TVドラマ『アンという名の少女』はじめの10分でわかる偽アン・シャーリー
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NHKで放映の『アンという名の少女』は、赤毛のアンの世界に現代的テーマ(マイノリティとかフェミニズムとか)を盛り込んだオリジナル展開のドラマで、ネットでは賛否両論です(自分の感覚では)。個人的には「原作のことを考えなければ(知らなければ)楽しめるかもしれない」程度の判断。
2021-12-23 19:22:33まず、アン、というのはややこしいので偽アン、ということにしよう、が駅舎でマシューを待つ冒頭の場面。原作ではアンはベンチではなく、隅っこのshinglesというものの上に座ってることになっています。
2021-12-23 19:23:34このshinglesの解釈が難しいので、漫画化・アニメ化の際には「砂利っぽい(線路の下に敷く石みたいな)もの」の上に座っています。
2021-12-23 19:23:57次に、偽アンは白いエプロンとか着てますけど、原作では「黄色じみた灰色のウィンシー織りの服」だけ。ウィンシー織りってのは、孤児院に大量に布地を寄付してくれた人がいた、という設定で、基本的に寒い季節の服に使われるのね。6月のプリンス・エドワード島の桜の木のところで寝ても問題ない素材。
2021-12-23 19:24:32あと、マシューが馬を止めるのは駅舎の前じゃなくてブライトリヴァー・ホテルの庭。ただこの駅舎周辺の問題は、実写化するにあたって適当なロケ地がなかったという判断も可能なのね。撮影が面倒くさいとかね。
2021-12-23 19:25:01いかんのは、偽アンはマシューの馬にいきなり名前をつけてますけど、『赤毛のアン』では、動物に名前をつける登場人物なんていないのよ。真アンは、湖とか植物とか、自然物には勝手に「喜びの白い道」とか名前つけてますけどね。
2021-12-23 19:25:23あと、回想シーンでアンがシチューを作らせてる、みたいな場面があるんだけど、アンは拾われた家庭では、子供の世話とか洗濯とかにこき使われるのに、料理は手伝ったことはないのよね。マリラにはじめて料理の仕方を教わるの。どうしてかって、毒でも入れられると思われてたんじゃないかな。
2021-12-23 19:25:46それに、グリーン・ゲイブルズの家に行くとき、ウマをトロットで走らせる、なんてこともしない。マシューが緑色のカップで紅茶を飲むなんてこともありえない。マシューはカップではなくソーサーでお茶をすすって「ソーサーのう」って言うんだよ(日本のアニメでは)。
2021-12-23 19:26:13アニメの『赤毛のアン』、そこらへん無駄によくできてたなあ。OPの、アンがチャリオット(みたいなの)で疾走するイメージシーンもあるんだけど、あれはジョセフィンおばさんの招待を受けてシャーロットタウンの共進博覧会(原文だとthe Exhibition)で見た競馬から来てるんだろうな。
2021-12-23 19:26:33