これからゲームAIで「Situated Cognition」の考え方が重要になる理由
デジタルゲームのキャラクターを自律型エージェントにしよう、と僕だけでなく、世界中のゲームAI開発者はやってきたと思うし、その試みはある程度、成功しただろう。 #ゲームAI
2021-09-05 22:20:45Situated Cognition という考えがあって、これはそういった汎用的な人工知能というよりは、知能というものは、知性というものは、その場の環境に即して、その場で作られものであって、一般的な思考、をしているわけではない、という考えである。 #ゲームAI
2021-09-05 22:21:59デジタルゲームの人工知能はSituatedという部分をナビゲーションデータなど世界表現を使って分離することで、データドリブンなアーキテクチャを構築しようとしてきた。つまり、それによって、データを入れ替えつつ汎用性を維持するキャラクターのためのアーキテクチャを作ってきたと言える。 #ゲームAI
2021-09-05 22:23:23ところが、ディープラーニングによって学習するエージェントというものは、その場に即した知能を形成するという意味で、Situated なのである。つまり、この20年間目指してきた自律性のアプローチは、ディープラーニングによって再び Situated なものに戻った。 #ゲームAI
2021-09-05 22:24:57よく考えれば、これは当たり前のことで、ディープラーニングは場そのもの、状況そのものを学習してしまうのだし、マップ依存の部分を過学習と言っていくら緩和したところで、マップの形状と状況を切り離すことはできないので、どうしてもマップ依存の人工知能となってしまう。 #ゲームAI
2021-09-05 22:27:19またディープラーニングには、ナビゲーションデータの読み込みなど存在しないので、データの入れ替えなど最初から存在しない。つまり、これまでスパーシャルAIに任せてきたマップ依存の部分がまるまるディープニューラルネットワークの中に含まれる形で学習されてしまっている。 #ゲームAI
2021-09-05 22:28:57つまり、ゲームエージェントのディープラーニング学習(ディープニューラルネットワークによる学習)は、Situated Learning であり、Situated Recognition である。 #ゲームAI
2021-09-05 22:30:54ゲームAIはこの20年、Situated なものから逃れようと汎用性を目指してきた。場に埋め込まれたAIから自律型AIへ、これがこの20年の標語だったのだ。 しかし、それをディープラーニング、ディープニューラルネットワーク、DQNは覆してしまった。 #ゲームAI
2021-09-05 22:32:12なので、これからは、20年で一周してしまったけれど、ゲームAIでは、Situated Learning、Situated Recognition の考え方が重要になるだろう。 なので、この本などが重要になるだろう。 William Clancy, Situated Cognition amazon.co.jp/Situated-Cogni… #ゲームAI
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