「It's so hot.」を「暑い」という語を使わず、女子高生っぽく日本語化する(課題)

「It's so hot.」を普通に日本語化すると「とても暑い/熱い」(気候とか飲み物で使い分ける)
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砂手紙 @sandletter1

ある程度のひねくれた技術を持ちたいと思うと、「英語の音と日本語の音(の一部)を合わせる」ということをしたくなります。具体的には「inspiration and perspiration」とか。これは発明王エジソンの言葉として、普通は「(天才とは)1%のひらめきと99%の努力である」とか日本語化されてる奴。

2021-12-24 19:09:24
砂手紙 @sandletter1

だけど英語だと「spiration」の部分が同じなんだよね。だから、意味としてはその日本語化でも問題ないんだけど。音が合ってない。だからこうするの。「直感と発汗」「ひらめきと汗かき」。

2021-12-24 19:09:34
砂手紙 @sandletter1

ところで、田中小実昌という元翻訳家で作家・エッセイストでも有名な人がいます。この人が修行時代に、「It's so hot.」を以下のように訳して師匠に感心されたそうです。そのまま訳せば「とても暑い」。会話の中だと「暑くてやってらんねえや」みたいな感じね。桂枝雀なら「暑くてどんならんな」かな。

2021-12-24 19:10:11
砂手紙 @sandletter1

さて、1950年代のロスアンゼルスかニューヨーク、時は残暑の夕刻、定期パトロールから、まだクーラーのない警察署に戻ってきた警官が、同僚に向かって扇風機の風を浴びながら、「It's so hot.」。さてこれをどう日本語化するかな。ヒントとして、「o」の音をふたつ使うこと。英語だとふたつあるから。

2021-12-24 19:10:39
砂手紙 @sandletter1

田中小実昌の訳は「暑いのなんの」。驚きました。あなたは驚かないかもしれないけど、自分は驚いた。なお、直訳として「とても暑い」でも「o」の音はふたつあるから問題ないの。ただ、「暑くてやってらんねえや」だと、意味は通じるけど「o」の音がひとつもないから、個人的な評価は70点ぐらい。

2021-12-24 19:11:03
砂手紙 @sandletter1

ではここで別の問題。昭和の時代の東京の夏、中流階級の奥様が町で買い物して帰り道、バスから降りて日傘を差して歩いていると顔見知りと会うとしましょう。そのときの「It's so hot.」はどういう日本語かな。同じように考えると「お暑うございますねえ」かな。

2021-12-24 19:11:28
砂手紙 @sandletter1

「お暑うございますこと」だと、「o」の音が4つになるからあかんのよ。じゃあねえ、次は今の時代の東京の女子高生。時は残暑の夕刻、クーラーの効きの悪い文科系の部室に入ってきて「It's so hot.」。日本語だとどうする。「o」の音をふたつ使って、なおかつ「暑い」という語を使わない。

2021-12-24 19:12:10
砂手紙 @sandletter1

えー、そんなのできないよ。だから考えるんだよ。自分が30分考えて浮かんだのは「もう~溶けそう~」。高知の女子高生なら「ほてるぜよ」、熊本の女子高生なら「ほってんとっと」、明石の女子高生なら「ほんまゆでダコ」。ここらへんは嘘ですが。

2021-12-24 19:12:36
砂手紙 @sandletter1

でも普通の翻訳者はそこまで考えないのよね。日本語として意味が通じればいいんで、考えすぎると時間ばかりかかって金にならないからね。

2021-12-24 19:12:56