2021年9月5日

渓谷にて両足を骨折し遭難してから3日、救助されて生還した話

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小林悟志 @iwana68

フィールドワークはもっぱら山。希に海にも出没する。第52次日本南極地域観測隊員。好きな所は渓流と温泉。酒はたしなむ程度。森林生態学者。最近は自然災害を対象にし2次災害や減災についてが研究テーマ。 で、気づいたら、今は放置林再生を目指す「冒険の森」に所属して、今度は出向で いなべし市教育委員会の特命監になっているみたい。

小林悟志 @iwana68

実は30日に、渓谷の滝で両足を骨折してしまい。歩けず、膝と手でハイハイしなから、渓谷を少しずつ降りている所を、2泊3日目に救助隊のヘリの発見により無事生還する事が出来ました。これには地元の山岳会、教育委員会、警察、消防、救助隊等、多くの方の努力があっての事。心より感謝致します。 pic.twitter.com/mQBWUHDdac

2021-09-02 23:28:56
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小林悟志 @iwana68

骨折の直接の原因は、これまで経験を過信して、滝壷めがけて飛び込んだ事。滝壷の水深が1mも無く、滝は約7m。怪我した人間が言う事ではありませんが、滝の飛び込みは、水深が確実に分かってないと危険です。先週は深くとも、豪雨土砂で浅くなっている場合がありますので、くれぐ注意してください。

2021-09-02 23:39:26
小林悟志 @iwana68

両足を骨折し、手にタオルをグルグルに巻いて、膝と手でハイハイする姿で、そのスピードはカタツムリの如く。着実に渓谷を下ること、3日目に救助ヘリに発見され生還できた。今思うと、よく、こんな渓谷をハイハイで下山できたなと思うが、なんとしても生きて帰るぞという気力が勝って行動していた。 pic.twitter.com/hEe472zkNS

2021-09-03 08:32:44
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小林悟志 @iwana68

遭難時の夜に見た幻覚。月夜で岩肌が照らされたかと思うと、無かったハズの滝壷に大木が覆い被さって見えた。何処かで鉄砲水が起きた?増水する危険を感じたが、この木を使えば、次の滝を降りることができる。と希望が持てた。月明かりが変わると、岩肌が光り巨木が倒れているように見えた幻覚と知る。 pic.twitter.com/cYLQzYNIW6

2021-09-03 14:50:08
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小林悟志 @iwana68

両足骨折した初日は、この滝の滝風の当たらない場所に手と膝でハイハイしながら移動。摘んだイワタバコと捕ったアマゴの刺身で一夜を明かし、次の日、11時まで人を待ったが、このままでは誰にも発見されないので、意を決して、ハイハイで直ぐ下の下流にある滝越えを決行する。

2021-09-04 10:37:36
小林悟志 @iwana68

両足の骨を折り、一夜明けて帰りの難所の滝。ゴアテックスのズボンに全荷物を入れて両口を堅く結びそれをザックに入れて浮き袋を作り、ザックを抱え、飛び込む時は俯せで足を伸ばし飛び込んだ。今度は仮に滝壷の浅い所に行ってもザックが衝撃を受けるようした。飛んだ先は滝壷の深い所でクリアできた。 pic.twitter.com/5lj07bRnhs

2021-09-04 13:27:58
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小林悟志 @iwana68

両足を骨折して、ハイハイ状態で無謀な行動であることは分かっている。しかし、このまま、秘境に居たら、誰にも会う事なく死を待つのみである。それであれば、少しでも下流に移動し、発見される確率を上げるしかない。幸い、この滝をクリアできたので、後は着実にゆっくり浅瀬を這って下るだけである。

2021-09-04 13:41:48
小林悟志 @iwana68

遭難して2日目はどうしたか?滝下りをクリアし、膝と手でハイハイしながら、最も落差の無い岩あるいは浅瀬を、場所によって俯せ、仰向けの状態で少しづつ下る。目標、あと2km。1日に移動できたのは300mだった。 pic.twitter.com/Y5j2rdbm0Q

