宮沢賢治『銀河鉄道の夜』を、法華信仰の面から解説します。

中村圭志　Daydream Believer　白昼夢研究所 @seattlelubbock

【銀河鉄道・まとめ】賢治は科学者であり、学校の先生であり、宗教ドグマの信者であり、花巻の土俗的信仰の中に生きた人であり、言葉の魔術師であり、裕福な坊やであり、妹を亡くした兄であり、結核であり、発達障害を思わせる脳神経の持ち主であり、それらが矛盾したまま未完稿を残して死んだわけです

中村圭志　Daydream Believer　白昼夢研究所 @seattlelubbock

【銀河鉄道・まとめ】さてしかし、『銀河鉄道』の中の謎めいた文言や、その下敷きとなった文書から、その法華宣教文学性を掘り起こしてみたのですが、それをやって見せたとしても、それほどの感慨は呼び起こさないと思います。なぜなら法華だの輪廻だの成仏だのに現代人は結局共鳴できないからです。

中村圭志　Daydream Believer　白昼夢研究所 @seattlelubbock

【銀河鉄道・まとめ】文学作品の中には時代や状況が違っていたら世に出されなかったであろうようなものもたくさんあります。『銀河鉄道の夜』他の賢治作品もまた、本人が３０代で死んで親がかりで緊急に出版され、草野心平らの推奨があってといういきさつで不動の名作の地位を獲得したものです。

中村圭志　Daydream Believer　白昼夢研究所 @seattlelubbock

【銀河鉄道・まとめ】そういう不安定さのある作品群には、それ固有の魅力があります。不安定だからこそ、読者がそれぞれに夢想を託すことができちゃう。この構造は、聖書などの成立事情にも似ています。成立事情的にはめちゃくちゃな本のほうが、聖典としての多義性に満ちていて聖性が高い。

中村圭志　Daydream Believer　白昼夢研究所 @seattlelubbock

【銀河鉄道・まとめ】『銀河鉄道の夜』というテキストをどう読もうと読者の自由ですが、内部の宗教的論理みたいのに踏み込もうというときに、法華経のホの字も読んだことのない評論家がいろいろ議論を構築するのは、やっぱりマズいと思った次第です。聖書なら耳学問でけっこうみんな知ってるのにね。