- hosokawa1122
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……ふう、さて。何やら嫌な予感がするが、語りを始めるか。言うまでもなく私の主観故、嘘は吐かんが真実とも限らんぞ #主君語り
2011-08-28 12:07:04私の最初の主君が織田信忠様であるから、織田には矢張り思い入れがある……が、同時に私も若かった故、あれなえぴそーども多いのだ…… #主君語り
2011-08-28 12:09:39次に仕えた秀吉様は、その、何というか私とは種類が違いすぎるというか……今一噛み合わなかったな、凄い方だとは思うが #主君語り
2011-08-28 12:12:10そして、今回語らせてもらうのは徳川家康様。……この時代ともなれば私も円熟味を増して、ちーとえぴそーどや感動えぴそーどもあるのだぞ #主君語り
2011-08-28 12:14:39信長様の恐ろしさとは、違う。家康様の恐ろしさは、底が見えぬ恐ろしさだ。……あの方は、天下をとるべくしてとったのだろうな #主君語り
2011-08-28 12:27:21……そう、あれは関ヶ原開戦を控えた日。清洲の福島正則殿の元で、私含む数名の武将が話し込んでいた時、秀吉様と家康様の比較になった事があった…… #主君語り
2011-08-28 12:34:39「今回の、上杉を討ちに内府が御出陣中上方で謀反が起きた流れってあれと似てね?ほら、太閤様が中国で毛利とやりあってる最中に明智謀叛の報せが来た時」「似てる似てる。あの時太閤様はすぐに毛利と和議を結んで勝竜寺に向かい、明智を討ち果たされた」 #主君語り
2011-08-28 12:43:43「話変わるんだけどさ、今回の内府って後手後手じゃね?小山では俺たちに加勢を頼むとばかり思ってたんだけどさ、『来てくれてありがとう、嬉しいよ。だけど君たちにも上方に人質があるだろうし、みんな帰って治部少輔に付いた方がいいよ、それがいい』とか言ってんの」 #主君語り
2011-08-28 12:44:33「『上方はああ言っているが、合戦みたいな大きいことにはならないよ。人質を殺すくらいだろう』とか言って江戸へ帰られたしなあ。すぐさま御出陣と勇み足であれば、我ら先手だけで治部少輔を血祭りに上げて内府のお手など煩わすまいものを。なかなか御出陣なされぬのは怪しいな」 #主君語り
2011-08-28 12:46:19「すぐに江戸を出て合戦になれば、十中八九天下は内府のものだろうに。太閤様と比べるとゆっくりしてるよなあ」……大体こんな所か。この時話していたのは誰だったか、大体豊臣恩顧の輩だった故この認識は仕方ないが……あまりの甘さに、私はずっと閉じていた口を開く事となる #主君語り
2011-08-28 12:50:50「分かっているとは思うが、明智謀叛時の太閤と今の内府ではその状況が天と地だ。あの時の太閤はわずかに播州一国の主であり、西に毛利を抱えながら明智を討たねばならぬ。まあ籠の鳥のようなものだ。 #主君語り
2011-08-28 12:55:18……とてもうまくいかぬと分かっていながら深い考えもなく出発して運良く明智が討てただけの事、籠城などなさらぬところは流石に感心したが危うい危うい。 #主君語り
2011-08-28 12:56:06しかし内府の場合はだな、こちらは関八州の大将であり海千山千の武功の達人。さらに家中には忠孝厚き臣下をあまた取り揃え金銀兵糧も事欠かぬ。――しかし御出陣なさらぬのだ。この意味がわかるか? #主君語り
2011-08-28 12:57:11……大方、その理由は我ら味方の大名たちが先に馳せあがって治部少輔とぶつかれば良いと考えているからだ。その後からやって来て治部少輔のみならず我らもまとめて滅ぼそうという考えだろう。 #主君語り
2011-08-28 12:58:19だからといって、内府を相手に戦えるかといえば我らには無理だ。今は我らを頼みにしているようだが、いざとなれば我らなど気にもすまい。内府の立場ならば本来はもっと早く、それこそ太閤より十倍も二十倍も早く動けよう。……そんな内府のお心は、太閤よりはるかに恐ろしいと思うぞ」 #主君語り
2011-08-28 13:00:11あの方は動かぬまま恐怖を与えられる。賢しい者は、その恐怖に従わざるを得ない。恐怖を感じる事さえ出来ぬ暗愚がどうなるかは…… #主君語り
2011-08-28 13:08:10