「らき☆すた」から学ぶ「町おこし」と「アゴラ論」について
アニメによる町おこしブームは鷲宮町とらき☆すたがきっかけだろう。僕はあそこの神社の研究をしていたので、あのブームがどのように展開して行ったのかの一部始終をみていた。観察していて気づいたのは、地元の商工会議所の力だった。
2011-07-14 17:57:05あの街も商店街のシャッター通り化が深刻になっていた。そこで神社前の古商家を改装して大酉茶屋というコミュニティを作り、街の活性化を計っていたのだ。そんな感じで地道に街を盛り上げようとしていた矢先に放映されたのがアニメ「らき☆すた」だ。
2011-07-14 18:01:18らき☆すたでは、オープニング映像で神社の大鳥居が登場し、登場人物がそこの神社の娘という設定だった。このアニメがオタクたちの間でブームとなり、聖地巡礼と称してたくさんのオタクたちがやってきた。
2011-07-14 18:05:04痛車が駐車場に何台も並び、アニメの絵が書かれた痛絵馬が普通の絵馬を覆い隠した。最初は神社側も商店街も気持ち悪がっていた。しかしオタクたちと話してみると、そんなに悪くない奴らだということがわかった。そしてけっこう地元のことを愛してくれていることもわかってきた。
2011-07-14 18:09:40そうしてオタクたちとなにか面白いことができないかということで、グッズ製作が行われ、声優を呼んでのイベントが開催された。果ては神社の夏祭りにらき☆すた神輿までが作られて、上海万博まで出展することになった。
2011-07-14 18:12:27この盛り上がりが実現したのは「らき☆すた」が素晴らしいアニメだったからだけではない。オタクたちの思いを吸い上げ、行動に移してきた商工会議所の組織の力が大であった。そして大酉茶屋という人が自由に集まれるアゴラの存在が、オタクと地元民のコミュニケーションを促進したのだ。
2011-07-14 18:16:56「らき☆すた」が放映されてから数年経った現在でも神社に行けば毎日数台の痛車を見ることができる。大酉茶屋ではコミュニティFMを流し、地元民とオタクの間を繋いでいる。
2011-07-14 18:20:54最初、大酉茶屋がシャッター通り対策として作られたと書いた。では、それに対しての効果はどうだったのだろうか? 僕が見る限りでは効果は薄かったと見るしかない。閉じる店は増え続けている。オリジナルグッズは確かに売れただろう。しかしそれは本業を支えるほどのものではない。
2011-07-14 18:24:33アニメによる町おこしでの経済効果は薄い。では、このブームは無意味だったのか? 僕はそんなことはなかったと思う。このブームにより町の人たちが、地域に目を向け出した。そして普段なら出会わない人たちが繋がった。このことは目には見えないが、後々住み良い町作りにつながっていくだろう。
2011-07-14 18:29:10僕が言いたいのは、地元の舞台化も大切だけど、それを活かす組織なり場所が必要なんじゃないかなって思うんだ。そのためには大酉茶屋みたいなアゴラがあったほうがいい。つぶくまみたいなコミュニティもあるけど、どうしても意識の高い人ばかりが集まってしまいかねない。
2011-07-14 18:41:41深谷シネマなんかは、アゴラとしての機能を果たしつつあると思うんだよなあ(いろいろ大変そうだけど… )。 地元では、くまがや館があるけど、なんだか入りづらいのが残念。本当は歴史的な遺産を活かすとアゴラは形成しやすいんだけど、古い建築物はあらかた壊して無いし(くそっティアラめ…)。
2011-07-14 18:48:03だからもし新しい公共施設が作られることがあったなら、アゴラの形成を念頭において設計して欲しいと思ってる。 太田市役所なんか一階がNPOのためのスペースになっていて、地元でも参考にして欲しいけどなぁ。 …と、また勝手なことをつぶやきすぎたけど、戯言だと思ってご容赦をm(_ _)m
2011-07-14 18:52:20