「背水の陣で望んでも」かなりの高い確率で失敗する。

マンガ家になりたい人へ、山本貴嗣先生(@atsuji_yamamoto)と喜多野土竜先生(@mogura2001)の御発言
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lakehill @lakehill

「背水の陣で望んでも」かなりの高い確率で失敗する。むしろ、きちんと保険をかけリスクヘッジをしといたほうがうまくいくことが多い。 他のすべてを捨て一点に賭けるでうまくいくのは漫画のなかだけ

2011-08-30 01:41:28
lakehill @lakehill

まあ、だから小説家になるために会社をやめるみたいなことをやらないほうが......

2011-08-30 01:44:25
lakehill @lakehill

ワナビーに夢を諦めさせることが必要と思う大人は多いがまあ逆効果。大人がやるべきことはリスクヘッジを当人にとらせること。リスクヘッジだけはきちんと取らせて当人が納得するまでやらせる方が良い

2011-08-30 01:47:09
山本貴嗣 @atsuji_yamamoto

あくまで私の見てきた範囲の話ですが、背水の陣でマンガ家になるんだ!とか言って勝算もないのに学校やめちゃったりする人はたいがい早まってます。おまえの才能でやめてどうする、みたいな例が多いです。在学中に売れっ子になって結果的に学校行くヒマがなくなって中退という友人はいますがw

2011-08-30 11:41:39
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

金言。RT @atsuji_yamamoto: 背水の陣でマンガ家になるんだ!とか言って勝算もないのに学校やめちゃったりする人はたいがい早まってます。おまえの才能でやめてどうする、みたいな例が多いです。在学中に売れっ子になって結果的に学校行くヒマがなくなって中退という友人はいます

2011-08-30 11:43:07
山本貴嗣 @atsuji_yamamoto

私の場合たいした才能も無いので一応きちんと卒業しました(学校行かせてくれた親にせめて卒業証書くらいは返したいというのも)。ちなみに4年生の秋には平凡パンチ(今は無きw)で週刊連載やってました。もっともマンガ家でやって行けるのであれば学歴なんかなんの関係もないですけどw

2011-08-30 11:45:39
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

@atsuji_yamamoto 藤子F先生とか横山先生とかのエピソードが誤解されているんでしょうね。確かに背水の陣でしたが、そもそも一度はプロデビューしたりアマチュアとして既に評価を受けていたりと、立場が違いますしね。ちば先生や平田先生は覚悟以前に食うのに必死でしたしね。

2011-08-30 12:03:00
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

01)山本先生のツイートを、自分なりに発展させて。例えば、日頃から会社に不平不満を漏らし続け、その事で会社の立場がなくなって追い詰められて辞めるタイプか、愚痴り続けてもなかなか辞めないタイプとにわかれますね。でも、本当に辞める人間は、そんな愚痴は言わないもんです。

2011-08-30 12:17:01
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

02)入社した会社が自分の望んだ内容でないからと、すぐに見切りは付けますが、どんな会社でも実務的には学ぶべきことはあるわけで、それを身につけようと思ったら、だいたい3〜5年が一区切りになります。履歴書の職歴も、3年働いていないと書けないのと同じ。できる奴は3年は在籍するもの。

2011-08-30 12:19:58
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

03)自分が望む内容の会社に再就職するには、何が必要かを考え、語学なり資格なりの専門学校に通って実力をアップさせ、求人情報をチェックし、自分が辞める覚悟を固めていることを悟られないように、細心の注意をはらうので、辞表を出したときには周囲に驚かれるというのがほとんどではないかと。

2011-08-30 12:23:13
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

04)入社して3日・1週間・1ヶ月・1年で辞める奴と、3年なり5年なりの区切りの中で、準備万端整えて辞める人間とは、内容は似て非なるものだと思います。「背水の陣」とか「覚悟」という言葉に酔っ払う人間がいますが、覚悟とは辞表を出すなんて突発的で安易な行為の覚悟なんて、底が浅いです。

2011-08-30 12:26:13
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

05)覚悟とは、これからの3年間で自分の地力を上げるために何らかの継続的努力や節制、我慢を己に課し、それを完遂する覚悟こそが、本当の覚悟。自分の知り合いを見ても、海外でMBAを取るために準備するとか、会計士の資格を取るためにとか、ビジネスのために英語と中国語を学んだりとか、多様。

2011-08-30 12:30:13
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

06)この業界で多いのは、たまたま出したラノベの新人賞で入賞デビューし、会社辞めたけれど新作が書けず貯金を1年で食いつぶしたとか、編集者から作家になったとかのパターン。そこで挫折する連中の、共通パターンがあります。作家になって先ず最初にするのが、自分の名刺を作ること。

