放射能リスク評価のコンセンサス形成について

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アルルの男・ヒロシ @bilderberg54

コンセンサス論について更に発展させる。「現在コンセンサスがない」としたのは、09年に発表されたNYアカデミーオブサイエンスのチェルノブイリ報告書で新しいデータが発表されたが、これに対する主流派学者のレスポンスがないためである。既存コンセンサスを覆すかという価値判断がされてない。

2011-09-01 17:57:36
アルルの男・ヒロシ @bilderberg54

日本で言う「放射能ママ」が拠り所にしているもこのヤコブロフ・NYアカデミーの論文を使うバズビー教授などのECRR一派。コンセンサスがない以上、大衆の判断は「リスク=極大かゼロ」とならざるを得ない。故に新しいコンセンサスを作ることが重要なのである。

2011-09-01 17:59:37
アルルの男・ヒロシ @bilderberg54

そこでコンセンサス形成を「合理的選択論」の観点で解釈する。コンセンサスを作る合理性を「合理的選択論」では「将来の健康被害に対する補償額」という観点で測る。補償を支払うのは東電か政府である。政府にとってのインセンティブは、将来の補償をできるだけ少なくすることである。

2011-09-01 18:02:25
アルルの男・ヒロシ @bilderberg54

そのためには新しいエビデンスに対するコンセンサス形成をする場合に、エビデンスの妥当性を過小評価することになる。コンセンサス形成の会合を山下俊一や笹川財団はこの9月に行う。山下は県のアドバイザーであるが、国立大学である長崎大学教授だったからプリンシパルは政府(文科省等)である。

2011-09-01 18:05:06
アルルの男・ヒロシ @bilderberg54

つまり、合理的選択論で解釈すると、山下俊一はプリンシパルである政府から「200万健康調査」の研究予算を得るので、エージェントということになる。エージェントはプリンシパルの合理性(補償をできるだけ少なく)を実現する役割がある。これにインデペンデントである批判側が挑む構図になる。

2011-09-01 18:06:49
アルルの男・ヒロシ @bilderberg54

実際にインデペンデント側がそうかというと必ずしもそうではないかも知れない。例えば裁判になった場合、非主流派の学者たちが参考人や証人として法定にたてば、原告のエージェントであるわけだから。しかし、ここではインデペンデントと仮定しておく。

2011-09-01 18:08:15
アルルの男・ヒロシ @bilderberg54

新しいデータに基づくコンセンサスが形成されていない状態(現在の状態)は「アノミー状態」であると言いうる。アノミー状態においては、世論は「空気」に左右される。コンセンサス形成時に非主流派の学者を関与させることは、結果的に補償の金額をより多く得ることや生活補償の上乗せが期待できる。

2011-09-01 18:10:54
アルルの男・ヒロシ @bilderberg54

実際、山下俊一の行う会議にはIAEAなどの世界的な学者が30人参加するらしいが、ここにヤコブロフ教授らや熊取の今中哲二が参加できるかはわからない。仮に参加させても、山下は政府というプリンシパルのために、「降りしろ」(=譲歩幅)を少なくするであろうとは合理的に予測できる。

2011-09-01 18:13:10
アルルの男・ヒロシ @bilderberg54

コンセンサス形成に、非主流派(危険派)の学者を参加させることは、政府にとって福島原発事故に対する補償の「制定コスト」を高めるが、逆に「実行コスト」を低下させることになる。実は危険派を排除することは実際に被害が生じた場合の将来の対処コストを高くする可能性もあるのだ。

2011-09-01 18:15:46
アルルの男・ヒロシ @bilderberg54

厄介なのは原発事故による健康影響は数十年のスパンで見なければならないことだ。一方、山下も含めた政府側は、短期間の合理性(=自分の余命や研究期間)だけで判断するので、だいぶ先の政府が抱えるコストを重視しない。なぜなら先のことは分からないなら今のコストを減らす動きになるからだ。

