アニメ界を代表する監督たちとSF界の大長老たちの奇跡の遭遇

高橋望プロデューサー(@nozomut)の小松左京氏追悼tweetをまとめさせていただきました。
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高橋望 @nozomut

8月は、公私共にいろいろあり、なかなかつぶやくこともできなかった。少し余裕が出来たので、まとめてつぶやいてみたい。何かというと小松左京先生に関してである。実に時期を逸しているがご容赦を。

2011-08-31 19:39:04
高橋望 @nozomut

【追悼・小松左京】小松先生には、何かのSF大会で遠くから見たことを別にして、一度だけお会いしたことがある。2005年7月の「HAMACON 2」(横浜で開かれたSF大会)の時だ。押井守監督の「立喰師列伝」のプロモーションのための企画があったため参加していた。

2011-08-31 19:45:58
高橋望 @nozomut

【追悼・小松左京】企画が終わって、アイジーの人たちと一緒にホテルのロビーで談笑しているときに、突然、一人の老人が乱入してきた。いや、乱入としかいいようがない状況であった。老人は開口一番こう言った「君たちもSFものか」「君たちは、いったい何にゴーチンされてSFものになったんだ?」

2011-08-31 19:48:43
高橋望 @nozomut

【追悼・小松左京】一同、何がおきたのかわからず唖然・呆然。そのとき、隣に座っていた押井監督が、僕の服を引っ張って小声でささやいた「小松左京だよ」と。後にも先にも「緊張した押井守」を目撃したのはこのとき限りである。びっくりして何も言えず、もちろんほかの人も同様。

2011-08-31 19:53:13
高橋望 @nozomut

【追悼・小松左京】いつも饒舌な押井監督が緊張のあまり沈黙している状況で、それを破ったのは誰あろう、庵野秀明監督であった。たまたま、現地で出会い合流していたのである。彼は、(正確な記憶ではないが)「僕がSFを好きになったのは、アオゾラ市のものがたり」です、と。

2011-08-31 19:59:24
高橋望 @nozomut

【追悼・小松左京】それを聞いた老人(というか小松先生)は破顔一笑。「おお、それはオレのだ」(すみません、僕は未読でした。空中都市008の原作にあたる児童小説らしいです)。小松先生はそれで機嫌がよくなっのか、どかっと中心に座り込み、われわれにいろんな話をしてくれた。

2011-08-31 20:03:34
高橋望 @nozomut

【追悼・小松左京】僕も、せっかくだから何か話そうと思い「日本沈没の続きはどうなんでしょう」みたいなことをきいた。小松先生はあっさりと「ああ、それは、谷甲州に書かせている」と。仰天し、冗談じゃないのかと思ったが、その後実際に出版されることになるのは周知のとおり。

2011-08-31 20:06:48
高橋望 @nozomut

【追悼・小松左京】あれこれ話をしていると、また別の老人が出現。これは、すぐにわかった。野田 昌宏元帥である。僕は、すごく昔に、アニメージュの仕事で一度だけ会ったことがあった。せっかくなので長年の疑問をたずねた。「スターウルフの続きはどうなっているんでしょう」

2011-08-31 20:09:28
高橋望 @nozomut

【追悼・小松左京】これについては、野田元帥は「いやあ、何しろ本人が死んでるからねえ。いろいろ説はあるけど」とのこと。昔の情報で、4巻目が存在するみたいな話があったので確認したかったのだが、こっちは残念だった。で、作家たちはクルーズに出るそうで、二人して席を立った、という次第。

2011-08-31 20:11:38
高橋望 @nozomut

【追悼・小松左京】アニメ界を代表する監督たちと、SF界の大長老たちが奇跡の遭遇をする場に居合わせたわけで、文字通り、真夏の夜の夢そのもののひと時であった。程なくして野田元帥はなくなり、今また小松先生が。月並みであるが冥福を祈りたい。

2011-08-31 20:14:44
高橋望 @nozomut

【追悼・小松左京】今は、この機会に、ということで電子書籍で「さよならジュピター」を熟読中である。これは、映画版を先に見て、ウーンと思ったのと、木星爆発というモチーフが、星野之宣の傑作SFマンガ「巨人たちの伝説」に被っているので長く敬遠していた作品なのだ。

2011-08-31 20:21:30
高橋望 @nozomut

【追悼・小松左京】で、遅ればせながら「さよならジュピター」を読んでいるわけだが、これはこれで、すぱらしい作品だと思う。どんな巨大災害があっても、人間が科学の力を信じて力を合わせれば必ず乗り越えられる、という確信に満ちている。小松先生の震災の時のコメントそのものだ。

2011-08-31 20:26:07
高橋望 @nozomut

【追悼・小松左京】結構読み落としているものもあるので、この機会に小松作品をいろいろ読んでみようと思っている。「果てしなき流れの果てに」も、ずいぶん昔に読んだきりなので再読してみよう。今の日本に必要なのは、小松先生の未来への確信ではないか、と思うし。

2011-08-31 20:28:24