新型コロナウイルスのオミクロン株での死亡者はゼロらしい(2021/12/13 23時現在)。オミクロン株の実効再生産数はデルタ株よりずっと高い。南アでは12月10日に100%になった。しかし...判断は尚早。ただし背後には「理屈」がある。という解説のまとめ。

オミクロン株について、疫学的データからわかること、そしてタンパク質の構造からわかること、に関する考察をまとめました。 追記:2021年12月13日23時13分の時事通信報道によれば、オミクロン株で初の死亡者が英国で出ています。 https://www.jiji.com/jc/article?k=2021121301058 【オミクロン株感染者死亡 英で1人、初確認】2021年12月13日23時13分 続きを読む
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MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

オミクロン株での死亡者はゼロらしい。 オミクロン株の実効再生産数を推定したところ、デルタ株よりずっと高い。流行するし、南アでは12月10日に100%になった。 しかし南アの死亡者数(人口割合)は、1.5ヶ月も横ばいのまま。むしろ低下 しているように見える。判断は尚早だがこれは何を意味するのか。 pic.twitter.com/HgxThP39TX

2021-12-13 10:38:44
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MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

デルタ株の占有率の推移は、どの国も驚くほど似ている。 比率にしてしまうと、種々のエラーがキャンセルして、高い信頼性を示す。それがよく分かる、という結果であると私は思う。相対誤差は、占有率20%〜80%の範囲では、+/-数%程度。 データ出典:ourworldindata.org/explorers/coro… pic.twitter.com/7dzZ8r9XSl

2021-08-10 23:58:46
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MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

変異株の置換の速度は、ワクチン比率に寄らず、株の実効再生産数の差(または比)だけで決まる、という法則がある(「水野の法則」(苦笑)と呼ぶ^^)。図のような計算が可能。ただしワクチン効果も込みの数字しか分からない。 仮に今の実効再生産数Rt=1.0とすると0.7も大きい。これは大流行を意味する。 pic.twitter.com/DE07nQJcZF

2021-12-13 10:58:15
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鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@y_mizuno まさに、進化戦略ですね。 感染力が強いので、感染は拡大するが、感染者は無症状か軽症が多いので、感染しても、気づかずに動きまわるから、ますます感染が拡大する。 いわゆる、感染拡大に伴う弱毒化ですね。 SARSは、強毒だったので、直ちに収束して、弱毒化しませんでしたけど。

2021-12-13 10:50:22
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@y_mizuno で、弱毒化も、実際には2種あって、ウィルス自体の弱毒化と、宿主側の免疫獲得による、見かけの弱毒化です。 ワクチン接種は後者に関わりますね。 南アは、ワクチン接種が進んでないのに、オミクロン感染での死亡者がでてないなら、前者のウィルス自体の弱毒化になるでしょう。

2021-12-13 10:55:06
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@y_mizuno デルタもオミクロンも夏型で、ウィルスは従来株などより親水性で、飛沫がエアロゾル化しにくいので、肺の奥に到達しにくく、上気道感染が中心。ただ細胞感染力が強いので、上気道で増殖しやすい。だから、感染力は強い。 で、デルタに対する上気道の粘膜免疫に対して、オミクロンは逃避型のようです。

2021-12-13 11:01:11
こばんざめ @kz0217

@y_mizuno 時期尚早ですが、「コロナがただの風邪になりつつある過程」と言えるといいですね。

2021-12-13 10:58:56
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

@kz0217 ですよね〜。これを、こういう図でもって報道してもらいたいものです。

2021-12-13 11:01:25
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@y_mizuno で、ちょっと気になるのは、南アは、真夏ですが、北半球は、真冬なので、とくに日本は、乾燥してます。 で、オミクロン株は夏型だけど、やっぱり、空気が乾燥していれば、飛沫はエアロゾル化しやすく、肺に入りやすいですから、とくに感染者はマスクして、飛沫を飛ばさないようにしないといけません。

2021-12-13 11:05:16
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@y_mizuno 南アは、冬にデルタが感染拡大したので、南アの人の多くが、デルタ株に対して上気道の粘膜免疫を獲得しているはずですが、オミクロンに対しては、その上気道のデルタ免疫があまり効果がないので、夏になるに従い、オミクロンに置き換わったと言う話ですね。

2021-12-13 11:09:46
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@y_mizuno まあ、粘膜免疫はワクチンでは誘導されませんから、ワクチンは、今後あらゆる株にたいして、重症化予防としては有効ですが、感染拡大抑制効果はあまり期待できませんね。

2021-12-13 11:11:36
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

@KentaroOnizuka すごい洞察ですね。よく分かりますね。(どこかに書いてある考察ですか?独自ですか?)

2021-12-13 11:29:47
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@y_mizuno スパイクタンパク質の表面のアミノ酸残基の変異で、親水性になったか疎水性になったか、で飛沫のエアロゾル化のしやすさを考えているのは、私はそれしかできないから、昨年からやってますが、他の人がやっているのはないですね。 タンパク質構造屋としては常識なんですがね。

2021-12-13 11:35:21
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@y_mizuno で、南アでの春のデルタ収束後の急速なオミクロンへの入れ替わりは、まさに、オミクロンがデルタ免疫に対して逃避型だと、いうことです。南アはインド、日本、インドネシアと同様にデルタはかなり感染拡大して、集団免疫になっていたはずですから。

2021-12-13 11:39:16
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

@KentaroOnizuka いや、論旨明快。快刀乱麻でございますね(私には)。理屈がわからないと、頑張れないのではないですかね(マスメディア的には理屈がない方がいいでしょうが)

2021-12-13 11:42:00
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@y_mizuno はい。世界各国の感染状況を見ると、だいたいわかってきますね。 例えば、韓国が現在かなり感染拡大してますよね。デルタでしょうけど、この理由とか考えると、、、ですね。

2021-12-13 11:42:18
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

@KentaroOnizuka 少し分かってきました。ご教示感謝です。

2021-12-13 11:43:13
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@y_mizuno 例えば、E484Kとかの変異を見ると、スパイクタンパク質の484番目のアミノ酸がグルタミン酸(E)だったのが、リジン(K)に変異している、と言うことで、グルタミン酸は負電荷ですから、親水性、リジンは正電荷だから、やっぱり親水性だけど、電荷が逆になったら、抗体との相互作用がかわる、、、

2021-12-13 11:49:24
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@y_mizuno から免疫逃避になるかもしれないけど、親水性ではあるから、抗体ってもともと親水性の部分にはくっつきにくいから、親水性の部分は抗体がくっつくコアな場所ではないから免疫逃避もそれほどではないかな、とか、親水性の度合いに変化ないから、エアロゾル化のしやすさも変わらないかな、とか考えます。

2021-12-13 11:52:52
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@y_mizuno で、そもそも、アミノ酸残基が変異するのは、RNA配列のコドンが変わるからで、しかも、一回の変異では、RNA配列が一箇所かわるだけなんで、その関係から、だいたい似たアミノ酸になるように進化的に最適化されてまして、そう言うところから、変異の意味と進化の方向を考察します。

2021-12-13 11:57:15
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@y_mizuno とりあえず、変異が出てきたら、アミノ酸の性質を調べて、電荷と疎水性とか親水性の度合い、あと、大きさと硬さとか見て、変異でどう変わるかを推定すると面白いですよ。それで、変異株のだいたいの性質が分かります。 ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2…

2021-12-13 12:07:06
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

@KentaroOnizuka だいぶ、教えていただきまして、ある程度、分かってきました。ありがとうございます。

2021-12-13 12:59:34