2011-09-01 18:18:36
アルルの男・ヒロシ @bilderberg54

何が起きるか分からないことに関しては、反対派もステークホルダーにする努力が政府にも必要だし、それが最終的には政府にとっても合理的なのである。繰り返すが今やるべきは、新しいデータに対するコンセンサスを作る(賛成しない事も含めて)べきである、ということだ。合理的選択論からはそうなる。

2011-09-01 18:21:49
アルルの男・ヒロシ @bilderberg54

だが、政府はメディアを使った「空気(ニューマ)」の形成を利用して、放射能問題に関する庶民の不安をコントロールするという好ましくない手法を使っている。コンセンサスを作ることはわずかであれパニックを縮小する好ましい効果がある。健康被害が個別的補償で対処しうるオーダーであればいいが。

2011-09-01 18:27:10
SHIBASAKI Rikiei|柴崎力栄 @rshibasaki

結局はそうはならなそうですね。今夕の一連のツイート、状況を整理して理解するのに有益でした。 @bilderberg54 何が起きるか分からないことに関しては、反対派もステークホルダーにする努力が政府にも必要だし、それが最終的には政府にとっても合理的なのである

2011-09-01 18:29:11
アルルの男・ヒロシ @bilderberg54

御用学者(ごようーがくしゃ)【名】1.値切り屋代行業 2.(合理的選択論)<本人>である政府・国の「賠償コスト」を極小化する合理性に基づき行動する学者のこと。科研費などのインセンティブに従う場合が多い。

2011-09-01 18:29:54
SHIBASAKI Rikiei|柴崎力栄 @rshibasaki

科研費採択課題「インターネットを活用した情報共有による新しい地学教育」であのような活動を行なっている早川由紀夫ケースについて説明を試みて。 @bilderberg54 御用学者【名】政府・国の賠償コストを極小化する合理性に基づき行動。科研費などのインセンティブに従う場合が多い。

2011-09-01 18:34:51
アルルの男・ヒロシ @bilderberg54

@rshibasaki 来年以後、科研費が増額されるかされないか、ではないでしょうか。

2011-09-01 18:36:19
SHIBASAKI Rikiei|柴崎力栄 @rshibasaki

@bilderberg54 科研費は分野ごとに枠があり、その分野の匿名の審査員が審査します。地質学の内部での評価で特定の地質学者に配分されるか否は決まります。行政の硬直性故に、直接の影響は及ばないが正解かと。それから、あるテーマは数年分一括して採択され金額もfixしています。

2011-09-01 18:39:49
アルルの男・ヒロシ @bilderberg54

@rshibasaki なるほど。あの方のツイートが国民的に「スキャンダル」になっているわけではないし、それゆえに今の段階で地質学の専業の評価にはかかわらないんでしょうね。

2011-09-01 18:42:07

アルルの男・ヒロシ @bilderberg54

ウィリアム・サファイアの政治用語辞書での「コンセンサス」の記述が参考になる。「必ずしもすべての立場(要素)を包含するわけではないが、グループが決断を致すに十分な立場を包含する幅広い合意のこと」と定義されている。

2011-09-02 17:52:39
アルルの男・ヒロシ @bilderberg54

続き。「古代の哲学者キケロは、すべての都市国家での意見におけるコンセンサスは、どのような問題に関してであっても、「自然法」(law of nature)だと受け止められうる」また、ケネディに対して、リベラル派の助言者が「コンセンサスの政治ではなく、対決の政治」を求めたと用例。

2011-09-02 17:56:08
アルルの男・ヒロシ @bilderberg54

続き「コンセンサスは、トータル・アグリーメント(完全なる合意)ではない」リップマンは、リンドン・ジョンソンが、「コンセンサスを探るといっても、すべての人が彼に投票することも同意することも求めているわけではない」山本七平が言っているように最後は多数決で決まる。

2011-09-02 17:58:32
アルルの男・ヒロシ @bilderberg54

続き。ちなみに、サファイアの本では、「アメリカの政治的伝統においては、強固なコンセンサスは6割から75%の支持。一応コンセンサスと言いうるのは51%の支持である」この意味で何らかの意味の「脱原発派」は日本でもコンセンサスを得ていることになるわけだ。期間の問題は別にして。

2011-09-02 18:00:10