警察活動の裏

警視庁は素敵な人で溢れてる！(元警察官) 【警察人生の思い出話】 @ittelkeibuho

暴君 No.1 盗犯捜査員の時の上司(警部補)は当時29歳でエリートコースまっしぐら その上司が非番の日 その日の私は午後に神奈川県の商業施設まで参考人の調書を取りに行く予定だった 非番なのに凄く上機嫌 机の中からディズニーランドのチケットを出し「今から家族と行くんだよ」と凄く嬉しそう

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暴君 No.2 上司が帰り支度を始め私に 「もう出れる？」と言ってきた パソコンを署外に持ち出す際には幹部から決裁を貰うのがルール 午後の予定だったのでまだ決裁を貰ってないので出られないと伝えると みるみると顔が赤くなり怒りのスイッチが入ったのがわかった ここから怒涛の叱責が始まる

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暴君 No.3 「ふざけるな！なんで決裁貰ってねぇんだよ」 「先の事考えて仕事するのが普通だろ」と大激怒 上司は神奈川県在住 調書を取りに行くついでに自宅まで送って欲しかったからだと思った この上司はいつも自分の都合で人を使う意地悪も酷く周りの捜査員からも嫌われていて暴君と呼ばれていた

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暴君 No.4 これ以上機嫌が悪くなると周りにも迷惑がかかるので直ぐに決裁を貰い出発することにした 上司を車に乗せ神奈川方面に向け車を走らせた すると 「ちょっとどこ向かってるの」と言うので 「自宅ですよね」と答えると 「ディズニーランドに行くって言ったじゃん」 そのまま浦安まで送らされた

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暴君 No.5 暴君の我が儘にうんざり 部下も公用車も自分の都合で使うのは当たり前 若くして階級を手に入れると人格が変わるのか変な奴が多いと感じた 頭さえ良ければ人間性を問わずに幹部になれる組織だから仕方ないのかもしれない でも最後は悪評が署員に伝わり誰からも相手にされなくなっていた😁

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想定外 No.1 暴力団事務所へのガサ 時には嫌がらせでやるガサもある 何も証拠資料が無いと思う事務所にもガサをする アピールガサ この日向かった場所も殆んど機能してない組事務所 だから誰もが何も無い形だけのガサだと思っていた 捜査員５人で事務所へ 組対四課の人達を先頭にチャイムを鳴らす pic.twitter.com/ocNMJ09pKf

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想定外 No.2 普通なら簡単にドアを開けることはない でもこの日は普通にドアが開き30代の組員らしき男が二人 「お疲れ様です」と言って頭を下げ我々を招き入れた やけに素直 ガサ情報が漏れてるのが普通の世界 情報が漏れてるなと感じたくらい簡単にドアが開いた いつも通り玄関先で令状を提示した

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想定外 No.3 その瞬間１人の男の顔色が変わり暴れ始めた この男は寝起きで寝ぼけておりドアスコープで見えた捜査員を組の幹部と勘違いしてドアを開けた 確かに組対四課の捜査員の格好は暴力団員みたいだから間違えても仕方ないが全くの馬鹿で助かった 取り敢えず事務所に入ったからにはガサに着手

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想定外 No.4 男に直ぐに終わらせて帰るからとなだめガサを始めた 何も出てこない事を前提にそれぞれ適当に 私は暴れた男を事務机の椅子に座らせ男の動きに警戒しながら取り敢えず事務机の中を捜索する事にした 大きい引出しの中には何もない 組員も落ち着かない様子で私の動きに合わせて視線を移す

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想定外 No.5 次に右の一番上の引出しを開けた 中に茶封筒が入っていた 茶封筒に手を伸ばし中身を見たらオレンジ色の錠剤がパンパンに入っている それを見た瞬間 あれ？もしかして･･･まさか 何も無いって言ってたし 気のせいだな と言い聞かせ疑問に感じながらも一旦茶封筒を引き出しに戻し閉めた

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想定外 No.6 そしてチラッと男を見ると 懇願するような目で私を見ている しかも顔色もさっきよりも悪くなってる あー薬物かぁ この時に今日はもう帰れないと確信した もう一度引出しを開けて茶封筒を手に取り男に中身を聞いた 知らねぇよと言って騒ぎ始めたが直ぐに観念した様子でうなだれた

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想定外 No.7 他の茶封筒の中を見たら白色結晶とパケも出てきたのでその場で予試験すると覚醒剤の陽性反応が出た その場で覚醒剤所持で現行犯逮捕 本件の事件解決に力を入れている中での想定外の検挙 この検挙で数名の捜査員が本件から外れる事になってしまう この時こそ誰も喜ばない検挙だった

