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英語の成句「see the wood for the trees」は通常「you can't see the wood for the trees」のような形で使われ、woodはforestという語も使われますけど、日本語ではだいたい「木を見て森を見ず」と訳されることになっています。木=細部、森=全体ですね。
2021-12-15 15:34:41日本語の意味としては「細部を見ていると全体が見えなくなる(ということの戒め)」として流れています。英語でも「森」と「木」が使われてるから、同じような意味だろうと思うんだけど、この「for」がどうもよくわからない。
2021-12-15 15:35:18通常は「○○のために」「○○へ向かって」という日本語が当てられるものですかね。「木のために」「木に向かって」……? 「to」とどこが違うの?面倒くさいので「for the trees」を取っ払って日本語化すると「森を見ることはできないものである(この場合の「you」は日本語化しないのが普通)」。
2021-12-15 15:36:26「見る」は「理解する・わかる」でもいいけど、直訳的にしておきます。そうすると「木を目的として森を見ることはできないものである」……それって「森を見て木を見ず(全体を見るには細部を見ることが必要)」という意味なのでは、という疑問。
2021-12-15 15:37:50なんでそんな疑問が出てきたかというと、とある英語圏のミステリーでこのセリフをいう刑事が、もっと現場をよく見てみろ、細かい証拠物件から真犯人の像が浮かんでくるだろ、と、別の刑事に言う場面があるんです。つまり文脈的には「細部をよく見ることで全体がわかる」、木をよく見ろ、という意味。
2021-12-15 15:39:14どうして「木を見て森を見ず(見ないのはだめ)」と「森を見て木を見ず(見ないのはだめ))」とが意味的に一緒になるかというと……わかりません。多分「木を見ても森はわからない」と「森をわかるためには木を見ないといけない」がほぼ同じだからかな。
2021-12-15 15:40:23もちろん、名探偵の中には、チェスタトンのブラウン神父のように「森」を見て真実に近づくタイプもいます。ただ、日本語だと「重箱の隅をつつく」とか、小さいことにこだわることについて肯定的な成句ってとっさには出てこないんですよね。
2021-12-15 15:41:49がんばって脳内かき混ぜて出てきたのは、「神は細部に宿る」という非日本語から生まれた成句をひとひねりした「真実は細部に宿る」かな。「悪魔は細部に宿る」という成句もあります。
2021-12-15 15:42:06