- Bredtn_1et
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そういえば、昨晩断片的にですが拝聴したzentekiさんの生放送にて、視聴者コメントの「天女返しはつばめがえしと読む」に驚いたことを今になって思い出した。うちの事典の文章が誤解を招いたかと不安に思って見なおしたけれど、それは取り越し苦労っぽいかな。天女をツバメとは読んでない。
2011-09-01 00:08:52探してみたところ、元ネタwikiさん(人智剣「天女返し」)と東方wikiさん(小ネタ集)で天女の読みが「つばめ」と書かれていました。どちらかが原点かな…。元ネタwikiさんの「参考」にあるリンクは私も参照したサイトですが、燕の異称に天女が確認できる程度なんですよね…。
2011-09-01 00:23:23@ohgosho 「天女(ツバメ)」は自分もびっくりしましたねぇ。 ネットで調べましたが、「つばめは天女の異称をもつ」と「つばめは天女とも書く」が入り乱れてました。 元ネタwiki以外の一般ブログなどにも書かれてましたので、どこが原点やら……。
2011-09-01 11:54:13ツバメは「乙鳥」とも書くそうだ。 これは乙の形に飛ぶ鳥という意味なのだが、子安の象徴でもあるし、いつからか「乙女鳥」と解釈されて、それが「天女」に繋がったのかもしれないな。
2011-09-01 11:57:07現存最古の漢和辞典、『新撰字鏡』では「燕」を「つばひらこ」と訓んでいる。 これは蝶の大和言葉である「かわひらこ」にも通じそうだなぁ。 「ひらこ」とは一体……。
2011-09-01 12:00:40@zenteki ネットだともはや分からないですね…広辞苑や民俗語彙集などの書物で掲載されているもなを探した方が良いかもしれませんね…。
2011-09-01 12:02:21@Bredtn_1et ネットで一度誤った情報が広がると、それが一つの解釈としてまかり通ってしまいますからねぇ。 「レーヴァテインがスルトの持つ炎の剣」とかもネット発祥だったような気がします。
2011-09-01 12:07:46@zenteki そうですね、あれは発端はとある書物で、本文ではない補注に、しかも控え目に「もしかしたらラグナロクのこの剣がレーヴァテインだったのかもしれない」と書いてあったのが、「スルトの剣はレーヴァテイン」として広まってしまったのだと把握しています。
2011-09-01 12:16:54そういえば、ちょっと前に @ohgosho氏と @zenteki氏が談義していた「天女」を「ツバメ」と読む事例があるかどうか、自分なりに少し調べたのだった。
2011-09-03 22:19:31次に『図説 日本鳥名由来辞典』には「天女【ツバメ】"つばめ"の漢名の一。 →つばめ」とあった。この例については『本草色葉抄』、『観文禽譜』、『庶物類纂』を挙げている。
2011-09-03 22:25:47ただし、この書物では直前に「田洞鶏(デントウケイ)【ツルクイナ 雌】」、直後は【ト】の項目となっているため、漢字はあくまで「てんにょ(てんじょ)」と読ませて、それがつばめのことを意味する、という書き方であると解釈した方が良さそうだ。
2011-09-03 22:26:29続いて『世界大博物図鑑 4 鳥類』を見ると、「ツバメ」の項の漢名の一覧に「天女」が見える。また、天女の名は人が白燕を見ると貴女を産むしるしである、という故事からだと説明している。これについては『古事類苑 動物部』にて『本朝食鑑 六 華和異同』に(続
2011-09-03 22:30:31続)「京房易占曰、人見ニ白燕-主レ生ニ貴女-、故燕名ニ天女-、…(後略)」とあり、確かにその説話が存在していたことが窺える。
2011-09-03 22:32:17あとは『古事類苑 動物部』を見る限り、『本草和名 十五 獣禽』に「燕鳥(※へんに燕、つくりに鳥で一文字)矢、…(中略)…、一名天女、…(中略)…、巳上五名出ニ兼名苑-、和名都波久良女、」ということでやはり「燕の別名の一つに天女があり、和名はつばくらめである」と紹介されている。
2011-09-03 22:35:48だけど、これも直接「天女」の文字を「ツバメ(ツバクラ、ツバクラメ)」と訓じているわけではない。今回当たることができた資料の範囲では、「ツバメの別名(漢名)の一つに「天女」がある」という記述にとどまっている。
2011-09-03 22:37:47しかしまあ、「天女」=「ツバメの別名」というのは正しいわけで…この辺りから「天女」の文字に直接ツバメとルビを振ることが起きてもおかしくはない状況なのかなぁ、と。
2011-09-03 22:38:46@Bredtn_1et ツバメのことを天女と書く、との直接的な表現はなさそうですが、「ツバメ」という音に天女を当てることはままありそうですね。 ありそうと言っても、「女」とメが掛かるぐらいですが……「乙鳥」と書いてツバメよりかはしっくりきますね。
2011-09-03 22:42:27ついでだから四方山話も。先の『図説 日本鳥名由来辞典』では『新撰字鏡』…つばびらこ(※へんに燕、つくりに鳥で一文字の漢字を当てる)、『倭名類聚抄』…つばくらめ(※かんむりに燕、あしに鳥の漢字を当てる)、『類聚名義抄』…つばくらめ(※『新撰字鏡』と同じ漢字、他「玄鳥」「鳦」もあり)
2011-09-03 23:02:04『色葉字類抄』…つばくらめ、つばめ(※『倭名類聚抄』と同じ漢字を当てる)、という状況になっていると説明。『竹取物語』『今昔物語』ではつばくらめらしい。
2011-09-03 23:04:22あと『世界大博物図鑑 4 鳥類』では「[和]ツバメ<燕>、ツバクラメ、アマドリ [中]燕、乙鳥、玄鳥、鷙鳥、鷾鴯、游波、天女」と、燕の別名を載せている。
2011-09-03 23:07:20個人的には「アマドリ」という和名もちょっと気になるかな。もしかしたらアマの音から天の文字に繋がったのかもしれないし。(一方、ツバメは昔から雨を予知するといわれていたりすることから、「雨」からこの名前が来た可能性も十分に考えられるのだが…。)
2011-09-03 23:12:46