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2021年12月4日

会田大輔先生による高校世界史教科書と『南北朝時代』(中公新書)シリーズ

『南北朝時代』の著者である、会田大輔先生による『南北朝時代』と高校世界史教科書との相違点や補足説明についての解説。
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会田 大輔(Aida Daisuke)研究成果発信用 @aidakenkyuseika

明治大学大学院修了。日本学術振興会特別研究員(PD)を経て、現在、大学非常勤講師。博士(史学)。専門は中国史(主に南北朝隋唐史)。10月に初の単著『南北朝時代ー五胡十六国から隋の統一まで』(中公新書2021)が出ました。なお、本アカウントは、主に研究成果の発信に用いる予定です。

会田 大輔(Aida Daisuke)研究成果発信用 @aidakenkyuseika

改めてご報告。10月18日に会田大輔『南北朝時代ー五胡十六国から隋の統一まで』(中公新書2021)が出ました。最新研究を踏まえた中国の南北朝時代(5~6世紀)の概説書です。遊牧民と漢人がせめぎあうなか、様々な模索がなされました。ご笑覧いただければ幸いです。 hanmoto.com/bd/isbn/978412…

2021-10-18 16:56:51

会田 大輔『南北朝時代―五胡十六国から隋の統一まで 』(中公新書 2667)

中央公論社サイトより

中国の南北朝時代とは、五胡十六国後の北魏による華北統一(439年)から隋の中華再統一(589年)までの150年を指す。北方遊牧民による北朝(北魏・東魏・西魏・北斉・北周)と漢人の貴族社会による南朝(宋・斉・梁・陳)の諸王朝が興っては滅んだ。南北間の戦争に加え、六鎮の乱や侯景の乱など反乱が続いた一方、漢人と遊牧民の交流から、後世につながる制度・文化が花開いた。激動の時代を生きた人々を活写する。

https://www.chuko.co.jp/shinsho/2021/10/102667.html

Amazonリンク
https://www.amazon.co.jp/dp/4121026675/ref=cm_sw_r_awdo_navT_a_WFV5SHYMRH3DSF7VZ81P

会田 大輔(Aida Daisuke)研究成果発信用 @aidakenkyuseika

高校世界史と拙著『南北朝時代』1 高校世界史教科書では中国の南北朝時代について3頁ほど触れられています。拙著のうち、教科書と関係する部分を何回か呟きたいと思います。 最初は質問もいただいた孝文帝の改革についてです。教科書では漢化政策、拙著では中国化政策となっています。その理由は? pic.twitter.com/egrA65WmlA

2021-11-23 14:03:13
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会田 大輔(Aida Daisuke)研究成果発信用 @aidakenkyuseika

「漢化政策」という言葉には北族の漢人への同化というニュアンスがでてしまいます。確かにそういう面もあるわけですが、実際の改革では北族の制度・文化と融合した部分もあります。また、改革後も北族としてのアイデンティティーが完全に消えたわけではありませんでした。

2021-11-23 14:03:14
会田 大輔(Aida Daisuke)研究成果発信用 @aidakenkyuseika

とはいえ中国の制度や文化を採用し、胡漢融合といっても中国の比重が大きいことも確かです。そこで拙著では川本芳昭『中国の歴史5 中華の崩壊と拡大』(講談社2005)と同じく「中国化政策」を採用しました。実は20世紀末まで概説書や教科書で「漢化政策」と「中国化政策」の両方が使われていました。

2021-11-23 14:03:14

川本 芳昭『中国の歴史5 中華の崩壊と拡大 魏晋南北朝 』(講談社学術文庫)

講談社公式サイト
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000347867

Amazonリンク
https://www.amazon.co.jp/dp/406521906X/ref=cm_sw_r_awdo_navT_a_TZ3NNAWRDY8AT2XZ4QX5

会田 大輔(Aida Daisuke)研究成果発信用 @aidakenkyuseika

現在の高校世界史教科書をみたところ、山川・実教・帝国では「漢化政策」となっていますが、東京書籍世界史Bでは「中華文明の制度や風俗を積極的に取り入れ」とあり、「漢化政策」を使っていませんでした。現在の教科書でも執筆者によって多少の違いがあるわけです。

2021-11-23 14:03:15
会田 大輔(Aida Daisuke)研究成果発信用 @aidakenkyuseika

現在の研究者も「中国化」「中華化」「いわゆる漢化」「「漢化」」(かっこ付きの漢化)などを使っています。 孝文帝の改革がいつから「漢化政策」と呼ばれるようになったのかについては、堀内淳一「「漢化政策」来源考」(『東洋史研究』79-3、2020)で詳しく論じられています。

2021-11-23 14:03:15

『東洋史研究』79-3 2020
堀内淳一「「漢化政策」来源考」
http://toyoshi-kenkyu.jp/mokuroku/index.html

会田 大輔(Aida Daisuke)研究成果発信用 @aidakenkyuseika

なお、研究者も「いわゆる漢化」や「「漢化」」を使っているように、「漢化政策」という表現が間違っている、というわけではありません。漢人に一方的に同化したわけではない、と一言触れていただければ、それで大丈夫なのです。

