2021年9月6日

岡山急行電鉄は山陽電鉄の夢か?

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事の発端の一連のツイート

MuskaShota @MuskaShota

第二次世界大戦後、国鉄の遠距離中心の輸送体型に対抗して、地域間の輸送に重点を置いた電鉄の免許申請が日本各地で起こった。実現したものとしては、弘前電気鉄道(現在の弘南鉄道)、筑豊電気鉄道、用地買収や建設工事の途中で中断した例として、蔵王高速鉄道、加越能鉄道などがあげられる。

2019-10-16 21:32:05
MuskaShota @MuskaShota

そんな数ある地方都市間を結ぶ電鉄(インターアーバン)系未成線の中に、岡山急行電鉄というものがある。架空鉄道を嗜む同好の士の間にも「岡山と倉敷の間にインターアーバンがあったら……」と、妄想を巡らした人は多いと思うが、大抵この計画を目にして思い立った人が大半ではないだろうか。

2019-10-16 21:33:42
MuskaShota @MuskaShota

ところがこの岡山急行電鉄、「岡山と玉島を結ぶ標準軌の電化路線」ということは知られているものの、それ以上のことが皆目分からず、未成線として全く謎に包まれていた。しかし、このたび国立国会図書館の資料に、その詳細な計画と経過をまとめた記事が2つ見つかったので、ここに記しておこうと思う。

2019-10-16 21:34:47
MuskaShota @MuskaShota

岡山急行電鉄計画 電氣車青年3(4)(23)1952年 先には、神戸駅を中心とする神戸高速度鉄道の計画が認可されて、関西人の度胸の良いところを見せましたが、今度は岡山縣上道郡西大寺町から山陽線に沿って西へ、岡山・倉敷・玉島の3市を結んで

2019-10-16 21:37:25
MuskaShota @MuskaShota

広島縣境の笠岡まで延びる約60キロの岡山急行電鉄設置計画が、山陽電鉄・岡山市長の発起で具体化し、この程免許申請が運輸省に提出され、遠からず認可されるものとみられます。この鉄道の特徴は、現在の国鉄山陽線と完全に併行して縣内のみを東西に縦貫しようする競爭線で、

2019-10-16 21:38:10
MuskaShota @MuskaShota

免許と同時に第1期工事として西大寺-倉敷間(30.3キロ)を、第2期工事として倉敷-玉島間(12.1キロ)を、また第3期工事として玉島-笠岡間(17.1キロ)を5ヵ年計画で完成、途中28駅を設け、岡山-笠岡間を国鉄現在の所要時間80分のところ、約1/2の46分で走破しようとするもので、

2019-10-16 21:38:32
MuskaShota @MuskaShota

完成の上は京阪神における場合と同様、国鉄にとって大きな脅威となるでしょう。なおこの線は将来東へ赤穂・網干まで延ばして山陽電鉄と連絡し、大阪-岡山間を3時間で飛ばそうという計画をもっています。

2019-10-16 21:38:50
MuskaShota @MuskaShota

1952年における鉄道雑誌の記事である。ここでは工事期間を5年とし、3期に分けて順次開通させること、加えて途中駅を28駅と明確に記しているのが特徴である。当時の山陽線は電化されておらず、専ら蒸気機関車が客車を引いていたので、この鉄道計画にも勝算があったのだろう。

2019-10-16 21:39:52
MuskaShota @MuskaShota

ちなみに現在の山陽線の岡山-笠岡間の所要時間は、普通で45分程度なので、今と遜色ないといえる。特急を運行すれば十分勝負できただろう。さらに山陽電鉄と連絡して先述の神戸高速度鉄道(現在の神戸高速鉄道と思われる)を介して、大阪と岡山を結ぶという意欲的なことも書かれているのも興味深い。

2019-10-16 21:40:08
MuskaShota @MuskaShota

次はここから8年後の記事である。 時事通信時事解説版 昭和35年5月23日『日の目を見ないか岡山急行電鉄の構想』  山陽線の恩恵に浴さない岡山県の南部に急行電車を走らせようと、岡山急行電鉄発起人会が免許を受けてから丸六年、いまだに鉄道建設はもちろん、用地買収にさえ手がつけられていない。 pic.twitter.com/D0o9kWFuoN

2019-10-16 21:43:05
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MuskaShota @MuskaShota

地区住民の大きい期待の下に発足したこの計画も、いつの間にか忘れ去られようとしているとき、発起人会はこのほど免許期限をさらに二ヵ年再延長したいと運輸省に申請した。再三の延長申請には運輸省も難色を示している模様で、その成否が危ぶまれている。

2019-10-16 21:43:31
MuskaShota @MuskaShota

山陽線の電化が進み、バス路線が四通八達した今日、情勢は当時とは比べものにならないほど変わったとはいえ、このまま死産児として葬るには余りにももったいない計画のようではある。以下この経過と現状を探ってみよう。

