ルドルフ vol.8『その犀はひとり行く』感想まとめ

擬態系絵描きさん @16jjRgEfAz5gyUf

＃ルドルフ ＃その犀はひとり行く 戦場自体のシーンを大胆に省きながらも宮中の権力争いや戦による血生臭さが匂う所はとても感心しました。時代劇で武士を扱えばメインで置かれがちな戦闘、殺陣を使いがちな作品が多い中でこれは新しい魅せ方かも知れない。平家物語の仏教視点の面がよく表れ現れていた

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＃ルドルフ ＃その犀はひとり行く 登場人物達も平家物語の中の人物に相当する様にスライドされて作られている。「衣装なんかぶっちゃけ洋服」だし「銃まで出てきている」がそれでも時代劇で平家物語を直感させた。そんな事をしたら下手したらお寒く事故る手法の筈だが、舞台装置と照明の妙もあり抜群。

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＃ルドルフ ＃その犀はひとり行く 大体に絶妙なバランスのスライドの中に平家物語の軸でもある「諸行無常」と「盛者必衰」が漂う。その世の春をうたう雲上人の作る理の勝手で殺される人間、その法に従い礼を持って執行する武士である昌景。世が変わり咎人となる昌景。今も誤解の深い「他力本願」の物語

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＃ルドルフ ＃その犀はひとり行く 昌景は法や礼を護らんとする真面目な武士。自分が人を殺したくて戦に出る訳でも無ければ刑を執行する訳でも無い。そういう家に生まれた。それだけである。冒頭に個人的恨みのカケラも無い女を罪人として処刑し、その女の持っていた神像に心惹かれる昌景。心臓、新造…

擬態系絵描きさん @16jjRgEfAz5gyUf

＃ルドルフ ＃その犀はひとり行く （続き）冒頭で物語の鍵となる神像は「アシタバの神」と呼ばれていた。僧侶の玄海は「邪教」と言い放ち「信じれば悪人でも救われると説く」故に「悪人どもが信じて悪行をする」と言う。下敷きは阿弥陀像だな。悪人はそういう意味では無いんだが…今も昔も誤解されがち

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＃ルドルフ ＃その犀はひとり行く 「アシタバの神の布教」をした人物は浄土宗系の僧侶が下敷きだろうと観る（当て嵌めるの楽しい…）。鎌倉時代…流刑にされた浄土宗の大看板は法然さんの時代。釣りをしていた人物はその系譜の僧侶（釣りしてたな…親鸞さん？）か法然その人か？その辺も面白かった。巧

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＃ルドルフ ＃その犀はひとり行く 解説するに浄土宗の台頭は平地に寺が建てられハイクラス以下の者達に「口頭する念仏」で救われる新しい仏教の登場であった。修行や寄進で信仰の強さを示すのでは無く、それまでの山奥で行き着くまでが既に修行みたいな寺では無い仏教が現れた時代。他力本願は邪教扱い

擬態系絵描きさん @16jjRgEfAz5gyUf

＃ルドルフ ＃その犀はひとり行く 「他力本願」は本来は阿弥陀如来の慈悲により念仏を唱える「自力で浄土まで行けない迷える人間を救う」もので、「悪人」とは「因果により罪を重ねるしかない者」の事で「好きで罪を重ねたり殺す者」ではありません（当時の差別階級、ケガレの身分、漁師や猟師の事）

擬態系絵描きさん @16jjRgEfAz5gyUf

＃ルドルフ ＃その犀はひとり行く 昌景は家の因果により人を殺す事を繰り返すしか無かった。武士の家系。その上の身分の雲上人は自ら人を殺す事は無い。ケガレが憑くと信じていたからだ。悪人とは何か？昌景は深く深く悩み迷う。人の作る法とは何か？昌景個人を軸に実は現代にも通じる普遍の物語である

擬態系絵描きさん @16jjRgEfAz5gyUf

＃ルドルフ ＃その犀はひとり行く 冒頭で雲上人の法に基づき誇りを持つべく礼を尽くし刑を執行しようとする昌景。殺す女はアシタバの神の信仰を持っていた。その神像に祈り死んでいく女。世が変わり今度は昌景が罪人として処刑される時、彼はアシタバの神に「おすがり」し殺される。「因果応報」の物語