第23回ろう教育を考える全国討論集会in三重上農氏講演まとめ
上農氏の講演スタート。スクリーンの照明と通訳の照明がかぶってしまって、スライドが見辛い。2004年の全日本ろう教育研究大会での講演会の続きの内容になるとのこと。
2011-08-20 10:41:32小林秀雄の本居宣長評論について。長男 本居春庭の「ことばの八衢」「詞通路」。足立巻一「やちまた」を読んで関心を持つようになった。ルーツが三重県にある。橋本治の「小林秀雄の恵み」も参考に。
2011-08-20 10:47:13谷川ことすが士清。和訓栞、全93巻の国語辞書。日本書紀通証、日本書紀の注釈書。ことばの一つ一つをどう解釈するかを研究した。和語通音、動詞活用表。聞こえない子供達に文法を指導しようとした3つのろう学校も最初は動詞の活用表から始めた。
2011-08-20 10:52:57上農さんの書籍も難解だけど、講演も結論がなかなか出て来なくてポイントを掴み辛い。「365日のワークシート」の紹介。ここまでが前振り。えっ?
2011-08-20 10:56:32書記日本語教育を実施する際に前提としてどのような問題を考えておかなければならないのか?1聞こえない子供たちは何のために学ぶのか?何のために書記日本語を習得すべきなのか?それはどのような利得をもたらすのか?逆に習得できなかった時にどのような損失を生み出すのか?
2011-08-20 10:59:36聴覚障碍児に対する私たちの願い。損失を可能な限り少なくして、聞こえない人であることに誇りを持って生きて欲しい。そのためには書記日本語の理解が不可欠。二つの文化に生きるので二つの言語が必要。
2011-08-20 11:02:26異文化の中で生きるため差別や偏見に異議申し立てし、権利保守する必要がある。 そのために書記日本語が必要。一方にろう社会、難聴者社会の自文化がある。そこでは手話で学ぶことが不可欠。二つの社会に同時に属していかなければならない。
2011-08-20 11:05:57また読み書きの力が経済的な自立に大きな影響ある。さらには将来聴者の子供が生まれれば子どもとの関係でも書記日本語が必要。 つぎの話題。技術論と障害観は相互に関係し常に循環的に検証されるべき。今日は技術論中心に話す。
2011-08-20 11:09:26文法直接指導法により書記日本語教育に取り組んだ3つのろう学校。大塚、久留米、三重ろう。内容については文法論など専門的な話になってしまうので詳細は午後の分科会でする。この講演では基本的な考え方のみ話す。
2011-08-20 11:12:50口話法の反省から手話の積極的に活用。足立、三重、奈良の新御三家。その後ろう文化宣言が出て、日本手話を母語にして教えて行くんだという流れができた。竜の子学園から明晴学園に。それとは別の流れとして、上農、木嶋・ろう教育実践交流会、いけとうさんの流れに。文法教育を重視。
2011-08-20 11:18:23その後早期スクリーニングによって、人工内耳につながる動きへの対応が求められた。それが全国早期支援研究協議会。上農さんの書記日本語指導法原論。動詞の活用を指導する。そこに江副文法を取り入れた大塚ろう学校。三重ろうの海老原グループ。2011年に関東ろう研で結果発表。
2011-08-20 11:24:18鳥越先生のバイリンガル論に基づいて一次的ことばから二次的ことばに。これとは袂を分かつのが文法直接指導法。書記日本語獲得に手話はどのような役割を果たしたか。社会科の指導も説明に出てくる名詞の説明で終わってしまう。
2011-08-20 11:27:58ろう児は就学時点で既につまづきがある。手話も音声言語も中途半端にしか身についてないので書記日本語基礎段階でつまづく。その後、読み書きの指導に戻ろうとしても指導要領に合わずできないために、どっちつかずの授業になってしまう。新出語句の指導のためには、その前提となる既出知識、語句が必要
2011-08-20 11:32:01物事を理解するとは既に知っている言葉や経験におきかえて近似的にわかること。上位概念、未知の概念を理解するためには下位概念、既知の概念・語句がなければならない。ろう学校ではこの分に力を削がれてしまっている。ここで休憩。
2011-08-20 11:35:17就学していきなりわからなくなるような悪循環があった。基礎的語彙がキチンと形作られていない。1年生から3年生の3年間の指導の困難さ。幼稚部には情感を育てることに重点がおかれるが、同時に読み書きの基礎をやっていただきたい。既知語句の理解がなかれば新出語句は誓いできない。
2011-08-20 11:49:16小学部に入った子どもにしてみれば、理解の取っ掛かりさえない。もともとからのわからなさの上にさらにわからなさをしょわされているようなもの。スモールステップをキチンと踏んでいないのに先に進んでいる。積み残しを残したまま次の指導が進んでいるのが現状。
2011-08-20 11:51:46この反省により補助コミュニケーション手段の模索された。例えばトータルコミュニケーション法。それに対して母語自体を変換しようというバイバイ教育の流れが生まれた。 もう一つは補聴器の改善、その考え方の究極が人工内耳。
2011-08-20 11:57:58書記日本語修得の様々な方略。バイバイ教育では日本手話、日本手話文法で身につける。これを書記日本語化する段階でスムーズにいってるか?
2011-08-20 12:00:29口話法における書記日本語修得の方法の問題点は、音声語習得過程にこそ根本的な問題があったのではないか。 書記日本語指導に根本的に影響を与えている考え方がある。一次的ことばをまず手話でしっかり身につけさせれば二次的ことばも身につき、それを文字に変換すれば日本語の読み書きにもつながる
2011-08-20 12:05:38のではないかという考え方だった。鳥越さんの手話から書記日本語へ。そのベースにあるのはカミンズのバイリンガル移行理論。言語の共通要素をうまく使えばうまく移行できるという考え方。もう一つは岡本なつき先生の理論。
2011-08-20 12:06:47根本的に文法構造の違う日本語と日本手話でそんな簡単に移行できるのか疑問。カミンズの場合英語とスペイン語は構造が近いから可能だった。
2011-08-20 12:08:38手話と日本語との関係をどう考えるのかという本質的な問題がある。「手話が日本語の獲得に役に立つ」という大きな誤解がある。手話が独自の言語としてコミュニケーションを実現、保障するからにすぎない。手話自体が日本語の獲得に役立つとは言えない。手話を大事にすることとは別に日本語の勉強が必要
2011-08-20 12:11:59手話を用いることは書記日本語の習得にどのような意味を持つのか?書記日本語は書記日本語として習得する必要がある。音声日本語と書記日本語をはっきり区別すべき。書記日本語の習得と手話を結びつけられない部分がある。日本語がきちり身についているからといって英語の獲得にはつながらないでしょ。
2011-08-20 12:17:44