2019-10-16 21:43:45
MuskaShota @MuskaShota

「計画の内容」 岡山急行電気鉄道は、払込資本金二億円、授権資本金八億円の会社を作り、岡山-玉島間約二十九.二キロに総工費十七億五千万円で路線を建設、急行電車を走らせる。建設計画は、第一期工事として岡山-倉敷間十六.四キロをまず約八億円の総工費で実施する。

2019-10-16 21:44:07
MuskaShota @MuskaShota

始発駅は現在の岡山駅近くに仮駅をつくる。岡山-倉敷間の所要時間はノンストップで十五分(玉島まで同二十六分)普通で二十二分で突っ走る。客車は平均十分間隔、貨車は一日三往復。

2019-10-16 21:44:38
MuskaShota @MuskaShota

この区間は創立事務所試算によると利益率三十四%という高採算なので、この区間で企業体制を整え、第二期工事として倉敷-玉島間十二.一キロの建設に着手。ゆくゆくは西大寺-笠岡間(六十キロ)の全線を開通させるというものである。

2019-10-16 21:44:57
MuskaShota @MuskaShota

この開通によって山陽線からおいてけぼりをくった岡山市をはじめ、西大寺市あるいは都窪郡妹尾町、早島町、福田村、倉敷市、浅口郡金光町、六条院町、里庄町、笠岡市などの住民は、今までの不便は解消されると、大きな関心と期待を寄せていたものである。

2019-10-16 21:45:25
MuskaShota @MuskaShota

「六年前に免許状」 この岡山急行電鉄計画は昭和二十六年ごろ、県出身の代議士の間で「岡山県南部に郊外電車を走らせてはどうか、西大寺-笠岡間のいい路線を、今まで放っていたのが不思議なくらいで、これなら十分採算もあうだろう」という声が強まってきた。

2019-10-16 21:45:55
MuskaShota @MuskaShota

一方、お隣の兵庫県南部を走っている山陽電鉄(本社神戸市)も「将来は赤穂まで路線を延長して、この西大寺-笠岡間の岡山急行電鉄と結んでもよい」と乗り気だった。そこで山陽電鉄の当時の社長岡村丹二氏も岡山の財政界と協力してこの急行電鉄の計画に乗り出すことになり、昭和二十八年に岡村社長の他

2019-10-16 21:46:30
MuskaShota @MuskaShota

岡山県側から各界代表者十六人、合計十七人で岡山急行電気鉄道株式会社発起人会(代表横山昊太氏)が発足、これをバックアップする期成同盟会(会長三木県知事)も結成され、二十九年五月十日に当初計画の一部であるが岡山市下石井から玉島市玉島に至る鉄道の敷設、旅客、貨物の運輸事業が免許された。

2019-10-16 21:46:49
MuskaShota @MuskaShota

「採算は十分あるが」 さて免許はおりたものの、当時は経済界も不況であったうえ、実施設計書の作成にも手間どり、加えて発起人である岡山市長の横山昊太氏は市長選に落ち、また唯一の玄人であり、二億円の出資を約束していた大黒柱の岡村氏は死去するといった悪条件が重なった。

2019-10-16 21:47:11
MuskaShota @MuskaShota

そしてついに免許期限の三十一年五月九日までには、どうにも計画実施の目鼻がつかず三十三年五月まで二ヵ年間延長してもらうことになった。この間、受益市町村の負担金も大口の岡山市、倉敷市が集まらなかったことも手伝って第二回目の免許期限切れの三十三年五月になっても、計画はさっぱり進まず、

2019-10-16 21:47:38
MuskaShota @MuskaShota

三回目の免許期限延長を運輸省に頼み込んだ。しかしこの三回目の期限も三十五年五月までで、今回の四回目の免許期限延長申請となったわけである。では一体、この岡山急行電鉄が日の目を見ずに、もたついている理由はなんだろうか。

2019-10-16 21:47:56
MuskaShota @MuskaShota

最近のバス路線の発展と、山陽線の電化が十月に完成することなどによって、採算が合わないためだろうか。同社設立事務所は第一期工事の岡山-倉敷間の急行電車なら絶対に採算が合うと計算している。電化された山陽線が毎日八十本の電車を走らせても、同急行電鉄は百六十回の計画だし、

2019-10-16 21:48:14
MuskaShota @MuskaShota

運行所要時間も急行だと十五分、普通で二十二分だから時間的にも負けない。バスに比べて時間は半分だし料金は国鉄並みの四十円だから三割安だ。会社の利益率は三十四%でも経営的には十分にやれるといっている。県南部の水島、玉島などの工業基地造成などが進めば益々この路線の重要性は高まってくる。

2019-10-16 21:48:33
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