KADOKAWAグループの社史(非売品)が刊行。入手した方のツイートと反応。【無料配信について追記あり】

正式タイトルは『KADOKAWAのメディアミックス全史 サブカルチャーの創造と発展』。非売品でKADOKAWA社員や関係者のみの配布のようです。市販して欲しい。ここ30年の角川書店・KADOKAWAの社史。著者はコンプティークの元編集長でもあり、メディアワークスや角川グループホールディングス(現:KADOKAWA)の元代表取締役社長で現相談役の佐藤辰男氏。
66
前へ 1 2 ・・ 7 次へ
タニグチリウイチ:2023年も引き続き週何日か三鷹通い @uranichi

社史として編纂された『KADOKAWAのメディアミックス全史 サブカルチャーの創造と発展』(佐藤辰男)では当然にして「ライトノベル市場を占有す」という章が立てられていて「ティーンズ文庫と言われた時代~『ロードス島戦記』に始まる」とか「スニーカーとファンタジアの模索、電撃の台頭」といった…

2021-10-30 16:27:25
タニグチリウイチ:2023年も引き続き週何日か三鷹通い @uranichi

項目が立てられている。「ハルヒが画した” ライトノベルの時代”」といった項目もあって、そうしたライトノベル勃興から浸透の状況が現場で触れた経験も踏まえて時系列的に叙述されている。歴史の勉強になる。さらにそもそも「ライトノベル」という呼称がどうして使われたのかといったことについても…

2021-10-30 16:29:04
タニグチリウイチ:2023年も引き続き週何日か三鷹通い @uranichi

『かつてパソコン通信のニフティサーブ「フォーラム」内で行われた命名議論の結果生まれたという複数の証言がある』という話が紹介されている。さらに『認知度が一気に上がったのは、日経BP社の『ライトノベル完全読本』(二〇〇四年七月発売)と宝島社の『このライトノベルがすごい!』(同十一月)…

2021-10-30 16:30:15
タニグチリウイチ:2023年も引き続き週何日か三鷹通い @uranichi

…が発行され、話題を呼んでからだ』と書かれていて、ヤングアダルトとかジュニア小説といった呼称が廃れライトノベルに一本化されていった経緯がちゃんと抑えられている。『このラノ』に言及とかちょっと胸が熱くなるねえ。以後、「ライトノベルの棚取作戦~特約店制度からの転換」では販売面での…

2021-10-30 16:31:43
タニグチリウイチ:2023年も引き続き週何日か三鷹通い @uranichi

…戦略が振り返られているけれど、そうしたライトノベルが受け入れられた理由についてもいろいろと語られていて参考になる。新城カズマさんや斎藤美奈子さんの言葉なんかが紹介されていて、誰がどうして読んでいるかがつづられていった先、本書が示すライトノベルとは何かという見解はこんな感じ。

2021-10-30 16:33:42
タニグチリウイチ:2023年も引き続き週何日か三鷹通い @uranichi

書き手と読み手が生活環境や趣味(ゲームやアニメ)の知識を共有し、同時代、同世代の生きた言葉で書かれたものがライトノベルだ』と本書。そのジャンルが『SF、ミステリー、学園、乙女、BLと広がっても、書き手と読み手の同時代感、コミュニティの共有感が重要に違いない』。なので今、紙の出版が…

2021-10-30 16:34:54
タニグチリウイチ:2023年も引き続き週何日か三鷹通い @uranichi

…『WEB発の小説にとって代わられつつあるとしたらそれは『時代が転換し、読者と作家がコミュニティを共有できるプラットフォームが雑誌の現場のようなところから、ネット空間に取って代わってしまったということかもしれない』。書き手や読者はどこにいるのか。見つけ繋ぐ編集者が求められている

