すいこばなし【北方謙三水滸伝・楊令伝小噺集】2021/9/1-30

すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

李逵「馬麟の笛を聴いてみてえ」 馬麟「…気が向いたらな」 李「なんだつまんねえ」 馬「今日は用事があるから、またな」 李「どこに行くんだよ？」 馬「養生所に部下がいる」 李「俺も行ってもいいか？」 馬「なぜ？」 李「そいつを励ましてやりてえ」 馬「…好きにしろ」 李「おう」

すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

安道全「馬麟か」 馬「あいつは？」 安「うなされているよ」 李「何かあったのか？」 馬「そいつが友を失ってな…」 李「そういうことか」 安「心を落ち着かせてやりたいのだが、薬だけでは難しいな」 馬「分かった」 李「どこ行くんだよ、馬麟？」 馬「…」 李「見舞いに来たんじゃねえのか？」

すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

安「ちょっと静かにしてくれ、李逵」 李「…すまねえ」 安「おや？」 李「どうした？」 ♪〜鉄笛〜♪ 李「なるほどな」 安「鉄笛仙か」 ♪〜鉄笛〜♪ 李「いいな」 安「そうだな」

すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

李逵…来てよかったな。 馬麟…鉄笛の音色？気のせいだ。 安道全…たまに吹きに来てくれるんだ。

すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

呉用「しまった！」 晁蓋「…」 阮小五「…」 呉「…」 晁「…」 阮「…」 呉「しまった！」 晁「…」 阮「…」 呉「…」 晁「…」 阮「…」 呉「しまった！」 晁「…」 阮「…」 呉「しまった！」 晁「…呉用」 阮「…」 呉「…」 晁「そんなに構ってほしいのか？」 呉「違います！」

すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

呉用…何がしまったかというと… 晁蓋…それは。 阮小五…マズイですね…

すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

史進「また出たと思っただろう、班光」 班光「出たではありませんか！」 史「出してない。しまっている」 班「当たり前でしょう！」 史「俺は出してないと言った」 班「…」 史「一体何を出したと思ったのだ、スケベ班光」 班「知りません」 史「まあ実際履いて…」 班「♪〜」 花飛麟「！」 史「!?」

すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

史進…危うく花飛麟に射殺されるところだった。 班光…茂みの中は覗かないようにしましょう。 花飛麟…史進破廉恥阻止隊隊長。禁を犯した者は容赦なく射る所存。

すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

単廷珪「水攻めできねえかな…」 魏定国「どこに水源があるんだよ」 単「…お前は、火攻めだもんな」 魏「何が言いたい」 単「火攻めなんて燃やすだけじゃねえか」 魏「」 単「なんだ、魏定国」 魏「水攻めは、あれだよな」 単「何が言いたい」 魏「面倒くせえ準備のわりに、地味な作戦だよな」 単「」

すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

単「沈めてやろうか、魏定国」 魏「燃やすぞ、単廷珪」 郝思文「どうした？」 単「火攻めだけの能無しをおちょくっただけです」 魏「出来もしない水攻めの妄想しかできねえ野郎なんて相手にしてません」 郝「…どっちが強いと思う？」 単「何がですか？」 郝「火攻めと水攻め」 魏「試させてください」

すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

魏「ありったけの瓢箪矢をあいつの陣にぶち込め！」 兵「汚物は消毒ですな！」 単「ありったけの水をお見舞いだ！」 兵「はちきれんばかりですな」 郝「…」 関勝「どっちも逸っているな」 兵「ちょっと一服」 魏「馬鹿野郎！」 兵「！」 単「切る綱はそれじゃない！」 関「…」 郝「両成敗です」

すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

単廷珪…堰を落とす順番を誤って死にかけた。 魏定国…煙草の火が引火して死にかけた。 郝思文…所詮私の手のひらの上ですよ。 関勝…お前の密偵が混ざっていたのか…

すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

朱武「これが九天八卦陣だ、花栄」 花栄「…」 朱「どうだ、花栄」 花「すごいのは分かる」 朱「？」 花「しかしだな、朱武」 朱「なんだ？」 花「私が大将を射れば九天八卦陣だろうが関係ないぞ？」 朱「」 孔明(今キレたな、朱武) 朱「…分かった、花栄」 花「？」 朱「陣形の恐ろしさを教えてやる」

すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

花「あれが九天八卦陣か」 孔「呑気すぎるぞ、花栄殿」 朱「全員で花栄を袋叩きにしろ」 欧鵬(調練で死ぬかと思った…) 呂方(朱武が鬼のようだ…) 花「朱武を射ればこの調練は終わりだ」 孔「そんな上手くいきますか？」 花「それ！」 呂「!?」 欧「すげえものを見た」 朱「使えん」 花「惜しい」

すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

花「もう一発！」 欧「危ねえ！」 朱「小李広め」 花「よし突撃！」 孔「朱武の思う壺では？」 朱「バカめ！花栄！」 欧「やれやれ」 花「いかん！孔明と逸れた！」 欧「覚悟しろ！」 花「！！」 欧「…すげえものを見た」 花「エア弓矢を使ってしまった」 朱「そこまでだ花栄」 孔「！」 朱「!?」

すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

花栄…これが孔明の罠だ！朱武！ 朱武…悔しすぎて夜も眠れなかった。 孔明…俺の機転なんですけどね。 欧鵬…すげえ調練を受けさせられた！ 呂方…まだ射られた腹部が痛む。

すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

林冲「騎馬隊の連中が俺を避けるのだ」 張藍「まあ」 林「なぜだ」 張「調練が厳しいから？」 林「戦なら当然」 張「もしくは…」 林「なんだ」 張「索超殿と馬麟殿の根回しを無視したり」 林「…」 張「扈三娘に変な気を使ったり」 林「…」 張「郁保四殿に無茶を言っていませんか？」 林「…してた」

すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

林冲…とりあえず張藍にお詫びのお食事会を開いてもらった。 張藍…そういうところは直しましょうね。 索超…調練計画をガン無視されてた。 馬麟…調練場の確保をガン無視されてた。 扈三娘…また林冲にプライドを逆撫でされるようなことされた。 郁保四…旗をもっとデカくしろと言われて困ってた。

すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

公孫勝「石秀」 石秀「…はい」 公「そのだらしのない体型はどういうことだ」 石「…」 公「言え」 石「豚の…」 公「…」 石「曹正のソーセージが腐るほど在庫があり…」 公「…」 石「腐ったソーセージも多数あるのですが…」 公「私の問いに答えろ」 石「…ソーセージを、食べすぎました」 公「…」

すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

公「致死軍にいたら処断だ、石秀」 石「…この有様は、私だけではありません」 公「…続けろ」 石「楊志殿」 楊志「…」 公「…肥えたな、楊志」 楊「」 公「吹毛剣でソーセージも斬れんのか」 楊令「…」 石「お前も豚の被害者か、楊令」 令「…食べないと、父上に意地悪すると曹正殿に言われたので」

すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

公「二竜山の現状は？」 志「曹正のソーセージの在庫を処理すべく、二竜山の全員でたらふく食った結果がこれだ」 公「…」 志「我らの調練を上回るカロリーなのだ、公孫勝」 周通「皆が迷惑している」 公「…ならばその諸悪の根源は？」 志「曹正」 曹正「なんだ」 公「兵糧の袋かと思っていた、曹正」

すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

公孫勝…二竜山に致死軍の候補はいないかとやって来たが… 石秀…二竜山全員が肥満体型になりました… 楊志…ソーセージが美味いのが悪い。 楊令…父上にどんな意地悪をされるか分からなかったのでたくさん食べました… 周通…小覇王も四面ソーセージだ。 曹正…自力で歩けないほどでっぷりと肥った。

すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

董平「次の風流喪叫仙のライブは？」 宋清「開封府だ」 鮑旭「大丈夫ですか？」 董「燕青からもらった腕輪がある限り、俺たちには手が出せない」 馬麟「その腕輪は？」 董「楽和に渡したぞ」 楽和「腕輪」 董「渡したよな？」 楽「…あの腕輪ってそんなに貴重な物なんですか？」 董「無くしたのか？」

すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

楽「姉さんが勝手に持って行ってしまい…」 董「…」 楽「金策に困っていたのか…」 鮑「…」 楽「北京の質屋に持って行って…」 宋「…」 楽「大金をせしめたと…」 董「大至急燕青に連絡を取れ」 鮑「盧俊義殿の系列店ならなんとかなりそうですが…」 馬「傷一つつけてはいけないと言っていた…」

すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

燕青「私たちの店にはなかった」 楽「姉さん…」 董「開封府のライブをキャンセルするわけにはいかないか？」 宋「それはできない」 馬「金大堅に偽装させられないか？」 鮑「印鑑と腕輪では難しいだろう…」 董「どうしたものか」 楽大娘子「シャンパン持ってきて！」 呂牛「…李師師の腕輪だと？」