2011-08-30 12:32:52
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

07)サラリーマンやってた人間は特にそうですが、組織に所属する安心感に、無意識にすがる部分があるわけで。電話などで「●●と申しますが…」「どこの●●さんですか?」というやり取りをしたときに、なんの肩書きもない自分の、寄る辺なさを、ヒシヒシと感じさせられるわけです。

2011-08-30 12:35:47
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

08)そこで「作家」という肩書きにすがるように。名刺に「作家 喜多野土竜」とか書いてあると、自分が間違い無く作家になったような気がする・確認できるわけです。新聞記者を辞めたのに、名刺に新聞記者と書き続けたジャーナリストがいたそうですが、一種の権威主義というか肩書き主義というか…。

2011-08-30 12:39:01
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

09)落語で、一斗酒を飲めるかという賭けで、自信がないので先に一斗飲んでみて、これなら大丈夫と賭けに乗った……なんてネタがありますが。葉隠じゃあるまいし、即断行動を尊ぶのは結果を軽視する態度に繋がります。会社を今すぐ辞めることではなく、作家と呼ばれるに足る実績を残せるかが大事。

2011-08-30 12:42:21
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

10)マンガを描く作業は大変ですが、仕事をしながらでも書き上がる根性がなければ、プロになって毎月の仕事はこなせないんじゃないでしょうかね。毎日午前様の残業の中、会社のトイレに現行道具一式を隠し、トイレに行くふりをして3分とかの時間を惜しんで、原稿描き上げた人を、自分は知ってます。

2011-08-30 12:45:25
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

11)んじゃあ、あんたの場合はどうだと言われれば、普通はどこかでデビューが決まったり、編集のコネで仕事が決まってから辞めるんですが、当てのないまま辞めました。おいおい、まさに背水の陣じゃねぇかと言われそうですが、孫正義さん同様「根拠はなかったが確信があった」状態?

2011-08-30 12:50:27
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

12)3年やってダメなら、大学院に入りアカデミズムの世界を目指す・ブラジルで柔術修業し紫帯り田舎で道場開く・鍼灸と整復師の資格を取る、その後の選択肢は複数ありましたしね。24時間原作書くわけでもなし、並行しながらできることは多いです。実際、大学講師と紫帯は間接的に達成したし。

2011-08-30 12:56:27
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

13)今は精神的成熟度が遅くなっているのでなんですが、マンガ家なら27歳、作家なら35歳がひとつのハードルになるように思います。35歳でマンガ家とか、45歳で脚本家デビューとか、例外もそれなりにありますが、この年令を超えると、センスが急速に古くなる気がします。

2011-08-30 13:00:38
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

14)センス関係ない作風もありますが、一般的なジャンルを狙うマンガ家なら、服装とか小物とかちょっとした言葉のセレクトとか、26歳ぐらいまでなら何も考えなくても皮膚感覚で吸収できたものが、ずれていくような…。作家になってしまえば、情報吸収にドップリひたれるんで関係なくなるんですが。

2011-08-30 13:03:34
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

15)サラリーマンから作家転向組は、現役で大学卒業して社会人経験10年だと32歳、2浪とか1浪1留とかの人間も含めて、転向するのでここらへんのデビューが意外と多いので、出版社側も若さを求めない。むしろ、社会人経験があれば作家で挫折しても社会復帰できるだろう……ぐらいの安心感も。

2011-08-30 13:07:43
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

16)学生デビューして作家一本、という立場の人はやっぱり圧倒的才能があると思うけれど、個人的な経験や編集仲間の意見を総合すると、社会人経験者は才能で劣っても、追い詰められたときの打たれ強さ・しぶとさ・したたかさはある、とう気がします。社会を知ってる強みは、あると思いますよ。

2011-08-30 13:11:44
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

17)背水の陣、というと格好良いけど、中国の長い長い歴史の中で、成功した事例は稀少。少ないからこそ、成功したときはその意外性から記録されるわけで。戦前の日本は、背水の陣を敷いていなかったか? 女学生動員し歴史ある鐘を鋳潰し、これ以上ないぐらい背水の陣だったけど……惨敗でしたよね。

2011-08-30 13:16:32
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

作家になりたい病の人には、『ラジオ版学問のススメ』の清水義範先生の回(2008/2/10放送分)が、かなり参考になるはずです。清水先生の場合は、出社拒否症になるぐらい、作家になりたかった人ですしね。 http://t.co/byUJvJu

2011-08-30 13:59:13