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想定外 No.8 年配の捜査員も直ぐ終わると思っていたのにまさかの検挙 最後にはそのイライラが発見した私に向けられ 自分もその場にいたのに最初の扱いが悪いと理不尽な難癖を付けてくる こんな目に遭うなら見なかった事にしたら良かったと思うくらい💦 時にはタイミングの悪い検挙もある事を知った

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合摘 No.1 警察署は入管、組対一課と共に外国人を雇用する店舗等に赴き店舗責任者や外国人の不法就労の摘発を目的とした合同摘発を実施することがある 通称【合摘(ごうてき)】 外国人を雇用する風俗店があると部下が情報入手してきた 自ら店に行きサービスを受け情報を入手してきたただの風俗好き

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合摘 No.2 当日は入管職員含め20名近く召集された 段取りは私が客になり入店した直後に係長達が突入 他の客と混同しない様に明るめの灰色スーツ 係長に今日はこの服装なんで宜しくお願いしますと念押し 店は雑居ビルの一室で常に鍵がかけられており摘発を逃れるためか受付が離れた場所にあった

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合摘 No.3 受付を済せ間もなく入店する旨を係長に伝えた 係長達は店の非常階段に身を潜めて突入する時期を見計らっている 店員が入口の鍵を開けた いざ入店 本来の段取りならこの時点で係長達が突入してくるが 来ない 全然来ない 店員が入口に鍵を掛けた これでもう店に入る事が出来なくなった

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合摘 No.4 店員が私を個室に案内する このまま個室に入ればサービスが始まってしまう💦 不安の波が押し寄せると共に怒りが混み上げてきた 個室から出て急いで入口に向かい鍵を開け外に出て 「なんで入って来ないんだ」 と怒りの叫びが出た その叫びを聞いて係長達が慌てて突入してきた

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合摘 No.5 その後摘発は無事に終わった 結果は従業員１人を資格街活動で検挙 他の従業員は全員日本人配偶者 思ったより結果が悪かったがそれ以上に怒りが収まらない 係長に何故入って来なかったのか聞くと 「服の色が違ってたから違う人だと思った」 そんな馬鹿な… ちゃんと言ってたのに意味ない

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警衛 No.1 上皇が天皇陛下の時 警衛に何度か従事したが一度だけ私の配置場所で車列が停車した 車列は一般道では信号操作をすることで目的地まで停車することなく走行するのが普通 停車した理由は信号操作担当の主任が誤操作してしまい青信号に変えられなかったのが原因

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警衛 No.2 警衛方法は背面警備 歩道からの不法行為を防ぐため車列に背を向けて立つ その時の天皇陛下の住まいは赤坂御所でこの頃は頻繁に警衛勤務があった 車列の道順はほぼ官庁街でわざわざ車列を見に来る人もいないとても楽な警衛 この時は歩行者すらいなかった

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警衛 No.3 そんな状況の中、無線機から 「信号早く変えろ、もう車列通過するぞ」と怒りに満ちた声が響く そのうち背後に黒塗りの車がゆっくり停まった 警衛従事中に車列を見ることは御法度だったが状況を確認するため伏し目がちに車列を見た その時に車の後部座席に座っている女性と目があった

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警衛 No.4 その方は皇后陛下美智子様だった 部隊長でなければ敬礼してはいけないと聞かされていたので軽く会釈しようと思った矢先 美智子様が微笑みながら先に会釈をしてくれた まさかこんな私１人に対して挨拶してくれるとは思わなかった あの微笑みは神がかってた あの時の感動は忘れられない

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誤認 No.1 交番勤務員が挙動不審者を確保 建物の周りをキョロキョロしながら行き来している男性を職質 意味不明な言動をしていたので本署に同行してきた 取調室でも何かに怯えている様子で 話す内容も支離滅裂 そして額からは汗が まさにシャプ中の症状 でも所持品からはシャブは出て来ない

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誤認 No.2 あとは採尿して鑑定結果に基づいて緊急逮捕するしかない 採尿には素直に応じたが鑑定に必要な規定量に達しなかった 規定量に達しないと本鑑定に出すことが出来ず緊急逮捕することが出来なくなる 男性は地方に居住しておりこの時を逃したら今後の捜査に影響が出ると思ってしまった

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誤認 No.3 何度も排尿を促すが全く出す気配がない その間も男性の額から大量の汗 挙動もおかしい そのうち焦りが出て 水を飲ませるしかないと思い相手の意に反して水を飲ませ続け最後には 飲んだ水を全部吐き出させるまでに至ってしまった 同行してきた警察官達からも諦めている様子が伝わってくる