石川( @hajimebs )さんの地図論

@hajimebsさんを中心に,地図について考えさせられるTweetを集めました.
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石川初 Hajime B. S. Ishikawa @hajimebs

イベント終了後、来場者の一人、今和泉さんという方が披露してくれた自作の「架空の町の地図」が凄かった。どこでもない町の緻密な地図。その町を通る列車の時刻表。彼は、架空の地図を作っているというより、空想の町を作りあげて、その町の様子を表すために地図や時刻表を作っているという。

2011-08-20 02:03:06
石川初 Hajime B. S. Ishikawa @hajimebs

今和泉さんのウェブサイトに、その架空の町「中村市」の地図や路線バスのデザインや「地元企業」のロゴや、通過する鉄道の時刻表が並んでいる。これは面白い。http://t.co/RdQ8rdx

2011-08-20 02:03:18
石川初 Hajime B. S. Ishikawa @hajimebs

堀淳一さんや今尾恵介さんも、子供の頃に空想の土地の地図を描いていて、それぞれの著書でそれを紹介しておられる。今尾さんの地図は国土地理院の1/2.5万地形図のスタイルで描かれていたが、今和泉さんの地図はマップル風で、これも時代の変化を感じさせて興味深い。

2011-08-20 02:03:31
石川初 Hajime B. S. Ishikawa @hajimebs

空想の町の地図になぜ魅了されるのかを考えてみると、地図とは何かという問いの新しい側面が浮かび上がって非常に興味深い。地図は、その地図が表象する「実際の地面」の様態に保証されている、と通常私たちは思っている。だが、実は地図は地図の緻密さを保ったまま、その「前提」を取り替えうる。

2011-08-20 02:03:43
石川初 Hajime B. S. Ishikawa @hajimebs

地図は高度に体系化されたルールをもったダイアグラムである。ルールが複雑で緻密であるゆえに「フィクション」が成立する。「中村市」の地図も、そうと聞かされなければ空想の土地だとは思わず、普通に見知らぬ町の地図だと思うだろう。

2011-08-20 02:03:52
石川初 Hajime B. S. Ishikawa @hajimebs

地図が地図であるために、その地図の対象地が実在していなくてもよい、というのは示唆的だ。つまり、私たちは、実在の土地の様態よりも、地図というインターフェースのプロトコルを共有している、ということだ。

2011-08-20 02:04:05
石川初 Hajime B. S. Ishikawa @hajimebs

だとすると、地図を支えているのは、対象地の実体性ではなく、「地図が描こうとするもの」とでもいうべき、地図と対象地との間に存在するもうひとつのレイヤーなのではないか。例えば測量の生データとか判読用の空撮とか、そういった「地図と土地との間」にあるものが地図を保証するのではなかろうか。

2011-08-20 02:04:18
石川初 Hajime B. S. Ishikawa @hajimebs

というような話を、帰り道、大山さん @sohsaiとした。

2011-08-20 02:04:29
石橋秀仁 @zerobase

@hajimebs 地図と対象地の間に計測データのレイヤーがあるわけですね。現実世界、観測された情報、その情報の視覚化されたもの、という三層構造。中村市は衝撃でした。

2011-08-20 04:35:38
石川初 Hajime B. S. Ishikawa @hajimebs

ツールとして、グーグルアースは個々の要素への接近が容易で(むろん渡邊さんの的確な操作が大きいが)、それが強烈すぎて「マップ」が見えにくいこともある。マップ化のための「冷静な視座」用には、グーグルマップ程度の「不自由さ」があったほうがいいのかもしれない。 #mpn3

2011-08-20 12:20:24
石川初 Hajime B. S. Ishikawa @hajimebs

アンビルトの建築と空想の町の地図。アンビルトの建築は、描いてみることで「想定の体系としての建築的整合性」の輪郭を確認する作業である、と言うことができる。外国の、かなり条件が異なる建物も「建物」に見えるのはそのためで、ローカルルールを超えた「建築的な秩序」を私たちは見て取る。

