問題の本質が、いつの間にかすり替えられる怖さ

ねもと◆漫画編集者 @nemonemu

１．さて、以前から書こうと思っていたことをちょっと連ツイしてみます。「ニュースのトピックスをすり替えることで、背景にあった問題も見えなくしてしまう怖さ」についてです。長くてすみません。

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２．「松嶋×町山 未公開映画を観るTV」という番組の再放送をよく観てるんだけど、先日いきなり放送順を変更してた。理由はノルウェーでテロがあったからなんだと思う。放送されたのは「UNTIL THE LIGHT TAKES US」という映画について。

ねもと◆漫画編集者 @nemonemu

３．ノルウェーで「ブラックメタル」という音楽を普及させた男を中心としたドキュメンタリーなんだが、彼は「反キリスト」を掲げ、教会に放火したり人を殺したりで、ノルウェーの最高刑の懲役21年にて服役中。今回のテロの容疑者も、同じく懲役21年。だから出してきたんだと思う。

ねもと◆漫画編集者 @nemonemu

４．で、言いたいのは映画の内容そのものではなくて、町山さんの解説を聞いてて思ったこと。彼（ヴァーグ・ヴァイカーネス）の掲げる「反キリスト」の主張は、「キリスト教の流入によって、ノルウェー固有の文化や宗教が抹殺されてしまった。だからそれを取り戻せ！」というもの。

ねもと◆漫画編集者 @nemonemu

５．そんな彼は次々と教会を燃やし、キリスト教批判の文言を残し、人も殺してしまう。しかし逮捕された後、彼はマスコミ報道によって「サタニスト（悪魔崇拝主義者）」のレッテルを貼られてしまうんだ。「文化を取り戻したい主張を持っていた」ことは消され、「サタニストのキチガイがやった」と。

ねもと◆漫画編集者 @nemonemu

６．報道されないってことは、存在しないってことと同じ。「悪魔に身を売った頭おかしい奴の仕業。聞く耳もたなくていいよ」って言われちゃった。さらに悪いことに、彼の音楽を気に入って「俺もブラックメタルやるぜ！」と続いた人たちが、みんな「サタニスト」として活動してしまった。

ねもと◆漫画編集者 @nemonemu

７．かくして世の認識はブラックメタル＝サタニストとなり、「文化や歴史を考えたかった」という意味は消され、「反社会的なテロリストによるキチガイ行動」としてまとめられてしまった。もちろん彼のやったことを支持するつもりはないけど、「平易なものにすり替えられちゃう怖さ」を感じたんだ。

ねもと◆漫画編集者 @nemonemu

８．都条例とか反原発とか高岡さんのフジテレビの時とか、「あれーなんで話題がそっちに行っちゃうの〜？」「この問題には真剣な想いや背景があったはずなのに、報道ではなんか違う…」ってことは、よく感じると思う。でも報道されちゃうと、「わかりやすいレッテル」のほうが真実になっちゃうんだ。

ねもと◆漫画編集者 @nemonemu

９．どっちが正しいとかではなくて、話し合いたかった問題がすり替わってしまう、解決しなくなってしまう怖さ。「あいつら頭おかしい、怖い、聞く耳もたなくていいよ」って、シャットダウンされてしまう怖さ。そういうことを感じたのでした。

原田　実 @gishigaku

わかりやすい虚像を作って否定しようとするとその虚像が独り歩きして暴れだす危険＞問題の本質が、いつの間にかすり替えられる怖さ http://t.co/xyf7OmE

喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

わかりやすい虚像。人間は自分の理解しやすいように理解する、ということか。 RT @gishigaku: わかりやすい虚像を作って否定しようとするとその虚像が独り歩きして暴れだす危険＞問題の本質が、いつの間にかすり替えられる怖さ http://t.co/rOZnVOX

原田　実 @gishigaku

考えてみるとノルウェー社会（というかキリスト教世界）では、キリスト教受容前に帰れという主張の方が悪魔崇拝よりもわかりにくい上に危険性も大きいから隠蔽される形になったんだろうな。悪魔はキリスト教の秩序に回収される存在だから http://t.co/xyf7OmE