「彫刻家エル・アナツイのアフリカ」関連シンポジウム 「異文化の表象と展示空間の政治学」

@kazumin75 さんによる時差tsudaりをまとめました http://www.momas.jp/3.htm 8月21日(日) 13:30-16:00 ビシ・シルヴァ(ラゴス現代美術センター代表)、川口幸也(国立民族学博物館准教授)、稲賀繁美(国際日本文化研究センター教授)、建畠 晢(埼玉県立近代美術館館長) 内容:異文化を紹介・展示する空間とは、一体どうあるべきなのか。アフリカ現代美術の専門家を交え、美術館・博物館などの展示空間がもつ意味を考える。
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kazumi @kazumin75

今日は、埼玉近美までエル・アナツイ関連シンポジウム 「異文化の表象と展示空間の政治学」を聞きに行って参ります。楽しみ。

2011-08-21 12:35:17
kazumi @kazumin75

埼玉近美。シンポジウム終了。展示の企画の民博の川口さんの話、面白かった。 http://t.co/Wm5b8uu

2011-08-21 18:21:30
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kazumi @kazumin75

【異文化の表象と展示空間の政治学】川口氏:西欧では美術館は西欧のアートを作品として保存し、博物館(人類学/民族学博物館)は西欧の実用品や鉱物などと非西欧のアートを資料として保存するという区別がある。非西欧であるアフリカの現代アートがルーブルで展示されたのは10年前のこと。

2011-08-22 01:20:22
kazumi @kazumin75

【異文化の表象と展示空間の政治学】川口氏2:今回の企画の狙いは2つ。1)まず今生きているアフリカの黒人作家の大規模な個展を行うこと。2)今まで交流のなかった美術館と民博が一緒になることでモノの新しい語り方の可能性を探ること。アートワールドはアートの普遍的価値を無条件に信仰している

2011-08-22 01:26:29
kazumi @kazumin75

【異文化の表象と展示空間の政治学】川口氏3:西欧のアートの価値をローカルの価値や風土・歴史よりも上とする、アートの持つ普遍的価値への信仰、それ自体が実は西欧のマジックではないのか。この西欧がつくったアートという土俵を超えるためには、1)非西欧のアートを美術館で紹介していくことと、

2011-08-22 01:33:19
kazumi @kazumin75

【異文化の表象と展示空間の政治学】川口氏4:2)アートとは違う語り、しかも複数の語りを模索し、共存させるべき。今回の展示でいえば、使い古された臼や布が語る名のなき人々の声も聞こえるような、そうした場となること。また非西欧だけでなく西欧についてもそのように語られるべきであると。

2011-08-22 01:37:00
kazumi @kazumin75

【異文化の表象と展示空間の政治学】稲賀繁美氏(国際日本文化研究センター教授)1:西欧のアート(特にsculpture)は普遍なものではなく超えるものがでるべき。その概念としてscraptureを提示。アナツイの作品はこのscraptureではないか。それは次の3点から言える。

2011-08-22 01:45:25
kazumi @kazumin75

【異文化の表象と展示空間の政治学】稲賀氏2:1)ブリコラージュ2)アッサンブラージュ3)布(タペストリー)の意味。1)ブリコラージュ=器用仕事。アナツイの廃品をリサイクルする戦術。過去と現代、アフリカとヨーロッパをつなぎあわせてかつての関係をつくりなおす。

2011-08-22 01:50:57
kazumi @kazumin75

【異文化の表象と展示空間の政治学】稲賀氏3:2)アッサンブラージュ:人々の魂が宿る廃品を利用する作品=現代の怨念を寄せ集めた作品。3)布は自分の形は主張しないし変形可能。くるむことでdisarm=武装解除する。赤瀬川源平の《世界の缶詰》やクリストのポンヌフ=世界をくるむ先行作品。

2011-08-22 02:04:38
kazumi @kazumin75

【異文化の表象と展示空間の政治学】稲賀氏4:アナツイはこれらの作品を総括し、缶で世界をくるんでいる。その意味でアートや美術館を超える試みを行っているのではないか。

2011-08-22 02:09:36
kazumi @kazumin75

【異文化の表象と展示空間の政治学】ビシ・シルヴァ氏(ラゴス現代美術センター):ナイジェリアは20年に渡る独裁政権。政治文化が崩壊。1999年に民主的選挙が行われ、この10年で芸術文化が発展。南アフリカに次ぐ第2位の現代アートシーン。しかし作品の多くは絵画・彫刻中心の保守的なもの。

2011-08-22 02:22:24
kazumi @kazumin75

【異文化の表象と展示空間の政治学】ビシ・シルヴァ氏2:連邦政府は芸術に関心がなく援助は足りていない。文化的インフラがないまま、批判的メッセージがあったり実験的素材にトライする作家と一緒に活動を始め、2007年に現代美術センターを立上げた。21世紀のアートに合わない現状の教育制度。

2011-08-22 02:26:20
kazumi @kazumin75

【異文化の表象と…】ビシ・シルヴァ氏3:制度の外にプラットフォームを作った。社会や作家が抱える問題は何か、彼らにどんなプラットフォームを提供できるのか、それがキュレーターとしての命題。アフリカにおける民主主義をテーマにした個展。多国籍企業による環境破壊、アフリカから見た奴隷制度。

2011-08-22 02:43:55
kazumi @kazumin75

【異文化の表象と…】建畠館長:今までの議論で、欧米を一枚岩と捉えている点が疑問。欧米も多様。モダニズム言説を純粋に信じている人なんていない。矛盾を抱えている。美術館もホワイトキューブも幻想だという批判もある。(皆さんが言う)西欧/モダニズムは仮想敵国ではないか。

2011-08-22 02:49:42
kazumi @kazumin75

【異文化の表象と…】川口氏(先ほどの館長の意見を受けて):仮想敵国はあった方がなにかとやりやすい。しかし、確かにモダニズムを信じている人はいないと思う。その点は考えていきたい。シルヴァ氏(総括):アフリカ大陸は55ヵ国。全土をアフリカとして捉えず個別の国・作家を認識してほしい。

2011-08-22 02:56:03
kazumi @kazumin75

アート、美術史、美術館/資料、人類学・民族学、博物館/アートを超えるものとは…と考えさせられるシンポジウムだった。布を使う点で西尾美也さんのナイロビのパッチワークのプロジェクトを思いだした。アートという言葉に当てはまらない活動。西尾さんはそれを「新しい社会のための練習」と。

2011-08-22 03:06:08