茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第2585回「世界は「ネイティヴ」よりも広い」

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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート2585回をお届けします。文章は即興で書いています。本日は、感想です。

2021-10-08 07:31:05
茂木健一郎 @kenichiromogi

英語について、「ネイティヴ」をいうことを安易に言う傾向があるけれども、実際には国や地域によって発音やイントネーションが微妙に異なる。例えばアメリカとイギリスでは、英語そのものや発言の文脈が違うから、何が「ネイティヴ」なのか、よくわからない。

2021-10-08 07:32:20
茂木健一郎 @kenichiromogi

興味深いことに、発音やイントネーションだけでなく、発話の背景になる文化や文脈も異なるから、違った受け止められ方をすることもある。以前、9歳でオペラを作曲した天才少女アルマ・ドイッチャーさんの動画をある学校で見た時の反応も面白かった。

2021-10-08 07:33:45
茂木健一郎 @kenichiromogi

アルマ・ドイッチャーさんは英国オックスフォードの郊外で学校に行かずホームスクーリングをしながら作曲をしていた。そのインタビューを聞いて、アメリカやオーストラリア出身の先生方が、「お高くとまっている」と言ったことが、私には全く予想外でびっくりした。

2021-10-08 07:35:00
茂木健一郎 @kenichiromogi

それで、イギリス出身の先生が、「いや、イギリスにはこういう話し方をする人たちがいるんだ」と言ってアメリカやオーストラリア出身の先生が「そうなのか!」と驚いて、それからみんなで爆笑したのだけれども、同じネイティヴと言っても全く違う文化がある。

2021-10-08 07:35:57
茂木健一郎 @kenichiromogi

ある文化圏ではある印象を与える振る舞いが、別の文化圏では別の印象を与えるという問題は、Malcolm GladwellがTalking to Strangersで印象的に論じているが、「ネイティヴスピーカー」と言っても国や地域でそのニュアンスは全く異なる。日本ではアメリカ話者の印象が強いようだ。

2021-10-08 07:37:06
茂木健一郎 @kenichiromogi

コメディの文法や文脈も、アメリカとイギリスでは微妙に異なる。イギリス流の、知的で皮肉の効いたユーモアは、アメリカのオーディエンスにおいては必ずしも一般的ではないことは、アルマドイッチャーさんに対するよ予想外の反応からも推測できる。世界は「ネイティヴ」よりも広い。

2021-10-08 07:38:40
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート2585回、「世界は「ネイティヴ」よりも広い」をテーマに、6つのツイートをお届けしました。

2021-10-08 07:39:21