クインティリアヌス『弁論家の教育』についての書き込み
- tomokazutomokaz
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『弁論家の教育4』は有名な第十巻が入ってるが、それにしても薄い本だなあ。3400円。 twitter.com/seiichitsuchiy…
2017-01-29 11:13:38訳文が引用されているので、訳文のこなれぐあいが分かる。>古代ローマの笑い クィンティリアヌス『弁論家の教育』第6巻 - オシテオサレテ (id:nikubeta / @kunisakamoto) d.hatena.ne.jp/nikubeta/20130…
2017-02-02 18:24:27引用文は QUINTILIANUS INSTITUTIONES Liber 6,2,35, Vidi ego saepe histriones atque comoedos,から始まる一節。
2017-02-02 18:57:58ある事をさんざ言っといてから「今はこれは言わない」という言い方をキケロはよくするが、これは「暗示的看過法(praeteritio)」というレトリックの一つの技法らしい。
2017-06-08 15:50:35キケロが『神々の本性について』でPythagorasのipse dixit とauctoritasについて扱った問題は、クィンティリアヌス『弁論家の教育』第11巻1の27でも扱われているらしい。
2017-08-18 21:11:50キケロは『スッラ弁護』で、まさに自分の元執政官として、また陰謀を防いだ人間としてのauctoritasを訴えて、無罪を勝ち取っている。
2017-08-18 21:18:21キケロー『カティリナ弾劾』第三演説3節、Quae quoniam in senatu illustrata(白日のもとにさらす), patefacta(明らかにする), comperta(発見する、突き止める) sunt per me、キケロは時間の順番を平気で逆にして書くらしい。のちに非難される言葉となるcomperio は元老院の中ではないはず。
2018-03-01 18:29:16これもレトリックの手法で hysteron proteron(前後倒置法)というらしい(Dyck ad loc.)。
2018-03-01 18:42:14古代ローマの修辞学者クィンティリアヌスの綴りはQuinctilianus だったり Quintilianusだったりするらしい。
2018-05-19 21:46:57Quintilian (8. 1, 2) embellishes the same story with the inept addition that the woman on being asked how she had detected his foreign origin replied, “ because your speech is too Attic.” テオプラストスは市場の婆さんに自分のアッティカ訛まで見抜かれたらしい(LOEB,Brutus148p)
2018-12-22 01:18:15クインティリアヌスの『弁論家の教育』の1巻と2巻が送料込みで2000円ほどになってる。
2018-12-22 13:24:46ut quidam sententiarum gratia uerbosissimos locos arcessunt, cum ex locis debeat nasci sententia (クインティリアヌス『弁論家の教育』1巻156頁、2,4,31) sententiaが「警句」と訳されているが、英訳書ではsentimentとなっている。この翻訳書は英訳で答え合わせしていないのかな。
2018-12-26 14:14:42「警句とは論題の中から生まれてくるものなのです」(同上)は意味不明。英訳では「意味は文脈から生まれるべきなのに」と分かりやすい。ネットにも訂正は出ていないらしい。
2018-12-26 14:24:38キケロの『ブルータス』や『弁論家』を訳すために、西洋古典叢書のクィンティリアヌス『弁論家の教育』を一通り目を通しておこうと図書館で借りてきたが、何を言っているか分からないのでLOEBの英訳を見てああそういう事かと納得するところが多くて、がっかり。
2018-12-26 18:42:21西洋古典叢書クィンティリアヌス『弁論家の教育』第十巻第一章「書くこと、読むこと、話すことのうちいずれによるのが軽快さに(=上達に)もっとも寄与するのかと、尋ねる慣わしがあることを私は知っています」。 「よく質問される」を「尋ねる慣わし」と訳すとは、これはあかんやつやで。
2018-12-26 19:12:07クィンティリアヌス『弁論家の教育』第十巻第一章七、八節、同意語をむやみに集めても無意味で、言葉の違いをよく知っておく必要がある、それには読書が役に立つと。 pic.twitter.com/HTUAwUSZ6O
2018-12-26 19:34:10クィンティリアヌス『弁論家の教育』10,1,15 ()の中、 それらの例を明示されなくても⇒ それらの例を説明されなくても (demonstroには1明示2説明と羅和辞典)⇒括弧は不要。 pic.twitter.com/mlWKvzbCUO
2018-12-26 20:59:53同上書、五三「最も近い者と二番目の者とがどれだけ異なるか」→アンティマコスは二番と言っても、一番のホメロスとははるかに離れている。[時代的に]にではない。五六「何だって、…。」ではなく「何だって?」。なぜウェルギリウスを挙げないんだという抗議を意味する。 pic.twitter.com/m9lCFHPY4E
2018-12-26 23:14:03「最良のもので満腹していながら」→「最良のもので満腹してから」。「第三位はピレタス」→「第二位はピレタス」。「彼が人に劣っているのは題材の欠点であって、才能の欠点ではない」→「題材のせいであって才能のせいではない」アルキロコスは才能ではピカイチだと。 pic.twitter.com/the7bjXwbC
2018-12-26 23:33:07この「第三位」はわざとじゃないか。翻訳は複数の人間がやったことになっているが、本当は下っ端の一人の人間がやらされていて、他の人間は目を通していないことを、世間に知らせるためにやったんじゃないか。学術翻訳の実態はかなりブラックだと。手書きじゃあるまいし、二を三に見間違うわけがない。
2018-12-27 09:14:19次の頁「テレンティウスの書きものはスキピオ・アフリカヌスに負っています」。これは「テレンティウスの喜劇を書いたのはスキピオ・アフリカヌスだと言われています」という意味。これが古代ローマでは褒め言葉でテレンティウス自身も否定しなかったと、スエトニウス『テレンティウス伝』
2018-12-27 16:08:58「厳格な裁定の場へと呼び戻そうと」とは「もっと簡素で真摯な趣味の文体へ引き戻そうと」、「もっぱらこのセネカが若者たちの手にあった」とはセネカの本のことで、当時はセネカが若者たちの間で大人気だったらしい。著者は彼らがセネカの文体の悪いところばかり真似するのを嘆いているらしい pic.twitter.com/se9dDnfb6B
2018-12-28 13:49:00クインティリアヌス『弁論家の教育』第十巻、読了。この和訳は高校生の英文和訳なら試験が受からないレベルだが、おかげで英訳を読むのが捗ることは確か。 この訳者は自分のラテン語の実力どおりの翻訳を後世に残したかったんだろう。英訳をいっさい参考にしていないのは潔いほど。
2018-12-29 01:01:21次に読むクィンティリアヌス『弁論家の教育』第九巻の訳者は英訳を参考にしているらしい。とすると十巻の訳者の関わってる巻がやばいのかも。 日本はアメリカなどと違って、能力主義ではなく縁故主義なので、読めない翻訳本が出てしまう。困ったもんだ。
2018-12-29 14:42:03第九巻は修辞を扱っている。この本ではそれを文彩という見たことのない言葉にしている。 クィンティリアヌスは修辞には「考えの修辞」と「言葉による修辞」の二つあるというところまで、比喩との違いとか修辞に対する様々な意見を軽く紹介しているが、この訳では非常に難解になっている
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