【NEJM】SARS-CoV-2ワクチン接種の未来—インフルエンザからの教訓(2021.11.17作成) #抗原原罪 #ADE

1
influenzer @influenzer3

●SARS-CoV-2ワクチンの将来像 →NEJMの記事です。 我々はSARS-CoV-2と共存する方法を模索しなければならない。 それにはこれまでの人類とインフルエンザとの共存がモデルになるだろう、というものです。

2021-11-16 21:00:06
influenzer @influenzer3

文中には、「楽観的に過ぎた(overly optimistic)」という表現が2回登場します。 しかし私には、インフルエンザと同様の共存が将来像だ、というこの主張も「楽観的に過ぎる(overly optimistic)」ようにも思います。 mRNAワクチンの長期的安全性の懸念についての言及はありません。

2021-11-16 21:00:06
influenzer @influenzer3

spike proteinの全長を用いた現在の方法では、反復投与により中和抗体よりもADEを起こす感染増強抗体が相対的に多くなる可能性もあるはずです。 なぜこのウイルスは人間社会と共存可能で、将来は季節性インフルエンザのようになると断言できるのでしょうか?

2021-11-16 21:00:07
influenzer @influenzer3

もしも日本が一度、国内から完全消滅してみせれば、また別の考え方も出てくるのか? The Future of SARS-CoV-2 Vaccination — Lessons from Influenza nejm.org/doi/full/10.10…

2021-11-16 21:00:07
influenzer @influenzer3

----- ・COVID-19の罹患率が一時期低下したにも関わらず、その後に変異株であるデルタ株の拡大がみられた事は大きな失望となり、過去に行われたいくつかの仮定を再検討する必要に迫られた。

2021-11-16 21:00:07
influenzer @influenzer3

再検討の少なくとも一部は、この非常に有効性の高いSARS-CoV-2ワクチンが成し遂げるであろう成果について過剰に楽観的にすぎたことへの反省が含まれている。一部の専門家らはワクチンによりウイルスの感染伝播を完全に阻止できると期待していたし、最終的には集団免疫に到達するだろうと予想していた。

2021-11-16 21:00:08
influenzer @influenzer3

・一つの可能性が高い将来像は、呼吸系ウイルスであるインフルエンザのパンデミックとパンデミック後の両者を検討する事で見えてくるのかもしれない。インフルエンザでの経験は、すでに世界拡散に適応しているSARS-CoV-2についての今後の予想をリセットし、目標を再設定する上での参考になるだろう。

2021-11-16 21:00:08
influenzer @influenzer3

・SARS-CoV-2mRNAワクチンの臨床試験や観察研究の初期の結果は、症候性感染予防に高い効果を持ち、かつ無症候性感染も予防することで、感染伝播も抑制できる事を期待させた。無症候性感染予防効果は、インフルエンザワクチン等では無症候性感染はほとんど予防できない事からも驚きをもって迎えられた。

2021-11-16 21:00:08
influenzer @influenzer3

・この結果は、接種率がある程度に達すれば感染伝播を止める事ができるという期待を抱かせるものだった。しかし、その期待はあまりにも楽観的に過ぎたようだ。感染力の強いデルタ株は、ワクチン接種者にも無症状あるいは軽症例として感染する。増殖力の強さや、抗体価の減弱が関連しているのだろう。

2021-11-16 21:00:09
influenzer @influenzer3

・集団免疫による完全排除には、その病原体の感染性が低く、かつ感染に脆弱なグループが存在しない必要がある。2002年のSARSウイルスが最終的に消失した事から、COVID-19の消失も理論的には可能であると思われた。しかし、SARSウイルスはSARS-CoV-2の初期株ほどの感染力もなかった。

2021-11-16 21:00:09
influenzer @influenzer3

限られた地域で、superspreading現象を伴いながら局地的に広がっていたのだ。SARS-CoV-2の流行初期にも見られたこのパターンはoverdispersion(過分散)と呼ばれる。例えば感染伝播の80%が10%の感染源から起こるものだ。