2021-09-04 16:01:27
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小林悟志 @iwana68

遭難して移動できるようになっての寝る場所。本来は谷を上がるのがベストだが、両足骨折では谷に上がれない。切り立った谷壁からは、落石が頻繁に起こっており、落石と岩壁が当たり夕方から火花が鮮明に見えてくる。さて何処で寝るかだ。なるだけ渓谷の段丘の上にと思ったが落ち葉からヤマヒルの群れ! pic.twitter.com/ytnut4yzc7

2021-09-04 16:15:55
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小林悟志 @iwana68

で、しかたがないので渓谷の岩の岩陰。谷壁がなだらかな所にした。水の流れの反対の岩陰にしたのは、渓谷の冷気を避けるため。夜は、反対岸の断崖から落石に伴う美しい火花を眺めながら、寝ることになった。

2021-09-04 16:22:23
小林悟志 @iwana68

遭難3日の朝は、昨日濡れて火が付かなかった流木や枝だを、川の冷気に当たらない岩の上に置き乾かしていたものを集め火を付けると見事に付いた。これで冷えた身体を温めた。そしてアマゴをその場で釣り上げ(1発目のデカイの逃した痛恨のミス:俊敏に移動できなかった)。刺身とウルイの茎を食べる。 pic.twitter.com/cVgBMsnTTp

2021-09-04 20:10:11
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小林悟志 @iwana68

釣ったアマゴを焼かなかったのは、時間の節約と、ハイハイ移動では、十分な数の流木を集めることができなかった事。身体が温まり、食べて元気が出たところで、開けた渓谷を目指して、下流を進む。足の動きが鈍くなってきており、仰向けハイハイでは、尻餅を付かないと、足は前に伸びなくなってきた。

2021-09-04 20:15:52
小林悟志 @iwana68

救助ヘリに発見された時。実は、救助ヘリが飛んでいるのは、発見される1時間前から分かっていた。谷のV時は、空の音を拡張して聞こえる。何回も頭上に飛び交っていったが、渓谷の林冠で、ヘリからは確認しづらいのだろう。体力温存で動くのを辞め、最後の力を振り絞り、一気に谷の開けた所を目指した。 pic.twitter.com/VISej1YQx2

2021-09-04 20:24:12
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小林悟志 @iwana68

救助ヘリからは、私の名前も呼んでいる。林冠から抜けた場所で10回程、ヘリは頭上を通過していた。「えーなんで気づかないのかなぁ~」というのが、発見される直前の思いであった。ヘリが下流から真正面を向いた時、ひざ立ちして、飛び跳ねる勢いで持っていたタオルを大きく回したその時、発見された。

2021-09-04 20:31:13
小林悟志 @iwana68

今回骨折したのは帰路での出来事。骨折した滝は、行きは高巻きをして越えたが、壁面が柔らかく、ザイル無しでは、とても危険だった。やっとの思いで越えた時、体力の消耗を考えると帰りは川通しと判断。さらに500m進んで目的の滝に辿り着き撮影。 pic.twitter.com/mmu9i3ip5f

2021-09-05 07:25:52
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小林悟志 @iwana68

帰路、問題の滝に。滝の壁面にはハーケンがあり、ザイルがあったがボロボロ。このザイルに身を任せるのは不安だった。先週この滝壺で竿を出しており、水深があったのを思い出し、荷物をまとめて滝のギリギリまで足を掛けながら飛び降りた。深かったハズの滝壺は浅くなっていた。豪雨土砂の影響だった。 pic.twitter.com/pqnxz0JrCR

2021-09-05 07:34:10
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小林悟志 @iwana68

