小島庸平『サラ金の歴史』読書メモ集

小島庸平『サラ金の歴史』(中公新書、2021)の読書メモをまとめました。
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荒木優太 @arishima_takeo

ジェンダー論を大きく取り込んでいるのがこの本の大きな強みだね。 a.co/fhJhMKU pic.twitter.com/gSo8NzMEvI

2021-12-12 18:55:17
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荒木優太 @arishima_takeo

サラ金の取り立て業が感情労働だって指摘は面白いね。ホックシールドがいうように、感情労働は女性に押し付けられがちなところがあるが、サラ金では逆転していて、受けつけは女性(仏の顔)・取り立ては男性(閻魔の顔)で性別化されている。

2021-12-14 22:51:50
荒木優太 @arishima_takeo

いや、厳密にいうと、借金の受付も感情労働であって、正負二つの感情が性差で分担されているって感じか。

2021-12-14 22:53:38
荒木優太 @arishima_takeo

小島庸平『サラ金の歴史』読了。面白かった。特徴は二つ。一つは男性共同体でのメンツを保つために素人金貸しが始まっていたり、独立した収入を持てなかった主婦にターゲットすることで業界が大きくなってきたというジェンダー論の取り入れ。

2021-12-15 10:38:09
荒木優太 @arishima_takeo

もう一つは、いうまでもなく借金が返せず自殺するような不幸な例が多々あったものの、そういう利用者=被害者の視点ではなく、より中立に内在的な金貸し業の歴史を描こうとするところ。

2021-12-15 10:42:26
荒木優太 @arishima_takeo

性急な批判は、民族差別を助長し(シャイロック問題)、貧窮した個人にとって消費者金融が結果的に最良のセーフティネットになってしまっている現状について冷静に判断できなくなる。なんかの賞を取ったはずで、普段はそういう基準で本を選んだりしないが、これは当たりだった。

2021-12-15 10:44:24