【十一月の不十分】福間健二 #k2fact312

11月10日から19日まで。スタートしてすぐに北海道に行った。12日から17日まで。札幌一泊、ぼくの映画を上映してくれている海辺の映画館大黒座のある日高地方浦河町に二泊、そしてまた札幌に二泊というスケジュール。楽しかった。おいしかった。感謝の気持ちでいっぱいだ。そんな中であったが、今年がもうすぐ終わり、なんとかなってくれと願っことがいろいろとなんともならずにあることに焦りを感じながら書いた。 音楽は、なぜか思い出してしまった藤圭子の「星の流れに」。 https://www.youtube.com/watch?v=YmmwcUi3p8M
0
福間健二 @acasaazul

生き抜いたということ。泣かない十一月の姉が語るのは。回復して実用主義の入江に登場する弟の能力。泣かないのだから悲しくない。内側にも外側にも満足しない旅人をどうしたいのか。打たれても壊れないのがやわらかいということ。夜空、予想できる大変なことだけでは。(十一月の不十分1)#k2fact312

2021-11-10 17:56:30
福間健二 @acasaazul

夜空、ちゃんと暗くならない。何が砕けて、転生のプランとか思い浮かばない空気になるのか。鮮度はともかく、ひとまず侵食作用を食いとめる実用主義に勝ってもらう。逃げるから怖いのだ。たとえば、愛しい存在にやりなさいと暗示されたこと、できなくていいはずはない。(十一月の不十分2)#k2fact312

2021-11-11 12:30:29
福間健二 @acasaazul

このリンゴは腐りかけている。昼間のうちに解読すべき暗号だった。腐っているもの、この国にはあふれていると憤慨する人。若くても、老いていても、いてほしい存在だが、恋をしたことがないのでは困る。河口の、海から受ける影響を観察する姉は誘惑する。暗号ではない。(十一月の不十分3)#k2fact312

2021-11-12 10:34:18
福間健二 @acasaazul

取り壊しのきまった第二かわぐちビルあたりからきみは大股で歩いている。討論会から逃げ、精霊から逃げ、なにか売りたい自分に似た人との会話からも逃げて、見えてしまう断面の鮮やかさに負けない大股だ。そのバネ、脱力、恋心かな。矛盾だらけの湾もこの週末は静かだ。(十一月の不十分4)#k2fact312

2021-11-13 12:05:26
福間健二 @acasaazul

拾う運命だった鍵を拾わず、告白も中途半端になって、必要だったのかどうかわからない迂回の先の、日の沈む水平線。いつまでも見ているわけにはいかない。ふりかえると大通り三丁目の夜。ペガサス号から降りてくる文字の列に落胆する理由。爪を噛む国民がもうおとなだ。(十一月の不十分5)#k2fact312

2021-11-14 10:35:15
福間健二 @acasaazul

教えられたこと、さびしい道の歩き方とか。つめたい雨と風に、向かってくる力と重さに、やられる体勢で、とくに負けていない兄ちゃんたち。思い出す前にきっぱりと受け入れているのだ。見たことあるのだろう。ヤマアラシ、死なない。モグラも死なない。海が鳴っている。(十一月の不十分6)#k2fact312

2021-11-15 12:39:44
福間健二 @acasaazul

しまった。無邪気な、長い棒が、あばれている。十年以上前の暗い室内の、きょうだいの時間がよみがえる。おもしろさ、斬新さ、そして重要性も疑わなかった作品が分解されて何が残るのか。踊りにくいフリージャズ。突然の、まぶしい光。立ち入り禁止の線路にだれかいる。(十一月の不十分7)#k2fact312

2021-11-16 13:42:29
福間健二 @acasaazul

だいじょうぶ、エデンの東に聖者の行進だ。漕げよマイケル、夢のカリフォルニアだって。きのうのフリージャズを逆方向に分解すれば。だれが主人公かよりもどの山が危機にあるかを思いながらの、バラ色の人生。人間であること、それがどんなに恥ずかしいことだとしても。(十一月の不十分8)#k2fact312

2021-11-17 10:30:59
福間健二 @acasaazul

手遅れ。地球上のいろんな問題がそうなのだが、降り方のわからなくなった山はメロディのなかに消して手を見る。手から発する火を見つめる。そうか、白いご飯ときのこの炊き込みご飯とフライドポテトが少しずつ残ってるんだね。どれにかけてもおいしいスープを考えよう。(十一月の不十分9)#k2fact312

2021-11-18 11:34:09
福間健二 @acasaazul

スープ、クレイジーソルトなんかでごまかすな。十月までの体験はそう教えるが、どこにでもあるもの、たとえば海と山に挟まれた地形の理解と潰し方が不十分。ゆるしてください。幼いままほとんど終わりながらそれを言うきみを終わらせないためには決定的に足りないのだ。(十一月の不十分10)#k2fact312

2021-11-19 17:30:24