茂木健一郎(@kenichiromogi）さんの連続ツイート第2666回「片山晋三監督の才能に期待する」

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート２６６６回をお届けします。文章は即興で書いています。本日は、感想です。

茂木健一郎 @kenichiromogi

このところ、ツイッターのTLを見ていると韓国ドラマや映画をほめている書き込みが随分あって、あと、それと比較して日本のエンタメの停滞を嘆いている書き込みがある。いろいろ要因があるけれども、キャスティングと批評を真剣にやっていないことは間違いなく関係すると思う。

茂木健一郎 @kenichiromogi

日本では、アイドルだったとか、事務所が強いとか、何らかの理由で「スター」というキャラ設定になると、その作品や脚本にあっているかどうかに関係なく主要な役としてキャスティングされる作品が多く、結果として質が低下するがそれをまともに批評する土壌がない。

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場合によっては、「スター」というキャラ設定になっている人がかっこよく見えたり映えたりするような脚本や演出になっていて、まるでその「スター」（仮）のおもてなしドラマ、おもてなし映画になることもある。よろこぶのはその「スター」（仮）とその限られたファンだけだ。

茂木健一郎 @kenichiromogi

本来、有名無名に関係なく、作品や脚本、監督の演出方針に従って厳しいオーディションを経て作品のためにすべてのエネルギーが使われればいいのに、「スター」（仮）というキャラ設定になった人を立てる制作が行われて、批評性のない芸能マスコミが提灯記事、提灯番組をつくる。

茂木健一郎 @kenichiromogi

ポン・ジュノ監督の『パラサイト』がアカデミー作品賞や監督賞をとり、BTSがグラミー賞にノミネートされるなどの動きに日本がすっかり取り残されている要因として、以上のような「スター」（仮）のキャラ設定の人のおもてなし作品と批評性のない提灯芸能記事番組という文化風土があると私は考える。

茂木健一郎 @kenichiromogi

先に、「スター」（仮）の本人および限られたファンしか得しないドラマ、映画と書いたが、本当は「スター」（仮）のキャリアにとっても、またそのファンにとっても真剣なキャスティングと厳しい批評にさらされた方がエンタメとして質が向上し世界に出られて良いのに、ぬるま湯で残念な結果になっている

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そんな中、『岬の兄妹』で鮮烈なデビューを果たし、来年公開の『さがす』で凄まじい才能を見せつけた片山晋三　監督は、キャスティングや演出で妥協せず、素晴らしい可能性を感じさせる。その作品がアカデミー作品賞や監督賞をとる日が近いと信じて、片山晋三監督の才能に期待する。

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以上、連続ツイート２６６６回「片山晋三監督の才能に期待する」をテーマに７つのツイートをお届けしました。