2021-10-30 16:36:48

お家騒動前の角川春樹元社長の業績も記載。

タニグチリウイチ:2023年も引き続き週何日か三鷹通い @uranichi

どこに行けば読めるのかと評判の『KADOKAWAのメディアミックス全史 サブカルチャーの創造と発展』(佐藤辰男)から角川春樹氏の業績はオミットされてはいない。「角川ホラー文庫」についての項があって『角川春樹が「ゴシックホラー」をやってみたいと発案し、当時「カドカワノベルズ」編集長だった…

2021-10-31 15:20:49
タニグチリウイチ:2023年も引き続き週何日か三鷹通い @uranichi

…完戸健司が企画立案し、一九九三年四月に創刊為れた』『合わせて公募新人文学賞「日本ホラー小説大賞」も設定され、多くの有望新人を素立てた』。坂東眞砂子さんや貴志祐介さんや瀬名秀明さんがそうですね。『春樹はこの頃、遠藤周作からこの企画が「時代に合ってる」と評価されたと喜んだ』という。

2021-10-31 15:22:59
タニグチリウイチ:2023年も引き続き週何日か三鷹通い @uranichi

『完戸は「既成の文芸作家、ミステリー作家にも、自分が書いてみたい、と思わせる新規性がこのジャンルにはあった」と振り返る。実際遠藤周作は、同文庫の『現代ホラー傑作選第1集』の編者を買って出た』。そうだったのかと驚いた。『遠藤周作の喜びようは、編集者としてよく理解できる』と筆者。

2021-10-31 15:26:14
タニグチリウイチ:2023年も引き続き週何日か三鷹通い @uranichi

『“ホラー”という切り口で新しい自分が発見できるのかもしれないという期待が膨らんだからなのだろう。“ホラー”はジャンルを超えた新しいキーワードで、のちのライトノベル同様に新人を発掘し続けることになった』。カテゴライズして対象を狭めるよりざっくりとしたイメージの下で自由に作品を求める事

2021-10-31 15:28:04
タニグチリウイチ:2023年も引き続き週何日か三鷹通い @uranichi

それが結果として表現の幅を広げて広く才能を拾い上げることができた。『鈴木光司の『リング』は』『横溝正史賞に応募され、ミステリーの枠にハマらないという理由で』『受賞に至らなかった』ものを『堀内大示が目を付け』ハードカバーで出し、そしてホラー文庫の第1回配本に入れてブレイクしたとか。

2021-10-31 15:30:59
タニグチリウイチ:2023年も引き続き週何日か三鷹通い @uranichi

今はどちらかというとラノベ内でもジャンルがどうこう言われるし、ウエブ発でもジャンルで人気作が出るとそちらに集まっていくような感じ。ラノベだとかホラーだとか”それっぽさ”を言い表す新しいカテゴリーって何だろう。つばさ文庫とか青い鳥文庫みたいな子供向け小説のなのかもしれないなあ。

2021-10-31 15:33:38

角川におけるライトノベルの源流

タニグチリウイチ:2023年も引き続き週何日か三鷹通い @uranichi

ライトノベル読者なのでKADOKAWAの社史『KADOKAWAのメディアミックス全史 サブカルチャーの創造と発展』(佐藤辰男)からラノベ関連を拾ってみる。『角川におけるライトノベルの源流を訪ねると、一九八六年の八月に開催された「ファンタジーフェア」まで遡る』『当時角川書店書籍第二部(文芸担当)の…

2021-11-01 20:07:08
タニグチリウイチ:2023年も引き続き週何日か三鷹通い @uranichi

…バイトでありながら、このフェアで田中芳樹、火浦功を担当した小川洋の証言では、このフェアの意図は八〇年代のSF小説ブーム、少女小説ブームに乗って、当時の人気作家に書き下ろしのオリジナル作品を提供させることだった』。そのラインアップには新井素子『眠たい瞳のお嬢さん 結婚物語(上)』や

