マーサ・C・ヌスバウム『経済成長がすべてか?』読書メモ集

マーサ・C・ヌスバウム『経済成長がすべてか?―—デモクラシーが人文学を必要とする理由』(小沢自然+小野正嗣訳、岩波書店、2013)の読書メモをまとめました。
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荒木優太 @arishima_takeo

「健康および教育分野における達成と経済成長のあいだには相関関係がほとんどないのです」(ヌスバウム『経済成長がすべてか?』21)。とか言ってますけど…。

2021-12-03 16:54:52
荒木優太 @arishima_takeo

「今日誰もがサリーと一緒に着ているブラウスを発明したのは、タゴールの義姉でした。サリーから身体が見えてしまってはしたなくはないかと女性たちが怯えることなく、自由に体を動かせるものを作ってくれないか、と彼が頼んだのでした」(ヌスバウム『経済成長がすべてか?』136)。え、マジ?

2021-12-04 18:41:53
荒木優太 @arishima_takeo

ところでサリーってなに?

2021-12-04 18:42:16
荒木優太 @arishima_takeo

アマルティア・センの母親はタゴールの学校の出身らしい。へぇー。

2021-12-04 18:43:30
荒木優太 @arishima_takeo

「日本の映画監督である宮崎駿の野生的で奇想天外な映画は、より優しく、より微妙な善悪観を内包しており、そこでは、良心的な人間と環境との関係といった現実的で複雑な原因から危険が生じることもあります」(ヌスバウム『経済成長がすべてか?』47)。ジブリ好きなヌスバーさん。

2021-12-04 19:05:55
荒木優太 @arishima_takeo

ヌスバウム『経済成長がすべてか?』読了。『21世紀の道徳』で論じられていたので読んでみた。特にタゴール、デューイの参照が目立つ。

2021-12-04 19:07:45
荒木優太 @arishima_takeo

経済成長のために芸術関係の予算が減らされると民主主義にも悪影響を及ぼすよ、と。いってることは分かるが、経済成長派は、成長によってこそ芸術に関わろうとする関心・時間が生まれるのだ、と返すだろうから平行線なのでは。

2021-12-04 19:11:19
荒木優太 @arishima_takeo

言い換えると、多くの経済成長派は別に文学や芸術を敵視してなくて、単にそれよりも基礎的なところを手当てしなきゃいけないでしょと考えるのに対して、反経済成長派はその優先順位自体に臆見があると考えるから、もうどうにもならないんじゃね?と思った。

2021-12-04 19:14:46
荒木優太 @arishima_takeo

経済成長派はみんな幸せになれるのにこんなに反発されるんだろう、とか思うだろうけど、経済的に豊かだろうがなんだろうが、人間のもつ学習能力と関心は有限なんだから(アテンション・エコノミー!)、経済成長がイシューになること自体がある陣営にとっては挑発的にうつるわけで。

2021-12-04 19:19:02
荒木優太 @arishima_takeo

結局は経済成長派も有限なものの奪い合いで勝利せねばならない、という。悲しいね。

2021-12-04 19:21:30
荒木優太 @arishima_takeo

原著は2010年なんで、オバマ政権の芸術民主主義についての無理解で割とおこな状態だが、そのあとにはオバマ以上に芸術に理解のなさそうなトランプ大統領が爆誕するわけで、ヌスバウムさん的にはいまどんな感じなのかね。怒りすぎて体調崩してないか心配ですけどね。

2021-12-04 19:24:46
荒木優太 @arishima_takeo

あと、直接の感想じゃないけど、ヌスバウムさんはマルクス・ガブリエルさんと対談して欲しいけど、誰か企画してないの? 超話がかみ合うところと、(ハァ? こいつ、なにいってんの?)って互いに思い合う不穏な感じがでて、おもろそうじゃん?

2021-12-04 19:27:52