2021-11-23 14:03:16
松永弘高🔥かつて、四冊の歴史小説を単行本として商業出版した自営業🐉期するところは捲土重来🏇 @matsunaga_hirot

@aidakenkyuseika 「南北朝時代」拝読いたしました。 中国史に詳しかったわけではありませんが、 「なぜ唐王朝は他文明に門戸を開いていたのか?」 という疑問を解く手がかりを得られたように思います。 北族の自身の文化への誇りと愛着は、もっと語られていいテーマですね。

2021-11-23 14:27:14
松永弘高🔥かつて、四冊の歴史小説を単行本として商業出版した自営業🐉期するところは捲土重来🏇 @matsunaga_hirot

既刊作品:第4作「決戦!広島城」amazon.co.jp/exec/obidos/AS…☆第3作「奥羽関ケ原」★第2作「戦旗 大坂の陣最後の二日間」☆デビュー作「決戦!熊本城」(いずれも朝日新聞出版より)

会田 大輔(Aida Daisuke)研究成果発信用 @aidakenkyuseika

@matsunaga_hirot お読みいただきありがとうございます!隋唐時代を知る手がかりの一つは南北朝時代にあります。北族のアイデンティティーについては、北朝と隋唐で変容しているので、掘り下げると面白いと思います。

2021-11-23 22:05:53
吉屋大樹@世界史グラフと資料 @wh_yoshiyadaiki

買いました(柿沼先生のを先に読んでいるので、まだ未読なのはすみません…) 専門の方からこれほど丁寧に解説していただけると、とても授業の参考になります。ありがとうございます。 twitter.com/aidakenkyuseik…

2021-11-26 18:49:07
吉屋大樹@世界史グラフと資料 @wh_yoshiyadaiki

予備校で大学受験の世界史を教えています。 プロフィール画像は授業に出ている人は分かります。 著書 『大学入学共通テスト世界史B グラフと資料の読み方が1冊でしっかりわかる本』(かんき出版) 『一読でわかる世界史B講義3 近現代史』(共著/駿台文庫) お仕事のご依頼は448.yossy.d@gmail.com@まで

amazon.co.jp/gp/product/476…

満田 剛 @tmitsuda3594

興味深いです。 / 高校世界史と拙著『南北朝時代』1 …… 最初は質問もいただいた孝文帝の改革についてです。教科書では漢化政策、拙著では中国化政策となっています。その理由は?…… twitter.com/aidakenkyuseik…

2021-11-27 14:35:42
満田 剛 @tmitsuda3594

中国・三国時代の史学史を専攻。東京富士美術館「大三国志展」学術アドバイザー。著書に『三国志 正史と小説の狭間』(白帝社)など。また、『「大三国志展」カタログ』、『図解三国志群雄勢力マップ詳細版』(スタンダーズ株式会社)の監修を担当。ブログURLは tmitsuda.blog112.fc2.com (満田剛のブログ)。

researchmap.jp/read0133375

第二回 北朝と南朝の相互の影響について

会田 大輔(Aida Daisuke)研究成果発信用 @aidakenkyuseika

高校世界史と拙著『南北朝時代』2 世界史教科書では、北朝と南朝の概要をうまくまとめていますが、相互の影響関係については紙幅の関係であまり言及していません。拙著では南北朝時代を一体でとらえるため、この点に留意しました。特に孝文帝改革は南朝の貴族社会に大きな影響を受けています。

2021-11-25 23:14:41
会田 大輔(Aida Daisuke)研究成果発信用 @aidakenkyuseika

南北朝時代は、北朝と南朝が激しく戦うとともに、制度や文化面で相互に影響を与えあった時代です。このようにとらえると、南北朝から隋唐にかけて、遊牧民と漢人の文化が混じりあっていく過程が分かりやすくなるような気がします。

2021-11-25 23:19:16

第三回 南朝の皇帝権力と仏教の関係

会田 大輔(Aida Daisuke)研究成果発信用 @aidakenkyuseika

高校世界史と拙著『南北朝時代』3 南北朝時代といえば仏教。各教科書言及しています。特に南朝の仏教は、百済を経て倭に伝播しました。いわゆる聖徳太子や蘇我氏が信仰した仏教は南朝由来なのです。なお仏教のみならず、6世紀に百済から倭に伝来した学術も南朝由来のものが多いです。

2021-11-29 23:06:14
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コメント

talonnade @talonnade 2021年12月8日
小学生の時になぜか家にあった陳舜臣の「中国の歴史」を擦り切れるように見て以来の、中国の南北朝好きなので、この本も買いました。最近ではネットミーム的に有名な宇宙大将軍が活躍する時代ですね。陳舜臣氏の描写ですと、直截な劉裕や、理想主義な苻堅なんかが生き生きとした感じで描かれており、好きな人物です。
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