2021-11-01 20:09:22
タニグチリウイチ:2023年も引き続き週何日か三鷹通い @uranichi

眉村卓迷宮物語』、富野由悠季『ファウ・ファフ物語(上)』、藤川桂介銀河AVE.0番地』などがあったとか。『ファンタジーフェアと謳いながらファンタジー小説は小川の担当した『アルスラーン戦記(著/田中芳樹、イラスト/天野喜孝)ぐらいだった』とか。その当時のエピソードに思わず納得。それは

2021-11-01 20:11:37
タニグチリウイチ:2023年も引き続き週何日か三鷹通い @uranichi

火浦功の原稿(『未来放浪ガルディーン』)がなかなか上がらず、その年のゴールデンウィーク中、火浦卓でアップルⅡ版の『ウィザードリィ』をやりこんでいたと明かした』と本書。らしいといえばらしいし、火浦功さんて実在するんだと驚いたといえば驚いた。『ファンタジーフェアの好評を受け』と本書

2021-11-01 20:13:32
タニグチリウイチ:2023年も引き続き週何日か三鷹通い @uranichi

『角川文庫編集部では、現代日本文学の「緑帯」から分離し、若者向け小説としてジャンル分けして「青帯」として訴求することにした』。その「青帯」の最初は朝日ソノラマから移籍の『機動戦士ガンダム』と講談社から移籍の『Zガンダム』で、そして『逆襲のシャア―ベルトーチカ・チルドレン』を刊行。

2021-11-01 20:17:42
タニグチリウイチ:2023年も引き続き週何日か三鷹通い @uranichi

最初の青帯はほぼ『ガンダム』で占められた』。以後、88年3月のフェアにコンプティーク系として『聖エルザクルセイダーズ集結!』’著/松枝蔵人、イラスト/BLACK POINT)、『イース』(著/飛火野耀、イラスト/藤原カムイ)、『ラプラスの魔』(著/山本弘、イラスト/結城信輝)が並んで、そして

2021-11-01 20:21:29
タニグチリウイチ:2023年も引き続き週何日か三鷹通い @uranichi

88年8月の『角川文庫'88新青春&ファンタジーフェア」に小説版『ロードス島戦記』(発売は四月一〇日)がラインナップされる』と本書。続け『角川文庫の「青帯」が一般公募によりレーベル名を募集し、正式に独立レーベル「角川スニーカー文庫」としてスタートするのが一九八八年八月だ』。33年経った。

2021-11-01 20:24:46
タニグチリウイチ:2023年も引き続き週何日か三鷹通い @uranichi

KADOKAWAのラノベといえばもう1つ、ファンタジア文庫がある。こちらについても言及がある。まず『ドラゴンブック』が登場する。『「ドラゴンブック」の第一回の配本は一九八五年一二月、『AD&D』世界のゲームブックの翻訳本(『パックス砦の囚人』)だった』。以後『グループSNE』と『黒田幸弘の参加で

2021-11-01 20:28:34
タニグチリウイチ:2023年も引き続き週何日か三鷹通い @uranichi

…「ドラゴンブック」はテーブルトークRPGのルールブック、ガイドブック、リプレイなどTRPGに関する専門性の高いレーベル』となる。それからしばらく、『一九八六年の年末に、春樹から富士見書房に対し、伝奇小説のレーベルを立ち上げるようにとの指令があった』。春樹さんだったんだ。『小川にも…

2021-11-01 20:30:35
タニグチリウイチ:2023年も引き続き週何日か三鷹通い @uranichi

…篠崎を通じ企画書の提案を求められ、対して小川は、若手書き下ろしのSFファンタジー系のレーベル立ち上げを提案したという』。そして『小川の企画書は春樹の目にとまり、「富士見ファンタジア文庫」の創刊準備が始まるわけだが、春樹から「新しいレーベルには、新しい才能を発掘するための新人賞が…

2021-11-01 20:32:40
前へ 1 2 ・・ 7 次へ