Dr.丼先生によるCovid酸素供給量の相場観

簡単に言えば沢山必要ってこと
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Dr.丼のCOVID問題集 @sguardo_bot

【問題61】 医療用酸素ボンベにはいくつかのがある。写真のように外来などでよく使用される車椅子の後ろなどに乗せられているサイズは、500L(3.4L)型の酸素ボンベが多く、高さは65cmぐらい、直径10cm程度、重量は6kgほどあり、満タンにすると15MPaほどのボンベ内圧力になる。 下記の設問に答えよ。 pic.twitter.com/0BVpM4cSHS

2021-09-04 11:16:25
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在宅酸素療法を行なうCOPD(慢性呼吸不全)の患者さんが0.5-1Lの流量の酸素で済むのに対し、COVID19急性期の中等症患者さんは4-10Lもの酸素を必要とすることが多い。 仮に6L酸素投与を必要とする場合、上記ボンベは何時間で空になるか。 a)48時間ぐらい b)24時間ぐらい c)12時間ぐらい d)1時間ぐらい

2021-09-04 11:24:06
Dr.丼のCOVID問題集 @sguardo_bot

あ、すみません。単位がいい加減でした「 L/分」です。 参考までに人工呼吸器が必要となりそうな重症の手前の患者さんだと大体、10-15L/分ぐらいの酸素投与になります。

2021-09-04 11:31:42
Dr.丼のCOVID問題集 @sguardo_bot

【問題61】 医療用酸素ボンベは容器の大きさと使用流量によって持ち時間が変わります。 使用時間=ボンベ残量(L)÷使用流量(L/分) で計算できます。

2021-09-05 23:39:04
Dr.丼のCOVID問題集 @sguardo_bot

500L型医療用酸素ボンベ(高さ65cm、直径10.3cm、重量6kg)を充填内圧14.7MPa満タンにし、6L/分で使用するコロナ中等症患者の場合、このボンベ1本が無くなる時間は ボンベ残量(L)÷使用流量(L/分) 500(L)÷ 6(L/分)=83.3分 つまり満タンでも1時間20分ぐらいで無くなっちまいます。 正答:d)

2021-09-05 23:41:04
Dr.丼のCOVID問題集 @sguardo_bot

分かりやすい早見表も出ております。 これは残量がLではなく圧力(ボンベに圧力計で表示が出ます)での表ですが現場ではこの圧力表示を元に、何時間ぐらい持ちそうか判断しています。 ギリギリいっぱいまでは使わず90%いかないところで交換するようにしていますから1時間ちょっとと言う感じです。 pic.twitter.com/enf43X5G9N

2021-09-05 23:47:49
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つまり6L/分の酸素投与が必要なCOVID-19中等症の患者さんを自宅療養またはホテル療養で管理しようとした場合は、このタイプのボンベが24本(総重量144kg!)を搬入しなければ、間に合わないないことになります。 もし容態が悪化し、8L/分、10L/分と言う流量が必要になれば、もっと本数が必要です。 pic.twitter.com/45qt7FQ77u

2021-09-05 23:53:26
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Dr.丼のCOVID問題集 @sguardo_bot

酸素6L必要な患者さんと言うのはCOVID中等症としてはごく普通の流量です。 上にも書きましたが、重症手前の患者さんでは10-15L必要ということも珍しくありません。 このような患者さんを10人収容するホテルは、このタイプの酸素ボンベが1日240本。1トントラックで1日1回搬入でも間に合わない。

2021-09-06 00:00:03
Dr.丼のCOVID問題集 @sguardo_bot

先日、亀田総合病院の林淑朗先生がこんな写真を載せておられました。大きな病院ですとこのようなタンクに液体酸素を貯蔵させて、病棟には中央配管システムがありベッドサイドで流量計を壁に嵌め込めばすぐに酸素が供給できる設備になっているのです。 twitter.com/yoshirohayashi…

2021-09-06 00:14:49
林淑朗 Yoshiro Hayashi, MD, PhD @yoshirohayashi

コロナにネーザルハイフローが有効ならネーザルハイフローばら撒けばって話を聞きますが酸素の方考えてます?1人の患者が1日最大約7万ℓの酸素を消費します。最大の酸素ボンベ(重さ60kg)で11本です。大病院はコールドエバポレータという貯槽に気体にして最大約100万ℓの液化酸素を貯蔵してます。 pic.twitter.com/EerhZFHJe8

2021-08-31 20:34:17
林淑朗 Yoshiro Hayashi, MD, PhD @yoshirohayashi

コロナにネーザルハイフローが有効ならネーザルハイフローばら撒けばって話を聞きますが酸素の方考えてます?1人の患者が1日最大約7万ℓの酸素を消費します。最大の酸素ボンベ(重さ60kg)で11本です。大病院はコールドエバポレータという貯槽に気体にして最大約100万ℓの液化酸素を貯蔵してます。 pic.twitter.com/EerhZFHJe8

2021-08-31 20:34:17
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Dr.丼のCOVID問題集 @sguardo_bot

.........が、本来そのような設備がない自宅や療養ホテルなどでは、携帯できる酸素ボンベをいちいち搬送するしかないとなると、これはまじで大変です。 天文学的な本数の酸素ボンベが必要になります。💦 例えば小学校や公民館などを、仮設コロナ病床にしたとしても同じ問題が発生すると思います。

2021-09-06 00:16:33
Dr.丼のCOVID問題集 @sguardo_bot

ちなみに、最近中等症の最も重症寄りの患者さん有効だとされ、多く使用されるようになったネーザルハイフローという酸素投与の方式ですと、もっと流量が必要です。 1分あたり40L/分とかですよ。😰 これだとどこの病院でもできるわけではなく、中小規模の病院では設備がないところも多いです。

2021-09-06 00:47:11
Dr.丼のCOVID問題集 @sguardo_bot

病床を増やせ!というご意見をおっしゃる方々が、ここら辺の問題をどう捉えていらっしゃるのかな・・・・というところは、現場にいる人間としては非常に気になってます。 コロナは「箱だけ用意すれば」管理できる疾患ではありません。

2021-09-06 00:48:34
Dr.丼のCOVID問題集 @sguardo_bot

また「設置型酸素濃縮装置にすればいい!」っていう意見もあります。高齢者のCOPDなどに使っている在宅酸素(HOT)ですね。 しかしこれは低流量(0.5-1L/分)を想定している医療機器なので、最大流量が3L/分と5L/分の機種しか存在しません。 中等症COVIDがちょっと悪くなるともう酸素足りません。 pic.twitter.com/ax8USxFwsa

2021-09-06 02:07:37
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Dr.丼のCOVID問題集 @sguardo_bot

機器がメーカーからのリースになりますので、手続きや流量の指示書作成(医者が書く必要がある)、自宅への設置に時間もかかります。 また急に何万台も在庫あるわけでもありません。 また電力を消費するため、酸素需要の患者さん大勢に対応するためにはそれなりに大量電力供給が必要になります。

2021-09-06 02:11:57