エリクソン研究会『二月の男』読書会告知
- osugi_akira
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11月からエリクソン研究会は『二月の男』を読み進めます。ぼく自身、今までより一段深いミルトン・エリクソンの理解を目指して気合を入れてやっていきたいと思います。エリクソンとはどのような人でどんな内容の本なのかを伝える動画配信をまた後日やるつもりです。 twitter.com/rabbit_vita/st…
2021-10-11 18:21:29二月の男はセッション始まって最初の30ページ分くらい、エリクソンともう一人の精神科医が延々とクライアントの前で訳のわからない会話をしてそこにクライアントを巻き込む。 精神科医二人が訳の分からない話で盛り上がっているから、クライアントもそこに乗りたいのだが意味不明でついていけない。
2021-10-11 18:26:13そうやってクライアントを混乱のど真ん中に放り込んで深いトランス状態にいれる「混乱技法」をやっているわけなのだが、普通の人はまずこのページを読んで気持ちが折れる。 わけがわからないからね。 でもまさにそのわけのわからなさこそがこの冒頭のやりとりの目的である。
2021-10-11 18:29:17混乱技法は実際にやってみるとなかなか難しい。 「当然わかるよね?」という顔をしながら、言葉としてはわかるが、意味がさっぱりわからないことを延々と言い、相手にも質問して何かを答えさせる。 相手にわかるように話してあげたいという気持ちを持ちがちなぼくとしては心を鬼にしないといけない。
2021-10-11 18:32:55そもそもわけのわからないことをよどみなく語り続けるというのが難しい。 普通の人はどうしてもわけのわかることしか思いつかない。 突然、意味不明の前提が差し込まれたり、言ってないことを言ってることにされたり、それを猛スピードで展開する。
2021-10-11 18:34:54混乱技法パートを過ぎると、今度は本気のエリクソンの催眠療法が展開される。 ・なぜ催眠を使うのか? ・催眠トランスに入ったクライアントにどう働きかけるのか? ・クライアントの(頭の)中では何が起きているのか? この辺をおさえていくことで、エリクソンの狙いが見えてくる。
2021-10-11 18:38:52エリクソンは年齢退行をクライアントに暗示し、小さい子どもの頃に戻していく。 そして、小さい子どもになったクライアントの前にFebruary man(二月の男)と名乗って現れる。 エリクソンは小さい子どものクライアントにとって適切な養育的な大人のポジションから必要なケア体験とアドバイスを与える
2021-10-11 18:42:12その時期の子どもとしてのクライアントとやるべきことが終わると、このやり取りの温かい感触、そこで受け取ったメッセージを無意識にだけ残し、意識には上がってこないようにして(意識レベルでは忘れさせておいて)クライアントを覚醒させる。
2021-10-11 18:43:54そういうやりとりを退行させる時期を変えたりしながら何度か繰り返し、十分なやり取りが終わったら、最後に意識的なクライアントとやりとりをして、無意識に埋め込んだものが意識や行動に表れるような方向づけを行う。 大きな流れはこんな感じである。
2021-10-11 18:45:54一般に「育て直し」などと言われている作業をトランス下でやってしまい、なおかつそれを今、現在の意識とは切り離すことで、心理的な負荷を減らす。 本人が十分に新しい考えを受け取れる準備をさせてから、徐々に意識上にものぼらせる。 見事である。
2021-10-11 18:48:20ぼくはこれを開腹手術は全身麻酔をして痛みを忘れさせて行うように、催眠療法でも催眠を用いて自分の抱える問題と向き合う時の強い恐怖感や不安、苦痛を感じないですむトランス下で行っているのだと理解している。 麻酔(トランス)で楽に自分と向き合えるなら、使ったほうがいいよね、と。
2021-10-11 18:51:03そのためのヒントが山盛りの一冊です。 多分、読み終わるのに3年くらいかかると思う。ぼくの人生でこのテキストで読書会をやるのは多分これが最後になると思うので、興味がある人はぜひどうぞ。 まだ告知用にサイト更新してないけど。エリクソン研究会に申し込んで貰えば11月から始まります。
2021-10-11 18:53:03