2021-11-16 21:00:09
influenzer @influenzer3

この過分散のパターンは一時的な現象であり、感染が拡大していく過程で追えなくなり、最終的に消滅すると考えられている。実際にこの変遷は新規変異株が出現していく過程で起こった。

2021-11-16 21:00:10
influenzer @influenzer3

・変異株が次々に出現し、感染力も変化し、抗原性の変化がワクチン効果に影響する事を考慮すると、本ウイルスを人間社会から完全に排除することは不可能であり、現在の大規模拡大を十分に抑えた後、どのように対処していくべきかの長期戦略を構築する必要があると私は考えている。

2021-11-16 21:00:10
influenzer @influenzer3

パンデミックおよび季節性インフルエンザは、それを考えていく上で最も適切なモデルを提供するはずだ。

2021-11-16 21:00:10
influenzer @influenzer3

・SARS-CoV-2と同様に、パンデミックインフルエンザの拡大は医療システムを圧倒してしまう。数週で都市全体、数か月で国全体へと拡大し、superspreading現象はほぼ確認できない。その後、パンデミックウイルスは抗原性の変異を繰り返しながら、新たな季節性株として存続し続ける。

2021-11-16 21:00:11
influenzer @influenzer3

ワクチン接種の目的は感染拡大の阻止ではなく、重症化や死亡を抑える事だ。軽症例予防の重要性はそれほど高くはない。

2021-11-16 21:00:11
influenzer @influenzer3

・インフルエンザワクチン接種は毎年行われるものであるが、これは免疫の減弱とantigenic driftと呼ばれる抗原性変異に対応するためにワクチンの改変が必要だからだ。antigenic driftは世界でモニタリングされており、WHOの勧告に基づいてワクチン構成は年2回更新されている。

2021-11-16 21:00:11
influenzer @influenzer3

症候性感染に対するワクチンの有効性はせいぜい50--60%であり、それよりはるかに低い年もある。インフルエンザワクチンの価値は、流行を止める事ではなく、規模を抑え、重篤な合併症を予防する事にあるのだ。

2021-11-16 21:00:12
influenzer @influenzer3

・SARS-CoV-2とインフルエンザには共通点もあるが、全く違う点もある。最も異なるのはワクチンの有効性であり、前者の効果が圧倒的に高い。この効果が今後も持続するかは、時間がたたなければ分からない多数の未解決問題の一つである。

2021-11-16 21:00:12
influenzer @influenzer3

しかしはっきりしているのは、ワクチンの再接種が必要であるという事であり、それは抗原性の変化と免疫力の減弱によるものでインフルエンザの場合と全く同じなのだ。

2021-11-16 21:00:12
influenzer @influenzer3

・インフルエンザワクチンでしばしば見られるいくつかの問題が起こらない事を祈ろう。例えば、インフルエンザワクチンでは、過去に接種歴のある人に、年によってはワクチン接種後の抗体価上昇が十分に起きないという現象が起こる。

2021-11-16 21:00:13
influenzer @influenzer3

ワクチンのtargetとなる変異株の選定については、インフルエンザワクチン株選定における官民連携がモデルとなり得る。

2021-11-16 21:00:13
influenzer @influenzer3

・知見の急激な変化を反映して、COVID-19に関するこれまでの多くの予測は不正確だったと言える。現在では、効果的なワクチンを長期的に使用する事が重要である事がもはや明らかになりつつある。変異株が出現し続けば、ワクチン接種者の無症候あるいは軽症感染例も増加するのだろう。

2021-11-16 21:00:13
influenzer @influenzer3

ワクチンが重症化阻止効果を維持し続ける限り、感染者数よりは入院数や死亡者数のモニタリングのほうが重要になってくるかもしれない。

2021-11-16 21:00:14
influenzer @influenzer3

・ワクチン接種者の一部が重症化する可能性が現在我々が直面している最大の課題である。変異が起こっても効果に影響のない、より優れた治療法、抗ウイルス薬の開発が必要である。 (続く)

2021-11-16 21:00:14