2011-08-20 12:38:52
石川初 Hajime B. S. Ishikawa @hajimebs

空想の町の地図も、その地図が「ありそうな地図」であることが、地図は何を描くものだったか、ということを考えさせる。「地図的に辻褄が合っていること」はもともと「地理的に理に適っていること」の反映であったのだった、という、わりと当然なことに思い至る。

2011-08-20 12:39:06
石川初 Hajime B. S. Ishikawa @hajimebs

だから、空想の町の地図から、「私たちが何を当然の前提としているか」を読み取るのも面白い。行政や公共施設の種類、教育施設の配置、緑に塗られた公園、自家用車が普及していることなど、その地図が描く町を「それらしく」見せているものを検証してみる。

2011-08-20 12:39:17
石川初 Hajime B. S. Ishikawa @hajimebs

ラ系の設計演習の課題に使えるかもしれない。「車両が発明される前にタケコプターが普及した松戸の街の地図を描きなさい」とか。

2011-08-20 12:39:57
石川初 Hajime B. S. Ishikawa @hajimebs

「マッピング」には、「わたしが地図にプロットされること」によって「再発見するわたし」と「再発見する地図」とがある。広島アーカイブは、証言を提供された被爆者の方には前者として、それを閲覧する我々には後者として表れる。 #mpn3

2011-08-20 13:14:13
石川初 Hajime B. S. Ishikawa @hajimebs

「わたし」が、広域のパターンを描く点要素に還元されるだけでなく、「個々の事情」と「広域の様相」が接続される、そういう「マッピング」をしたいわけだ。(「グラウンディング」のときからずっと同じことを繰り返し呟いているような気がするが) #mpn3

2011-08-20 13:14:22
石川初 Hajime B. S. Ishikawa @hajimebs

@zerobase 中村市面白いですよね。地図の「現実の抽象化の手続き」について考えさせられます。

2011-08-20 13:16:38
石川初 Hajime B. S. Ishikawa @hajimebs

ふと思いだして子供の本棚を漁った末、俺の「町の地図」の原体験は、「はたらきもののじょせつしゃけいてぃ」の「じぇおぽりす」の地図であったことが判明した。

2011-08-20 23:36:14
よんます @yonmas

”エキスパート・ロガー”な人たちは、なぜロガーとしてのiPhoneに、いまひとつ否定的なんだろ…。バッテリー消費の問題かな。ロガーを持っていない(iPhone持ちな)人が、とりあえず「自分の軌跡を記録する」という体験をしてみるのに最適だとおもうんだけどなぁ。 #mpn3

2011-08-21 11:34:58
石川初 Hajime B. S. Ishikawa @hajimebs

@yonmas 「背景にグーグル地図が出ないiPhoneロガー」が出たら使います。

2011-08-21 13:07:40
石川初 Hajime B. S. Ishikawa @hajimebs

地図は確かに現実社会を抽象化して映している。が、その「抽象化」のために、地図にはストリクトな「書式ルール」があって、地図を通して現実社会に接近する(地図を読む)ためにはまず、そのルールに通じている必要がある。

2011-08-22 12:53:02
石川初 Hajime B. S. Ishikawa @hajimebs

私たちはだから、地図を睨んでるうちに滲み出てくるような「現実社会への接近」をするわけではなく、「地図ルールでこう表記されてるのはアレだよな」という理解をする。

2011-08-22 12:55:19
石川初 Hajime B. S. Ishikawa @hajimebs

でも、「滲み出し系」がないわけではなく、慣れてくると等高線の濃淡からいきなり地形の襞が「感じられ」たりするようになる。媒体としての地図のこうした側面はカートグラフィが「直達」する部分なのかもしれない。

2011-08-22 12:58:15
よんます @yonmas

地図上の市街地の表現は、建物などの人工物を記号化・抽象化して表した図像なのに対して、等高線は地表の形状をそのまま写像しているというストイックさが素敵。

2011-08-22 14:53:15
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