遭難中、私の命と健康を支えてくれた命の恵みアマゴ。他に山菜。自然の豊かさが、私を活かしてくれて感謝。そして私の落ち度は、ザイル1本を遠征のみではなく近場でも怠ることなく持って行く事。ザイル1本あれば、少なくとも両足骨折は無かったと反省する。そして滝壺の水深は日々違う場合がある事。 pic.twitter.com/Rm9MUQbCUz

2021-09-05 08:00:52
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小林悟志 @iwana68

@ryomichico @narapress 今回は、とても反省しております。そしてこの遭難事故により、地元山学会や教育委員会、消防、警察、災害救助隊の数多くの人々が、山に入り捜索を続けてくださったおかげである事を思いしりました。2日間は幸いアマゴと山菜が得られる谷であったので、しのげまして、衰弱もない状態で救出されました。

2021-09-02 23:51:20
小林悟志 @iwana68

@tkobyashi とても皆さんに迷惑を掛けてしまいました。救助隊のほとんどの方は場所が渓谷ということもあり、生還救出は見込めないと思っていたようですが、発見された元気な私の姿を見て、みなさん、ビックリされておりました。2日間はアマゴと山菜でしのげていました。あと雨が降らなかったのがラッキーでした。

2021-09-02 23:56:57
村山嘉昭|Murayama Yoshiaki @_murayama

@iwana68 やはり空が開けた所で救助を待っていたのですね。一連のツイートを拝見し、このような状況下でも写真を撮影している姿勢が研究者らしいと思いました。この姿勢ゆえ、自身の状況を客観視することができ、冷静に行動できたのではないでしょうか。もちろんこれまでの経験値があってのことだと思いますが。

2021-09-04 20:36:37
小林悟志 @iwana68

@_murayama いえ、正直なところ、もし自分か死んだら、この写真が行動の証拠写真となるとの思いで撮りました。動画で家族へのメッセージもよぎりましたが.....。それはもっと最悪の事態になってからと、生還するゲン担ぎとして動画は辞めておきました。ゲン担ぎが効きましたw。

2021-09-04 20:41:42

コメント

悟りを壊すもの @satoriwokowasu 2021年9月5日
7mの滝なんて水深が深くても飛び込むものじゃないんだよ。少なくとも一人登山の時に
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ヒジャチョンダラ @citabow 2021年9月5日
先ずはご無事で何より、単独での山歩きはこういう怖さがあるよねえ。
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達入玉 @tatsuiritama 2021年9月5日
こう、命からがら生還したのにすごく淡々と文章を書かれていて、なんというかすごいと思いました こうして体験を伝えられたことで助かる命もあるはず その前に本当に生還できてよかったとしか言いようがないです 語彙力が本当にないです
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長月雲母 @brittlemica 2021年9月5日
骨折の痛みについて書かれていないのはアドレナリンが大量に分泌されていたからなのか
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神楽鮫 @LazybonesKagura 2021年9月5日
豪雨で滝つぼの深さが変わるとは、確かに盲点だなあ。その場所を知っていた事が仇になるとは。両足折って冷静に動くのは普通の精神力じゃ無理だと思うので、ある意味生き残るべくして生き残ったのでしょう。
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dag @digital_dag 2021年9月5日
このご時世に登山?と思ったが学者先生か。無事でなにより。
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ポテサラすこすこ @G2d7vpre0FXSLSx 2021年9月5日
その道何十年というプロでも一時の過信や慢心が事故の元なんだなあ
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悟りを壊すもの @satoriwokowasu 2021年9月5日
これで一人登山引退しないと、いずれ飯塚幸三のようになる
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あかさたな @lfL3y7UY58lO2hi 2021年9月5日
飛び込む前に大きめの岩を二つ落とさないと(事後諸葛亮)
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花田 鉄平 @teppih 2021年9月5日
経験を過信、いやいや山を舐めてただろう
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Ukat.U @t_UJ 2021年9月6日
思い切りすごいな…普通の人は7mの高さ(だいたい4階ぐらい)飛び込めないし、飛び込めるような人は逆に深さ気になって知らんとこは普通跳ばない。
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