とさせますね?

2021-02-21 23:10:59
佐藤健太郎 @KentaroSato

@lunatic_star 似てますね。自然の摂理という感じがあります。

2021-02-21 23:33:02
佐藤健太郎 @KentaroSato

英国の染料会社に勤めていたダンドリッジらは、フタロニトリルという化合物を合成しようとしていて、青色の固体ができていることを発見します。釜から溶け出した鉄が作用し、偶然この骨格ができたのです。後に、銅を使った方が鮮やかな発色になることがわかり、これが1935年に商品化されました。 pic.twitter.com/PlKSYCg1Nm

2021-02-21 22:59:12
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佐藤健太郎 @KentaroSato

フタロシアニンブルーは薬品に安定で、長期間経っても褪色せず、毒性も低いという、まさにパーフェクトブルー。また、水素を塩素に置き換えると緑色顔料にもなります。カラーコピー機やCD-Rにも使われていますし、太陽電池の材料としても盛んに研究されるなど、世界を彩る素晴らしい化合物です。 pic.twitter.com/wnBgfp3DQd

2021-02-21 22:59:45
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mikunitmr @mikunitmr

@KentaroSato HとClで置き換え可能なんですね。

2021-02-21 23:07:03
佐藤健太郎 @KentaroSato

@mikunitmr 塩素置換反応というやつです。

2021-02-21 23:30:36
mikunitmr @mikunitmr

@KentaroSato ありがとうございます。 HとClは結合するので、不可能だと思ってました。

2021-02-21 23:32:46
佐藤健太郎 @KentaroSato

#今日の構造式 104 炭素は結合の腕が4本というのが常識ですが、そう聞けば常識を打ち破りたくなるのが化学者です。実は炭素に水素が2つだけついた化合物もあり、カルベンと呼ばれます。ただし一瞬で反応してはかなく消えていく存在で、カルベンだけを取り出して性質を調べるようなことはできません。 pic.twitter.com/kStHrwCpoR

2021-02-22 20:41:55
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コメント

y2_naranja@🦀ナランハ🍊モデルナ済 @y2_naranja 2021年9月9日
まとめを更新しました。148-165を追加しました。
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